2019年はのっけから株価は軟調、為替も荒れ模様の様子。
世界景気減速の中で株式投資すること
について、つれづれに考えてみます。
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戦わなくてはならないもの①:業績下方修正リスク
世界景気減速の中で株式投資すると
「企業業績の下方修正」
という難敵と戦わなくてはならない可能性が上がります。
「不況で儲かる企業」もあると思われますが、マクロでみると業績は下がりやすく、中長期的には株価も下がりやすい時期ではあると思われます。
上記記事より引用。
クック氏は投資家への書簡で「主要新興国で一定の逆風を想定していたが、特にグレーターチャイナで景気がこれほど減速するとは予想していなかった」
一方で、
「米国の景気はいいから米国市場は大丈夫」
という意見もありますが、多国籍企業が多い米国市場。
海外事業(上記の例では中国)の不振により全体の収益が抑えられる可能性も考慮した方がいい場合もありそう。
戦わなくてはならないもの②:リスク許容度低下
世界景気減速の中で株式投資すると際に戦わなくてはならないものの二つ目は
「投資家のリスク許容度の低下」
です。
株価が頭打ちになり、景気減速懸念が芽生えてくると、投資家はそわそわしだします。
株式市場だけでなく債券市場でも同様の兆候が。
債券市場では「質への逃避」、リスクの高い債券からリスクの低い債券へマネーが移動が起きやすい。
結果
A:リスクの高い債券価格が下落(利回り上昇)
B:リスクの低い債券価格が上昇(利回り低下)
⇒「リスクの高い債券」と「リスクの低い債券」の利回り差が大きくなる
という現象が確認されやすくなります。
一例ですが、上記は「ムーディーズの格付けBaa米国社債と米国債(10年物)の利回り差」の推移を追ったグラフ。
「バブル崩壊期」や「不況の前」「○○危機、ショック」の前にはスルスルと利回り差が拡大している様が確認できます。
あくまで一つの経験則に過ぎませんが、社債市場でリスクオフが進むころ、株式市場にも異変が起きやすい(2018年も異変が起きました)。
つまり、世界景気減速の中で株式投資すると投資家全般の
「リスク許容度の低下」(多くは「過剰なリスクオフ水準」につっこむ)
というやっかいな敵とバトルせねばならない可能性は高そうです。
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戦わなくてはならないもの③:ネガティブな同調圧力
世界景気減速の中で株式投資すると際に戦わなくてはならないものの三つ目は
「ネガティブな同調圧力」
です。
マニアックな数字ですが、世界全体の時価総額は
★2016.10月末:68.3兆ドル
★2018.1月末:89.8兆ドル
でした。
この期間、15ヶ月連続で時価総額は増加。
一気に31.5%も増えました。
「チャイナショック後の世界景気拡大」
「中銀の潤沢な緩和マネー供給」
「トランプ減税(期待)」
などを背景に、毎月毎月総じて世界の株式市場の規模は拡大を続け、それが徐々に市場への過剰な安心感や信頼感を生み出した。
こういう時期は大きくリスクをとれた人が大いに資産評価を膨らませるので、
★株で1億!
★日経平均30000円!
★○○株を買っとけば大丈夫!
みたいな風潮、雰囲気が醸し出されます。
そして、リスクテイクや株価水準の高さに悲観的な主張や意見は黙殺、場合によっては嘲笑の対象にもなるような
「ポジティブな同調圧力」
が形成されます。
わたしはマイペースなので、ああまたやってるという感じでしたが、2017年夏~2018年秋頃までは、そのようなフワフワしたものがあったような感じ。
※今回のポジティブムードは2018年2月に水をさされ、10月に概ね希薄化し、2018年12月でぶっ飛んだか?まだわかりませんが
これの逆バージョンが、世界景気減速の中では生まれやすい。
あたかもリスクテイクの試み自体が愚かな行いであるかのように
★株なんか儲からない
★素人は投資をやめた方がいい
★わたしは投資で○○損しました・・・
みたいな風潮・雰囲気が醸し出される。
世界景気減速の中で株式投資するとこのような
「ネガティブな同調圧力」
にさらされやすく、ぼんやりしている弱気が感染し、資産評価額の減少とあいまって、恐怖心から投資をやめてしまうことも。
※世界景気減速の中で株式投資するということ <その2> に続きます
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