2022年の主要中銀について備忘録的に。
FRB、ECB、日銀の量的緩和
<FRB>
過去5年のFRB資産、前年同月比のグラフ。
2018年から2019年半ばにかけて1年半ほどの資産縮小。
コロナ後のピーク時は前年比+86%の増加。
2021年中頃からは前年比+20%程度で推移。
2022年は量的緩和停止、その後資産縮小を行うもよう。
<ECB>
※出所:Central Bank Assets for Euro Area (11-19 Countries) (ECBASSETSW) | FRED | St. Louis Fed
過去5年のECB資産、前年同月比のグラフ。
コロナ前はしばらく量的緩和規模縮小モード。
コロナ後の量的緩和により資産急増。
ピーク時は前年比+52%の増加。
2021年中頃からは前年比+25%程度で推移。
2022年は量的緩和を継続するも、規模を縮小していくため、前年比での増加率は低くなっていきそう。
<日銀>
※出所:Bank of Japan: Total Assets for Japan (JPNASSETS) | FRED | St. Louis Fed
過去5年の日銀資産、前年同月比のグラフ。
コロナ直前の量的緩和規模縮は前年比+4%程度。
コロナ後のピーク時は前年比+23%の増加。
直近では前年比+2%程度の小規模な量的緩和。
ただ、長期金利が0.25%を超えると無制限の国債買い入れを行う措置が発動されるようで、今後世界的に国債利回りが上昇する状況が続けば、日銀の国債買い入れ機会が増え、日銀資産が膨れ上がる可能性あり。
その意味では今後日銀はインフレ下でも比較的緩和的な金融政策になる可能性あり。
<FRB、ECB、日銀の量的緩和のまとめ>
FRBが量的緩和終了、量的縮小に向かい、ECBの量的緩和規模が段階的に縮小される見通し。
日銀は長期金利が0.25%を超えると無制限の国債買い入れを行う予定で、この観点では昨年よりやや緩和的になるか。
3行トータルでは昨年までよりは引き締め的な政策になりそうで、これは株式市場にとってネガティブ。
FRB、ECB、日銀、その他中銀の政策金利
2022年、FRBは利上げ。
わたしの知っている範囲ではECB、日銀は今のところ利上げには言及せず。
その他の、イギリス、ニュージーランド、ロシア、メキシコ、ブラジル、南アフリカなどは最近利上げを実行。
逆に中国、トルコは利下げ。
総じてインフレや景気過熱要因で利上げ派が優勢。
これは株式市場にとってネガティブ。
※参考
●政策金利一覧・FX統計データ | 外為どっとコムのFX | 初心者にもわかるFX投資
まとめ
2022年は総じて中銀のスタンスは昨年より引き締め的なものになりそう。
コロナという非常時での金融政策、財政政策からの転換ともいえるのでしょうが、今までのような強力なサポートが受けられなくなる可能性が高いことになり、株式市場にとっては大きなネガティブ要因か。
また直近の消費者物価(前年同月比)は米国+7.5%、ユーロ圏+5.1%、日本+0.8%。
物価上昇がおさまらないと金融緩和や財政出動がしにくくなる可能性が高まるので、今年は物価動向が今まで以上に市場に影響を及ぼしそう。
場合によっては
利上げせずに経済を優先するか、利上げして物価抑制を優先するか
で難しい判断を迫られる中銀が増加するかも。
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