時代や国を問わず、説得力を持ちつづけそうな言葉を拾ってまとめていくシリーズ
「時空をこえたメッセージ」
の15回目です。
今回は自民党幹事長、二階俊博氏の言葉です。
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月ってのは、満月の時期はほんの少ししかないんだなあ
上記記事に書かれていた二階氏の言葉です。
政治の話で投資とは全く関係ありませんが、印象的だったので拾ってみました。
いい時期は後になってよくわかる
・天候
・学生時代の友人関係
・職場のチーム
・家族の一体感
・投資成績
なんでもそうですが、特に不満がなく、心地よく、後々「あの時期はよかったなあ」と心から思える時期があります。
何だか理由はよくわかりませんが、好条件がそろい、人・健康・時流・様々なものに恵まれ、特に不満がなく、心地よく、「あの時期はよかったなあ」と心から思える時期、後々考えると、そういう「いい時期」はずっと続くものではなく、「ちょっとしんどいとき」「まあまあの時期」そんなのもちょくちょくはさみながら、ときどき「いい時期」も味わえる、そんな気がします。
そして、「いい時期」の渦中においてはその「よさ」をなかなか実感できないところがあります。
風邪をひいてみて、普段の「ふつう」の健康状態のありがたさがようやく身に染みるように。
滅多にない時期
近年は滅多にない恵まれた市場環境だった、のかもしれません。
その根拠らしきもの。
例えば、米国の失業率(米国の景気)
米国の失業率が4.5%を下回る(4.4%以下)時期は1995.1月以降の23年1ヶ月(277ヶ月)で45ヶ月しかありません。
20数年間のうち16%ほどの時期しかない、とても景気のいい珍しい時期といえるかもしれません。
2018.1月は「4.1%」です。
※出所:US Unemployment Rateのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2018年1月
例えば、世界のバフェット指標
世界のバフェット指標が「1.00」を上回る
つまり
世界の時価総額 > 世界の名目GDP
である時期は、1995.1月以降の23年1ヶ月(277ヶ月)で18ヶ月しかありません。
20数年間のうち6%ほどの時期しかない、名目GDPにくらべて時価総額がとても大きい、珍しい時期といえるかもしれません。
今はその時期です。
※データ出所:World Federation of Exchanges、IMFのデータより管理者作成
例えば、東証一部PBR
東証一部のPBRが「1.5」を上回る時期は、1999.1月以降の19年1ヶ月(229ヶ月)で31ヶ月しかありません。
全体の14%ほどの時期しかない、日本株がそこそこ評価されている、珍しい時期といえるかもしれません。
今はその時期です。
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年1月末~2018年1月末
例えば、世界の時価総額が15ヶ月連続で増加し続けている
1995年以降では、2006.6月末~2007.7月末(サブプライムバブル期)に世界の時価総額は13ヶ月連続で増加しました。
最近ではこれが1番の記録でしたが、世界の時価総額は2016.10月末以降、15ヶ月連続で増加を続けていて、現在も記録更新中です(まだわかりませんが、2018.2月は厳しいかも)。
20年以上で一度もなかった状況です。
例えば、今はかなり長い「米国の景気拡大期」の最中
※出所:景気循環でみると2017年に米景気は後退期入り?|第一商品
1945年10月以降の「米国の景気拡大期」のデータです。
この70年以上の期間において、最も長い景気拡大期は120ヶ月、10年です。
その次が106ヶ月、8年10ヶ月。
現在は2009年6月から始まる景気拡大期の最中、2018年1月ですでに103ヶ月、8年7ヶ月が経過しています。
この期間において、現時点で3番目に長い景気拡大期、つまり株価が上がりやすい状況にわたしたちがどっぷりとつかっていることは否定しにくいところです。
月ってのは、満月の時期はほんの少ししかないんだなあ
こんな市場環境は、20年程度の長期的観点からみると、例えるなら、
満月、かそれに近い状態
なのかもしれません。
もちろん未来予測はできませんし、上記の具体例はすべて経験則に過ぎませんが、現状はかなり
満ち足りた感
を感じさせる状況ではあります。
そして、長期的観点からみれば、世界的に株価は比較的割高な状況かもしれません。
※わたしの主観です
ただの経験則、過去の都合のいいデータをいじくっているだけですが、世界や日本の株価が割高ではなく、「割安」だったのは、以下のような厳しい時期(例えば、米国の失業率が高く、世界のバフェットや東証一部のPBRが低い時期。赤枠)でした。
※出所:US Unemployment Rateのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2018年1月
※データ出所:World Federation of Exchanges、IMFのデータより管理者作成
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年1月末~2018年1月末
<参考データ:S&P500 1993年5月以降>
おわりに
月の満ち欠け、潮の満ち引き、などとは違って、人間社会で起こる
信用循環、景気循環、株価の騰落、投資家の楽観・悲観度合い
といったものは、正確に予知できるものではありませんが、ある程度の循環性はありそうな気はします。
それができれば苦労しませんが、あわよくば
上げ潮にそこそこに乗り、下げ潮にモロに巻き込まれないこと
(長期投資のスタイルとして)
あるいは
上げ潮でも下げ潮でもぶれない投資スタンスを身につけること
(ロングショート戦略)
を個人的には重視しています。
様々な投資スタンスがあり、正解はなく、単なるわたしの好みですが。
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