ユーロ圏の国債が売られる
以下サイトからの引用です。
ドイツ国債が2015年以来の大幅下落、ECB総裁発言に反応 - Bloomberg
27日の欧州債市場ではドイツ国債が約2年ぶりの大幅下落となった。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がデフレ圧力はリフレの力に置き換わったと指摘したことに反応した。
ユーロ圏の中核国と周辺国の国債利回りも大幅上昇した。ECBは12月まで国債購入を継続する方針を示しているものの、投資家らは総裁発言でECBが早ければ秋にも緩和策縮小を表明する可能性があると受け止めた。
早ければ今年の秋からECBが緩和政策縮小を表明するかもしれない。
そして、ECBが国債購入のペースを落とせば、国債価格は下がるのではないか?
という思惑からユーロ圏の国債が売られ、国債利回りが上昇しているようです。
※一般に債券の価格が下がると利回りは上がります
※出所:Rates & Bonds - Bloomberg<日本時間、2017.6.28、正午ごろのデータ>
3つの中央銀行のスタンス
アメリカの中央銀行FRBも年内の資産縮小の可能性を今月のFOMCで表明しています。
2014.10月以来、資産規模を減らさず増やさず、資産縮小の機会をうかがっていたFRBがついに動き出すかもしれません。
また、直近のデータで日銀の資産増加額は1年で約65兆円です。
これは年間80兆円の国債購入を実施していた頃に比べて、国債の購入ペースは明らかに落ちてきています。
<ここ1年の日銀の資産動向>
約433兆円⇒約498兆円に増加
要するに、FRB、ECB、日銀、そろって緩和ペースを緩めたり、資産縮小を図ろうとしている可能性があり、その動きが今年の秋くらいから本格化するかもしれない、という状況です。
わたしの立場の偏り
わたしは現在長期投資に関しては、いわゆる投資をしていません。
日本円現金を抱え込んでいます。
本当は投資をして分配金や配当を得たいのですが、株式が総じて割高で円安、との判断からいやいや日本円現金と仲良くしています。
したがって、立場上、どうしても株式市場にとってネガティブな情報に敏感になってしまう傾向があります(悪意はありません。今のポジションにいると、自然にそうなってしまいます・・・)。
そんなわたしが発信する情報であることを割り引いても、この雰囲気は株式市場にとって、よくない状況だと思われます。
警戒やシミュレーションは無料
主要な中央銀行がそろって金融引き締め方向に実際に動くとなれば、緩和マネーで押し上げられていた市場(株式、リート、ハイイールド債などのリスク資産市場)にとって、いいことはありません。
①国債の金利上昇
⇒住宅ローン、自動車ローンの金利上昇
⇒実体経済の停滞傾向
⇒企業利益減少傾向
⇒株安?
②国債の金利上昇
⇒企業の銀行からの借り入れ金利上昇
⇒企業の資金調達コスト増加
⇒企業利益の減少傾向
⇒株安?
③国債の金利上昇
⇒投資対象としての国債の魅力up
⇒株式、リートなどのリスク資産からの資金流出傾向
⇒株安?
④緩和マネーの縮小
⇒リスク資産に流入するマネーの減少傾向
⇒株安?
どれもこれも、株式市場にとってネガティブな要因です。
ただ、早とちりの可能性はあります。
今後実体経済に何かよくないシグナルが見えて、FRBにしてもECBにしても、実際は資産縮小の動きは先延ばしされるかもしれません。
また、日銀はペースが落ちたといっても膨大な緩和マネーを放出し続けています。
なので、すぐに何か起きるということにもならないかもしれません。
それでも、もしものときに対しての警戒とシミュレーション、対策立案はしておいていい状況かもしれません。
警戒やシミュレーションにお金はかかりませんから。
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