米国リートの割安割高を探ってみる記事。
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米国リートスプレッド
米国リートの割安割高の判断の目安の一つとしてわたしは米国リート(IYR)と米国の長期国債利回りの差(スプレッド)を確認しています。
本記事では
「IYRの平均利回り-米国国債利回り(10年物)」
のことを「米国リートスプレッド」とします。
クレジットスプレッドと同じような発想で、「米国リートの利回り」と「長期国債の利回りの差」が
・大きいほど米国リートは割安
・小さいほど米国リートは割高
とみなす見方。
※IYRの利回りは過去1年間の分配金で算出
※「米国リートスプレッド」は一般的な用語ではありません
※クレジットスプレッドについてはコチラ↓
最新の米国リートスプレッド
次に米国リートスプレッド
●【IYRの利回り-米国債10年物の利回り】
の推移を確認。
期間は2002年9月~2023年2月末。
※出所:iShares U.S. Real Estate ETF (IYR) Stock Price, News, Quote & History - Yahoo Finance、アメリカ 10年 債券利回り - Investing.com より作成
2002年9月以降の中央値は約「1.0%」。
2023年2月末は約「-1.1%」で前月「-0.9%」より低下。
・IYRの利回り:2.82%
・米国10年物債利回り:3.94%
2月末の「-1.1%」は中央値「1.0%」より大幅に小さく水準としては米国リートは
割高?
と推測。
参考①:米国リートスプレッドとS&P500の推移
※出所:iShares U.S. Real Estate ETF (IYR) Stock Price, News, Quote & History - Yahoo Finance、アメリカ 10年 債券利回り - Investing.com 、S&P500 インデックス(SPX) - Investing.comより作成
※期間:2002.9~2022.3
あくまで近年の経験則ですが、米国リートスプレッドが概ね2%以上の時期にS&P500は低迷し、割安であったことが多いもよう。
参考②:「米国リート」と「米国10年国債」過去の利回り
下記グラフは2002年9月末~2023年2月末の米国リートと米10年国債の利回りの推移を示したもの。
※出所:iShares U.S. Real Estate ETF (IYR) Stock Price, News, Quote & History - Yahoo Finance、アメリカ 10年 債券利回り - Investing.com より作成 ※期間:2002.9~2022.3
米国リートの利回りは月末値では
・ITバブル崩壊後:約7%
・リーマンショック後:約12%
・欧州債務危機、チャイナショック、コロナショック:4.0~4.5%
まで上昇。
ほとんどの時期で
「米国リートの利回り」>「米国債の利回り」
ですが、2005年7月~2007年10月は2年以上
「米国リートの利回り」<「米国債の利回り」
となっています。
いわゆる住宅バブルの時期。
そして今は住宅バブル期以来の
「米国リートの利回り」<「米国債の利回り」
の状況で、約1年異常事態が継続中。
あとがき
リート弱気派からは
米10年債利回りが4%ほどある時期に、たかだか2.8%の利回りのために米国リートに投資しますか?
住宅価格も下がってきてますよ
というつっこみが入りそうな状態。
<S&P/ケース・シラー住宅価格指数(主要20都市)>
※出所:S&P/Case-Shiller 20-City Composite Home Price Index (SPCS20RSA) | FRED | St. Louis Fed
もちろんリートは利回り獲得のためだけに投資するものでもなく、今後の米国リート価格動向も米国住宅価格動向も不明ではありますが、個人的には割高感を感じる状況。
※先のことは不明。投資は自己責任で
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