世界景気の現状について。
グローバル製造業PMI
「PMI」は「購買担当者指数」のことで景気指標の一つ。
世界の多くの国で採用されており、毎月更新される即時性の高い便利な指標。
50が分岐点であり
●50より大きい⇒景気拡大
●50より小さい⇒景気減速
と判断。
製造業PMIは「製造業購買担当者指数」のことで、製造業全般の景気を示唆。
グローバル製造業PMIは「全世界の製造業の景気状況」を示唆する指数。
世界景気動向の目安として、グローバル製造業PMIの推移を確認。
※出所:PMI Releasesより作成 ※期間:2018.1~2023.9
直近ピークは2021年5月の「56.0」。
直近ボトムは2022年12月と2023年7月の「48.6」。
最新値2023年9月は「49.1」で、前月より「+0.1」ポイント。
直近ボトム2023年7月の「48.6」から2ヵ月連続で上昇、0.5ポイントアップ。
水準としては節目の50を7カ月間下回り、景気減速傾向。
グローバル製造業PMIとS&P500
※出所:PMI Releases、S&P500 過去のレート - Investing.comより作成
※期間:2018.1~2023.9
2018年以降のグローバル製造業PMIとS&P500を併記。
PMIは青で左軸。
株価はオレンジで右軸。
この期間の
☆PMIのピーク:2021年5月
☆S&P500のピーク:2022年1月
今回は8ヶ月ほどの長めタイムラグでともにピークアウト。
その後
☆PMIのボトム:2022年12月と2023年7月
☆S&P500のボトム:2022年9月
となっており、株価とPMIの乖離が目立つ状況。
個人的には今年に入ってのAIブームや2023年3月の銀行破綻を受けてのFRBの金融緩和などが株価ブーストの主な要因と推測。
9月の動きとしては株価がPMIの水準に接近し乖離がやや解消。
JPモルガン・グローバル総合PMIの確認
ここまではグローバル製造業PMIの話。
サービス業と製造業をあわせた「JPモルガン・グローバル総合PMI」という指標もあり、こちらも確認。
※出所:https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/13520721b61b4c50ba86b1f33b5f9a80より作成
この指標、2008年以降では3回ほど、節目の50を下回り、不況を示唆したことがあります。
1回目は2008~2009年の世界金融危機、2回目が2020年のコロナ不況、3回目が2022年の秋ごろ、インフレ+利上げで株価が低迷していた時期。
ほかにも好不況の分かれ目の「50」に2度接近。
1度目は2012年の欧州債務危機、2度目は2015~2016年ごろのチャイナショック。
世界景気動向をそれなりに反映してきた指標といえます。
最新の2023.9月データは「50.5」で8月の「50.6」よりやや低下、節目の50にやや接近。
7月⇒8月は「51.6」⇒「50.6」という大きな低下でしたが、9月は下げ渋っているという印象。
☆50手前で踏みとどまれれば株価に総じてポジティブ
☆50を下回っていくようなら株価に総じてネガティブ
か。
景気水準としては50近辺で世界景気はあまりよくない状況。