ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

相当程度の混乱

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2018年11月末のFRB、ECB、日銀、3つの中央銀行の資産動向を確認する記事です。

※本記事では便宜的に「1ドル=110円」「1ユーロ=130円」で円換算しています
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中央銀行の動向を確認するメリット

中央銀行の動向は

投資タイミングの時期を判断する一つの手掛かりになり得る

とわたしは思います。

※その説明↓

「中央銀行の動向」が「投資タイミング」を判断する、一つの手掛かりになり得ると考える根拠 - ユキマツの「長期投資のタイミング」

FRBの動向

f:id:yukimatu-tousi:20181218223456p:plain※出所:All Federal Reserve Banks: Total Assets | FRED | St. Louis Fed

ここ1年のFRBの資産推移です。

2018年11月末:4.10兆ドル(約451兆円)でした。

前月比 -4兆円

2018年でざっと39兆円資産が減っています。

f:id:yukimatu-tousi:20181218223548p:plain※出所:All Federal Reserve Banks: Total Assets | FRED | St. Louis Fedのデータより管理者作成

ECBの動向

f:id:yukimatu-tousi:20181218220555p:plain※出所:Central Bank Assets for Euro Area (11-19 Countries) | FRED | St. Louis Fed

上記グラフはここ5年のECBの資産推移です。

量的緩和はペースダウンしてきています。

ECBの資産は2018年11月末:4.66兆ユーロ(約606兆円)でした。

前月比+5兆円

2018年でざっと25兆円(毎月2.3兆円ペース)資産が増えています。

2018年8月以降、ECBの資産は「4.62兆ユーロ」近辺で横這いとなっていましたが、11月は久々に増加。

f:id:yukimatu-tousi:20181218220735p:plain※出所:Central Bank Assets for Euro Area (11-19 Countries) | FRED | St. Louis Fedのデータより管理者作成

日銀の動向

f:id:yukimatu-tousi:20181107151858p:plain

※出所:Bank of Japan: Total Assets for Japan | FRED | St. Louis Fed

上記グラフはここ5年の日銀の資産推移です。

日銀の資産は2018年11月末:約556兆円でした。

前月比+4兆円

2018年は11ヶ月で約35兆円(毎月約3.2兆円ペース)の増加。

このペースだと年間約38兆円程度の増加となり、2017年(約45兆円)より少ない資産増加ペースになりそうです。

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※出所:Bank of Japan: Total Assets for Japan | FRED | St. Louis Fedのデータより管理者作成

3つの中央銀行、トータルでの変動

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※出所:Bank of JapanCentral Bank Assets for Euro Area Total Assets | FRED | のデータより管理者作成 

3つの中銀のトータル資産は2018年11月末:約1613兆円でした。

・前月比+5兆円

・FRB:-4兆円

・ECB:+5兆円

・日銀:+4兆円

※為替レートや四捨五入で誤差あり

2017年12月末は「1592兆円」だったので、2018年は11ヶ月で「+21兆円」。

このペースだと年間約「+23兆円」となり、2017年の年間「150兆円」ペースからは大幅に緩和ペースが落ちることになりそうです。

2017年(150兆円)と比較すると、2018年は11ヶ月経過時点(21兆円)で進捗率は約14%。

【FRB、ECB、日銀資産】の合計(年末値)と年間増減

<データ>

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<増減額のグラフ>

f:id:yukimatu-tousi:20181218221731p:plain※出所:Bank of JapanCentral Bank Assets for Euro Area Total Assets | FRED | のデータより管理者作成

おわりに 

2018年の主要3中銀の資産傾向。

★FRBははっきりと資産縮小に移行し45兆円程度の減少

★ECBの資産は25~30兆円程度の増加

★日銀は40兆円程度の増加

となりそうな雰囲気です。

トータルで年間20~25兆円程度の増加となるか。

昨年は+150兆円程度だったので、その差は歴然としており、流動性の引き締め傾向が突然増した2018年。

※FRBとECBは事前のアナウンスから概ね想定される動きだったので、資産動向の予想はある程度つきやすかった。日銀の動きはよくわかりません

世界的な株安の一因と思われます。

個人的には中銀の金利政策だけでなく、資産動向も確認しておくことは、相場の大局観を得る上で役立つと推測。

主要3中銀の資産データは無料で手に入ります。

中銀が明確なモードチェンジをみせている時期(量的緩和⇒量的引き締め)に、過大なリスクをとることは致命傷を負うリスクを上昇させかねません。

www.bloomberg.co.jp

上記記事によれば、著名投資家スタンリー・ドラッケンミラー氏は、米金融当局に利上げと流動性引き締めの「二面作戦」をやめるよう呼び掛けたそうです。

氏の見解では金融当局の金融政策ですでに「相当程度の混乱」が起きているとのこと。12月のFOMC、どうなるでしょうか。 

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