異例の横ばい状態が続いていた中国住宅価格、明確な下落トレンドへ。
中国 住宅価格指数 (前年同月比。2011年~)
※出所:中国 住宅価格指数 (前年比)
中国住宅価格指数は、中国国家統計局が発表するデータをトムソン·ロイターが算出した加重平均指数で、中国の70の大・中都市における住宅価格を対象。
ここではこの指数の前年同月比データを観察。
最新値2024年4月は「-3.1%」(前月は-2.2%)。
±0.2%以内の変動が8ヵ月続きましたが、2023年12月以降、下落トレンドに転じています。
※出所:中国 住宅価格指数 (前年比)より作成
中国不動産市場がさえない要因の一つ、中国人口動態
※以下の3つのグラフの出所:人口 – 国際統計 Global Note
<中国:総人口>
IMFによれば中国の総人口は「2021年」をピークに今後減少する見込み。
<中国:生産年齢人口比率>
中国の生産年齢人口(15~64歳の人口)の比率は「2010年」がピークでその後は低下中。
<中国:生産年齢人口>
中国の生産年齢人口は「2016年」がピークでその後減少中。
それぞれのピークまとめ。
☆生産年齢人口比率:「2010年」
☆生産年齢人口:「2016年」
☆総人口:「2021年」
ほかにも理由はあるでしょうが、中国の経済成長率低下、住宅価格低迷の一因として「急速な少子高齢化」という人口動態要因は無視できないと思われます。
おわりに
前年同月比で住宅価格の「横ばい」状態が2023年4月以降8ヵ月継続。
引き続き異常事態が続くのか、何か変化が生じるのか、気になる状況。
前回の本シリーズ記事で上記のように書いていましたが、2023年12月データは住宅価格下落を示唆。
前回の本シリーズで上記のように書いていました。
2023年12月以降中国住宅価格は明確な下落トレンド。
住宅価格が上がってこない
⇒地方政府の歳入減
⇒本格的な中国の景気拡大期は来ない?
という推測は一応可能な状態か。
※参考
一方で足元の中国の輸入、PMI統計、株価などには少し明るい材料もないわけではなく、中国不動産価格に関して個人的には
☆昨年秋以降の世界景気拡大局面が終わって景気減速が明らかになる時期に
☆中国不動産価格下落トレンドが続いていた場合
☆大きなリスク要因になるかも
※今は世界景気拡大局面だからおおごとにはなりにくい?
という印象。
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