米国株式市場の割安、割高を判断する材料になりそうな指標、「マージンデット」と「マージンデット指数」の最新データの確認記事です。
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マージンデットとは
マージンデット(Margin Debt)は、米国の株式市場(ニューヨーク証券取引所)が公表しているデータです。
マージンデットは「証拠金債務」のことであり、わかりやすくいえば、
「アメリカの投資家が株の売買ために金融機関から借りているお金の総額」
のことです。
※マージンデットのデータはコチラ ⇒ ニューヨーク証券取引所
借金して行われる株の売買は、総じて
●株価上昇期⇒増加
●株価下落期⇒減少
する傾向があり、個人的には投資家のリスク許容度や信用状態を探る上で役に立つ指標と考えています。
日本の信用買い残と似た指標と思われます。
シンヨウカイザン(信用買い残)で探る日本株の割安割高 - ユキマツの「長期投資のタイミング」
マージンデット(指数)を知るメリット
マージンデットの動向は「信用状態」や「投資家のリスク許容度」を反映しやすい
⇒マージンデットが大きい
⇒信用は膨張傾向、リスク許容度上昇
⇒マージンデットが小さい
⇒信用は収縮傾向、リスク許容度低下
と判断する目安になるかも?
この判断が
長期的な観点から米国株式市場の割安割高を探る材料
になるかも?
マージンデットの長期推移グラフ
※出所:ニューヨーク証券取引所データより管理者作成 ※期間:1995年1月末~2017.11月末
大きな山が、
●ITバブル(2000年)
●サブプライムバブル(2007年)
●2015、2017年
にあります。
大きな谷が、
●ITバブル後の低迷期(2002~2003年)
●リーマンショック後(2008~2009年)
にあります。
非常にわかりやすく、過去のバブル期とその後の暴落、低迷期を示していることが見て取れます。
マージンデット指数とは
①「マージンデット÷米国名目GDP×100」で算出する指数
②米国株式の割安割高を判断するためにわたしが個人的に利用している指標
③1995.1月~2017.11月の各月末のデータから、
★平均値:1.74★中央値:1.70④近年の経験則の域を出ませんが
●「マージンデット指数 1.3以下」⇒株式は割安圏?
●「マージンデット指数 2.4以上」⇒株式は割高圏?
※マージンデットは一般的な指標ですが、「マージンデット指数」は一般的なものではありません
推移グラフと現在の状況判断
※出所:ニューヨーク証券取引所、世界経済のネタ帳のデータより管理者作成 ※期間1995.1月~2017.11月
11月のデータが確認できました。
2017.11月末のマージンデットは約5809億ドル、10月より195億ドル程度増加。
前月から約3.5%の大幅な増加です。
マージンデット指数<マージンデット÷米国名目GDP×100>は
「3.00」であり、過去最高の値です。
この指標の過去のピークは
・ITバブル:2.71(2000年)
・サブプライムバブル:2.63(2007年)
・2015年:2.80
でした。
今回はすでに「3.00」で大幅に記録更新中。
割高圏の目安「2.4」を上回っており、株式は割高圏?と推測。
※出所:ニューヨーク証券取引所、世界経済のネタ帳のデータより管理者作成
マージンデット指数について詳しくはコチラ↓
マージンデット指数の問題点
マージンデット指数はあくまで、1995年以降の経験則に過ぎません。
ITバブル、サブプライムバブル、それぞれのバブルとその崩壊の推移を非常に端的に示しているため、わたしが個人的に参考にしている指標です。
また、未来を予知する指標ではありませんし、一般的な指標ではないので、ご参考程度に。
データの出所は以下の二つです。
ニューヨーク証券取引所(マージンデット)、世界経済のネタ帳(米国名目GDP)
あとがき
11月末のデータは大幅な増加となりました。
米国投資家のリスク許容度は上昇し続けている?
と推測する一つの手がかりです。
どこまで伸びるでしょうか?
<関連記事です>
マージンデットとS&P500の相関についての記事です↓
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