即時性の高い米国の景気指標として
ECRI景気先行指数
という指数があります。
ECRI景気先行指数とは
米国の民間の調査機関ECRIが毎週発表している指数。
★指数が大きい⇒景気がいい
★指数が小さい⇒景気が悪い
と判断。
1967年以降の週次のデータが公表されています。
※Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRIで入手可
「マネーサプライ」「JOC-ECRI工業市場価格指数」「住宅ローン申請」「債券実質金利」「株価」「債券利回り」「失業給付申請」の7つの要素で指数化される指数。
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ECRI景気先行指数の今
※出所:https://stock-ai.com/eom-1-WLIW.phpより作成
最新データ2019.1.18のECRI景気先行指数は「145.8」。
直近ピーク2018.2.2の「152.4」より「-4.3%」の水準。
2018年末の「141.3」程度で下げ止まり、2019年1月は大幅上昇。
上下動を繰り返しながらですが、この1年近く下落トレンドが続いていることから、「世界の時価総額」「米国の社債スプレッド」などと同様、この指標では米国景気も
2018年1月末頃にピークアウトした可能性
があるかも。
一方で昨年末が直近のボトムになる可能性も否定できず。
今後再び昨年末のボトムを下回ってきた場合、危うい雰囲気。
2018年のECRI景気先行指数とS&P500
※出所:Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRI、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Financeのデータより管理者作成 ※期間:2018.1~2019.1
2018年1月以降の「ECRI景気先行指数」と「S&P500」の週足データをグラフ化したものです。
両者ともに現在は下落トレンドにあると思われますが、両者とも12月をボトムに大幅に上昇。
参考データ①:ECRI景気先行指数とS&P500:長期データ
※出所:Economic Cycle Research Institute | Public Home | ECRI、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Financeのデータより管理者作成 ※期間:1990.1~2018.11
米国景気と株価の連動性を如実に語るグラフ。
経験的にはECRI景気先行指数のピークはS&P500より先にピークアウトしていることもあり、投資タイミングの判断材料になるかもしれません。
※参照記事⇒即時性の高い米国景気指標 ECRI景気先行指数
※週次データで両者の期間はほぼ一致していますが、誤差あり
参考データ②:景気後退前にピークアウト?
ECRI景気先行指数は1967年以降の50年以上のデータがあります。
下記グラフは1967~1987年のもの。
少しわかりにくいですが、網掛け部分が米国の4度の景気後退期で、4回すべてECRI景気先行指数が景気後退前にピークアウトしています。
※出所:https://stock-ai.com/eom-1-WLIW.phpより作成
※出所:https://stock-ai.com/eom-1-WLIW.phpより作成
同様に上記グラフからは1987~2018年に起きた3回の景気後退期の前にも指数がピークアウトしていたことがうかがえます。
ただ、後付けの解釈なので、いつがピークかはそのときには不明。
一つの目安。推測の材料。
おわりに
※出所:https://data.oecd.org/leadind/composite-leading-indicator-cli.htmより作成
OECD景気先行指数(CLI)でみると、「OECD全体」や「米国」は減速トレンド。
一方で、早めに減速トレンドに入っていた中国景気は、この指標では2018年9月頃からトレンドが不明瞭になっています。
この指標は景気の転換点を探る指標(景気動向の早期シグナル)として、GDP(国内総生産)などより6カ月程度先行するように設計されているようですが、米国と中国の動向は気になるところ。
個人的には
・「株価が割高っぽい時期」
・「OECD全体のCLIが低下中の時期」
は基本的に無理しない方針。
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