ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

量的緩和祭りの黄昏

f:id:yukimatu-tousi:20190324221311p:plain中国の中央銀行、 PBOC(中国人民銀行)と主要中銀の資産動向を確認する記事です。

※中銀の金融政策を確認する意味についてはコチラ

※本記事では便宜的に「1ドル=110円」「1ユーロ=130円」で円換算しており、数値は目安、概算です


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PBOCの動向

f:id:yukimatu-tousi:20190324222124p:plain※出所:China Central Bank Balance Sheetより作成 ※単位:1億元

ここ1年の中国人民銀行(PBOC)の資産推移です。

PBOCの資産は2019年2月末:約35.6兆元(605兆円)でした。

前月比−12兆円という大きな減少。

2019年の動向です。

f:id:yukimatu-tousi:20190324222319p:plain※出所:China Central Bank Balance Sheetのデータより管理者作成

2018年12月にひと月で22兆円も増えたのですが、2019年は2ヶ月で27兆円も減っています。

なぜ増やしたのか、なぜ減らしているのか、意図はよくわかりません。

次は2006年以降のPBOCの年末資産と年間の増減表です。

チャイナショックは2015~2016年頃の出来事。

2015年のPBOC資産減少と何らかの関連があるのかどうか。

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※出所:China Central Bank Balance Sheetのデータより管理者作成

4つの中央銀行、トータルでの変動

世界の4大中央銀行、FRB、ECB、日銀、PBOC、トータルの資産動向をみてみます。

トータル資産は概算で2019年2月末:約2214兆円

・前月比−15兆円。

f:id:yukimatu-tousi:20190324222753p:plain

※出所:Bank of JapanCentral Bank Assets for Euro Area Total Assets | FRED | China Central Bank のデータより管理者作成

2018年は年間で31兆円増加

f:id:yukimatu-tousi:20190129220015p:plain

※出所:Bank of JapanCentral Bank Assets for Euro Area Total Assets | FRED | China Central Bank のデータより管理者作成

2019年の各中銀のバランスシート動向<2月時点>

●PBOC・・・−27兆円(2018年:+15兆円)

●ECB・・・+3兆円(2018年:+26兆円)

●FRB・・・-12兆円(2018年:−41兆円)

●日銀・・・+10兆円(2018年:+31兆円)

おわりに

f:id:yukimatu-tousi:20190324223204p:plain※出所:Bank of JapanCentral Bank Assets for Euro Area Total Assets | FRED | China Central Bank のデータより管理者作成 ※2019年は2月まで

PBOCは昨年末に大幅に増やした資産を激しく減らしており、その影響もあって、2019年の4大中銀の資産は減少しています。

FRBは2019年9月まで、あと5ヶ月ほど資産縮小(縮小ペースは落ちる模様)。その後は資産水準維持の方針のようです。

ECBはユーロ圏の景気が悪いので、下手するとそんなに遠くない時期に量的緩和で新規債券購入モードに戻る?という見方も出てきそうな状況か(ドイツの長期金利はすでにマイナスですが)。

<独国債10年物利回り(%):ここ2年。約0.8%⇒マイナス圏へ

f:id:yukimatu-tousi:20190324225842p:plain※出所:マーケット|SBI証券

日本に関しては長期金利がマイナス圏で量的緩和を続けていても景気が怪しくなってきているので、緩和的な政策をやめそうな感じはあまりしません。

f:id:yukimatu-tousi:20190324231603p:plainとりあえず、2007年以降の量的緩和祭りは2018年以降、いったん終わりを迎えた可能性。

※2007~2017年の11年間、年間平均増加額は約148兆円

今後もし景気減速が止まらないようなら、また「利下げ(可能な国は)+量的緩和」モードに移行するのか、財政出動で対処するのか、株式ETF買いその他の手法が流行るのか。

インフレ率が安定しているならイケイケの緩和政策OK的な仮説もあったり。

現在の対処法がよかったのか悪かったのか、その答えがある程度判明するのは遠い遠い未来かもしれず、時代や社会に大きな影響力をもつ金融政策というのは、なかなか扱いが難しい雰囲気。

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