欧州株が6ヶ月連続で下落。2003年以降で初めて。
※本記事では欧州株=ユーロ・ストックス50
リーマン4ヶ月 欧州債務危機5ヶ月 2022年6ヶ月
※出所:ユーロ・ストックス50 過去のレート - Investing.comより作成
今年の欧州株、月間騰落率、6ヶ月連続下落。
※出所:ユーロ・ストックス50 過去のレート - Investing.comより作成
リーマンショックのときは4ヶ月、欧州債務危機のときは5ヶ月連続。
もっともその前後を含めると、直近高値からリーマンショック時は最大61%、欧州債務危機時は36%程度下落。
今回は今のところ23%程度なので大暴落感は薄く、じわじわ下げてるという感じ。
ユーロ圏の物価上昇
ここ5年のユーロ圏の消費者物価、前年同月比。
昨年12月は+5.0%。
2022年6月の速報値は+8.6%で5月の米国並みですが、昨年12月+7.0%だった米国より急速に物価が上昇中。
+2%台の日本とは大きな差があり、それでいて7月にようやく利上げ開始の予定。
この記録的な物価上昇が今後どうなるのかは不明ですが、欧州は構造上の弱点を抱えつつ、株価が2割ほど下げた状態から、金融引き締めに向かうもよう。
欧州の構造上の弱点
上記サイトより引用。
◎ユーロが通貨政策と金融政策は統合しても、財政政策は各国が主権を握る中途半端なシステムだったことも根本的な問題としてあった。
欧州債務危機の頃にさんざん指摘されていたテーマですが、ユーロ圏の
☆通貨政策・金融政策⇒統合
☆財政政策⇒各国に裁量あり
というテーマが再び注目されることになるかも。
ギリシアやイタリアにとっては高すぎる通貨、低すぎる政策金利。
ドイツにとっては安すぎる通貨、高すぎる政策金利。
みたいな。
物価高にあおられて、ただでさえバランスをとるのがむつかしそうなECBのかじ取り、今年後半の大きなテーマになりそうな雰囲気。
最後に、気になる国
個人的に最も注目しているのはイタリア。
ドル建て名目GDPで2021年、世界8位の経済大国ですが、自国通貨建ての実質GDPは2007年をピークに15年ほど低下傾向。
GDP比の政府債務も多く、2015年以降人口も減少中。
似たような傾向を持つ日本のあなたに言われたくない
的な指摘ではありますが、ギリシアなどより経済規模が大きいこの国の、信用不安のインパクトは巨大であると思われます。
何事もなければですが、今後しばらく気にしていこうかと。