米国物価とモノの値段(CRB指数)を観察する記事。
CRB指数とCPIの前年同月比
※出所:TR/CC CRB インデックス(TRCCRB) - Investing.com、Consumer Price Index for All Urban Consumers: All Items in U.S. City Average (CPIAUCSL) | FRED | St. Louis Fedより作成
※期間:1995.2~2023.9
上記グラフはCRB指数(以下:CRB)と米CPI(消費者物価指数、モノとサービス物価を指数化したもの)の前年同月比。
右軸がCPI(%)で左軸がCRB(%)。
CRBはいわゆるモノの値段をドル建てで指数化したもので、モノの価格が上がれば物価も上がりやすいわけで、両者にはそれなりの相関あり。
この期間(1995.2~2023.9)のCRBとCPIの前年比データ同士の相関係数は「0.68」で強い正の相関。
前年比でCRBが上昇していればCPIも上がりやすく、その逆もしかり、という関係性。
CRBの前年比は2023.5月の「-19.8%」で底打ちし9月は「+6.1%」まで上昇。
CPIの前年比は2023.6月の「+3.0%」で底打ちし9月は「+3.7%」まで上昇。
<2021年以降のCRB、CPI前年比>
※出所:TR/CC CRB インデックス(TRCCRB) - Investing.com、Consumer Price Index for All Urban Consumers: All Items in U.S. City Average (CPIAUCSL) | FRED | St. Louis Fedより作成
上記サイトの予測(10/18時点)では10月のCPI(前年同月比)の予測値は+3.4%で9月より下がる見込み。
株式市場への影響
昨年10月のCRBは「274.1」。
直近のCRBは「285.8」であり、このままだと10月のCRBは前年比+4%程度。
9月の+6.1%より下がりそうですが、前年比プラス圏に浮上しているモノの価格。
米10年債利回りの暴騰が株高を阻害している現状。
CRBが前年比で大きく下がってCPIも下がりやすくなり、10年債利回りもまた下がりやすくなる、という雰囲気でもなく、その逆でもなさそう。
とりあえず中東緊張による原油価格の急騰でのリスクオフはありえそうですが、原油価格上昇が長続きしなければ、そんなに大騒ぎにもならなさそう、という個人的印象。