米国債の長短金利差に着目し、米国の景気動向、株式市場の動向を推測する記事です。
米国債の長短金利差を確認するメリット
米国の景気・株式市場の動向を探る役に立つかも?
※当ブログでは「長短金利差」
【米10年国債利回り-米2年国債利回り】
とします。
長短金利差について、詳しくはコチラをどうぞ↓
●米国債 長短金利差 <2017.12.22> - ユキマツの「長期投資のタイミング」
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直近の長短金利差
※出所:アメリカ 10年 債券利回り、アメリカ 2年 債券利回りのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月末~2019年2月末
2019年2月末は「0.21%」。
前月末よりやや拡大(1月末:0.18%)。
久々の拡大。
直近のピークは2010年3月の「2.81%」。
2019年1月末まで8年10ヶ月ほど長短金利差の縮小トレンドが続いていました。
2019.3.21現在、長短金利差は、0.11%であり、2月末(0.21%)と比べ大きく縮小。
3月末の金利差は縮小するか?
※2.51%-2.40%=0.11%
※データ:米国債・金利 - Bloomberg
1995年以降の長短金利差と株価の関係
※出所:アメリカ 10年 債券利回り、アメリカ 2年 債券利回り、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Finance のデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2019年2月
1995年以降の長短金利差と株価(【S&P500】を900で割ったもの)の推移グラフです。
2019年2月末は1月末に比べて
・長短金利差⇒やや拡大
・株価⇒上昇
し、両者のグラフ上の差はやや拡大。
このグラフでは、タイムラグはありますが、長期のトレンドとして概ね
●株価上昇期⇔金利差縮小トレンド
●株価下落期⇔金利差拡大トレンド
が確認できます。
また、この時期のデータに限れば、どちらかといえば
●金利差が大きい時期⇒株式は比較的割安?
●金利差が小さい時期⇒株式は比較的割高?
ともいえそうです。
※長い目でみた一つの傾向、経験則
参考データ:1980年以降の逆イールドと景気後退
※出所:FRED | St. Louis Fedのグラフより管理者作成 ※期間:1976年~2017.11月
1976年~2017.11月の長短金利差のグラフです。
5回の逆イールド期(短期金利>長期金利の時期)とその後の景気後退期(グレーラインの時期)を示しています。
5回とも景気後退期の前に逆イールドが生じており、景気後退期には株価は大きく下げる傾向があります。
長短金利差が小さいだけでなく、逆イールドになる時期は、景気や株式市場にとって不吉な兆候ではあると思われます。
※参考:米長短金利の逆転は懸念=ダラス連銀総裁 | ロイター
FRB利上げ、利下げ予測
●Countdown to FOMC: CME FedWatch Tool
上記サイトによれば
年内は
・利上げはない(62.0%)
あるいは
・利下げ(31.1%)
・により、現在「2.25-2.50%」のFF金利は2019年12月に
・「2.25-2.50%」(利上げなし)
か
・「2.00-2.25%」(1回利下げ)
になるとの観測。年内に利上げはなく、利下げが1回あるかどうか?
に関心が移っています。
先月の状況とは大きな変化。
<先月の記事での状況>
あとがき
FOMCを受け
・年内のFRBの利上げがない
・FRBの量的縮小は9月で終了する
と報道されています。
※出所:米国債・金利 - Bloombergより作成 ※2019.3.21時点
米国債10年物利回りは大きく低下、6ヶ月物とは「0.03%」の差まで接近。
・株式市場より債券市場は米国経済の先行きに悲観的?
あるいは
・FRBの利下げを見込んでいる?
実際にどうなるかはわかりませんが、とりあえず
「現状維持を見込んでいた状況」
から一部ではFRBの「利下げ」を見込むようになった、という大きな変化が起きている状況か。
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