《【世界バフェット指標】で株式の割安割高を探る》シリーズの4回目、最終回になります。
内容は
世界バフェット指標で株式の割安割高を判断する問題点
です。
★世界バフェット指標で株式の割安割高を判断する問題点
ここまで世界バフェット指標を知る利点を述べてきましたが、「世界バフェット指標で株式の割安割高を判断する手法」にも問題はあります。
問題点は主に2つあります。
問題①:世界バフェット指標は未来を予測できるわけではありません
世界バフェット指標は経験則です。
過去と比較した現在の相場水準を、長期データを用いて推測しているだけのことです。
仮にある時点で「世界バフェット指標が歴史的に大きいから割高」と判断しても、その後市場がどう動くかは、誰にもわかりません。
さらにバブル相場が過熱することもあれば、何年も割高(と思われる)水準を維持することもあります。
過去のパターンが未来にも再現される保証はなく、過信は禁物です。
問題②:世界バフェット指標の長期的な平均値は時代とともに変化していく
前回記事のグラフと表を再掲します。
出所: 以下サイトデータより管理者作成 ◎GDP→IMF ◎時価総額→WFE
出所:以下サイトデータより管理者作成 ◎バフェット指標→IMFとWFE ◎TOPIX→ヤフーファイナンス ◎S&P500→ヤフーファイナンス
1995年1月のデータを見て、なにか気づくことはありますか?
用心深い方は気づかれるかもしれません。
何かが不自然、おかしい。
そうです、1995年1月末の世界バフェット指標は、小さ過ぎるのです。
リーマンショック後の0.48より小さい0.46です。
1995年頃のS&P500の動きを確認してみても、暴落相場の雰囲気は全く感じられません。どうして?
※出所 以下サイトデータより管理者作成 ◎ヤフーファイナンス
総じて昔は今より市場規模が経済規模より小さかった
と考えるしかありません。
わたしなりにこの理由を考えてみたのですが、1995年以前に比べて近年は時価総額=市場規模が大きくなりやすい環境が整っているのかもしれません。
◎オンライン取引の普及 ◎ETFや投資信託を利用したパッシブ運用の興隆 ◎国際資本移動の自由化 ◎国際分散投資の普及 ◎中央銀行の緩和政策の高度化、常態化
あるいは「資本主義の発達度合いや工業化の進展具合に比例して、バフェット指標は上昇しやすくなる」という説もあるようなので、全世界的に資本主義が発達した結果、と解釈してもいいのかもしれません。
理由はなんであれ、世界バフェット指標の長期的な平均値は時代とともに変化していくと思います。
1995年1月~2017年2月の平均値は0.76でしたが、仮に1985年1月~2017年2月の期間でデータ集計すると、この期間の世界バフェット指標の平均値は0.76より下がると思われます。
なので、0.76はあくまで1995年1月~2017年2月という期間の代表値であり、
普遍的な値ではないこと 現時点での目安に過ぎないこと
はご承知おきください。
以上で《【世界世界バフェット指標】で株式の割安割高を探る》シリーズはひとまず終了です。
明日、ダイジェスト版をまとめる予定です。