米国の景気動向、株価動向を【米国の失業率】と【景気循環】で探る記事です。
米国の失業率を知るメリット
「失業率」と「景気」は関連が強く、「景気」と「株価動向」にも関連があり、「失業率」は長期的な「株価動向」を探る材料になり得る、と思われます。
失業率 ⇔ 景気 ⇔ 株価
最新の失業率
2018年6月の失業率は「4.0%」でした。
2017年10月より6カ月連続で失業率は「4.1%」を記録し、4月「3.9%」、5月「3.8%」と低下。
6月に上昇し「4.0%」に。
この数値は
・サブプライムバブルの頃のボトム「4.4%」は下回り
・ITバブルのころのボトム「3.8%」は上回る
値です。
今は近年のバブル期に匹敵する非常に失業率の低い時期です。
失業率の推移
※出所:US Unemployment Rateのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2018年6月
この期間の長期平均「5.6%」で、ラインを引いています。
米国失業率は2009年10月のピーク(10.0%)から2018年5月まで、8年7ヶ月下落トレンドが続いていました。
下落トレンドが終わったかは不明。
あくまで経験則ですが、長期的にみると、次に失業率が明確な上昇トレンドを形成するタイミングの前後が
「長らく続いた米国の景気拡大期⇒景気後退期の節目」
になり、株価変動も大きくなっていく可能性が高い?とわたしは推測。
いつになるかは不明ですが。
株価(S&P500)と米国失業率
※出所:US Unemployment Rate、Yahoo Financeのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2018年6月
米国の失業率と「<S&P500>÷200」の推移を併記したグラフです。
この期間、失業率の「下落時期」に株価は上昇しやすく、失業率の「急上昇+高水準の維持期」に株価は低迷しやすい傾向がうかがえます。
このグラフからは
失業率のボトム圏は株価の天井付近である
可能性が高そうな印象を受けます。
米国景気拡大期
※出所:景気循環でみると2017年に米景気は後退期入り?|第一商品より管理者作成
1945年以降の米国景気拡大期をまとめた表です。
あくまで経験則に過ぎませんが、今後も景気循環が今までのように続くなら、とても参考になる情報です。
上記データによれば、1945年以降の米国の景気拡大期の平均は約5年、最長で10年。
直近3回の景気拡大期の平均は「95ヶ月」(7年11ヶ月。約8年)。
今回の景気拡大は2009年6月に始まり、現在は9年ほど、米国の景気拡大が続いているようです。
失業率がかなり低くなってきたこともふまえると、いつ拡大期が終わるのか、気にはしてもいい時期。
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参考データ
失業率の長期推移(1948年~)と景気後退
※出所:Civilian Unemployment Rate ※期間:1948年1月~2017年12月
上記は米国失業率の約70年の長期推移です。
灰色のラインは景気後退期でこの期間、11回あります。
よくよく観察すると、
●失業率のボトムからしばらくして
あるいは
●失業率のボトムから失業率が上昇し出すタイミングで
景気後退が訪れるというパターンが目立ちます。
米国失業率のデータ
1948年1月~2018年6月で最低の失業率は1953年の2.5%です。
その他、失業率のボトムは1960年代に3.4%。
その後はITバブルの頃(2000年)の3.8%が目立ったところ。
最大値は1982年11~12月の10.8%。
比較的近年では2009年10月に10.0%を記録。
平均値は5.78%。中央値は5.60%。
終わりに
※出所:US Unemployment Rate、Yahoo Finance、Effective Federal Funds Rateのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2018年5月
1995年以降の「失業率(%)」「FFレート(%)」「S&P500÷300」の推移です。
2018年6月は
・「失業率(%)」:上昇
・「FFレート(%)」:上昇
・「S&P500÷300」:上昇
でした。
今後、もし
・「失業率(%)」:持続的な上昇
・「FFレート(%)」:かわらずor低下
・「S&P500÷300」:だらだらor急激な下落
という状況になれば、過去のパターンではやばい感じ。
経過をみないとなんともいえませんが、2018年5月の米国失業率「3.8%」は
もしかしたらボトムだった可能性がある
ということは気にしておいていいのかもしれません。
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