米国債の長短金利差に着目し、米国の景気動向、株式市場の動向を推測する記事です。
米国債の長短金利差を確認するメリット
米国の景気・株式市場の動向を探る役に立つかも?
※当ブログでは「長短金利差」
【米10年国債利回り-米2年国債利回り】
とします。
長短金利差について、詳しくはコチラをどうぞ↓
●米国債 長短金利差 <2017.12.22> - ユキマツの「長期投資のタイミング」
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直近の長短金利差
※出所:アメリカ 10年 債券利回り、アメリカ 2年 債券利回りのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月末~2018年11月末
2018年11月末は「0.21%」。
前月末より縮小(10月末:0.28%)。
直近のピークは2010年3月の「2.81%」。
8年8ヶ月ほど長短金利差の縮小トレンドが続いています。
2018.12.17現在、長短金利差は、0.16%であり、11月末と比べ縮小傾向。
※2.88%-2.72%=0.16%
※データ:米国債・金利 - Bloomberg
1995年以降の長短金利差と株価の関係
※出所:アメリカ 10年 債券利回り、アメリカ 2年 債券利回り、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Finance のデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2018年11月
1995年以降の長短金利差と株価(【S&P500】を900で割ったもの)の推移グラフです。
2018年11月末は10月末に比べて
・長短金利差⇒縮小
・株価⇒上昇
したので両者の差は広がりました。
このグラフでは、タイムラグはありますが、長期のトレンドとして概ね
●株価上昇期⇔金利差縮小トレンド
●株価下落期⇔金利差拡大トレンド
が確認できます。
また、この時期のデータに限れば、どちらかといえば
●金利差が大きい時期⇒株式は比較的割安?
●金利差が小さい時期⇒株式は比較的割高?
ともいえそうです。
※長い目でみた一つの傾向、経験則
参考データ:1980年以降の逆イールドと景気後退
※出所:FRED | St. Louis Fedのグラフより管理者作成 ※期間:1976年~2017.11月
1976年~2017.11月の長短金利差のグラフです。
5回の逆イールド期(短期金利>長期金利の時期)とその後の景気後退期(グレーラインの時期)を示しています。
5回とも景気後退期の前に逆イールドが生じており、景気後退期には株価は大きく下げる傾向があります。
長短金利差が小さいだけでなく、逆イールドになる時期は、景気や株式市場にとって不吉な兆候ではあると思われます。
※参考:米長短金利の逆転は懸念=ダラス連銀総裁 | ロイター
FRB利上げ予測
●Countdown to FOMC: CME FedWatch Tool
上記サイトによれば
年内にあと1回(12月?)
のFRBの利上げにより、現在「2.00-2.25%」のFF金利は年内に
「2.25-2.50%」
になるとの観測が優勢ですが、その確率は78.4%と前月より上昇。
※出所:Countdown to FOMC: CME FedWatch Tool
約1年後、2019年12月のFF金利は
「2.50-2.75%」?
との観測が現時点では最も優勢で37.7%(前回記事の時点では35.3%)。
<前回記事の時点>
※出所:Countdown to FOMC: CME FedWatch Tool
当たるかどうかは分かりませんが、利上げのペースダウンを予測する見方が強くなってきている模様。
おわりに
「2年物と5年物が逆イールドになった」
のが一部で話題になった12月。
以前も書きましたが、わたしはわりとざっくりした理解、複数の観点などを大事にする方であり、今の今、逆イールドだけで大騒ぎしなくても、とは感じます。
確実な未来を指し示す予言ではなく、所詮経験則であり、絶対的な指標でなく、数ある指標、目安の一つではないかと。
優先順位としては世界景気や米国景気の今後の動向の方が高く、もし米国景気が明確に悪化していくなら、逆イールドが起きてなくても、どちらかというとリスクオフに賭けた方がわりに合う投資ができそうと考えます。
米国が踏んばって徐々に世界景気も持ち直すなら、どちらかというとリスクオンが有利か。
一つの目安としてざっくりと
●金利差が大きい時期⇒株式は比較的割安?
●金利差が小さい時期⇒株式は比較的割高?
くらいの目安としておくのが個人的には心地いいですが、どうなりますか。
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