買収価値や配当利回りなどの面から
”日本株は今とても割安、数十年に一度のチャンスかも”
と主張する最近気になった仮説。
わたしなりの仮説を記事に。
※参考記事:「米中50年冷戦」でも日本株は買い(窪田真之)|マネー研究所|NIKKEI STYLE
上記記事より引用
過去25年のどの時点と比較しても、今ほど日本株が割安だったことはありません。
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ITバブル崩壊後、リーマンショック後との比較
近年で日本株が割安だった時期はいつか。
「ITバブル崩壊後(2002~2003年頃)」「リーマンショック後(2008~2009年頃)」「欧州債務危機(2011~2012年頃)」などと思われますが、ここではITバブル崩壊後、リーマンショック後と2019年8月末を比較。
シンプルな比較:東証一部のPER、PBR
①ITバブル崩壊後:2003.3月
②リーマンショック後:2009年2月
とし
③2019.8月
と比較。
まずシンプルに東証一部全体のPER、PBRでみてみます。
※データ:その他統計資料 | 日本取引所グループ
東証一部PERに関しては「①ITバブル崩壊後」では一株当たり純利益がマイナスとなり、算出できていません。
「③2019.8月」は15.4倍であり、高くはないですが、一株当たり純利益がマイナスとなるようなひどい状態ではない。
東証一部PBRに関しては「②リーマンショック後:2009年2月」では0.7倍です。
「③2019.8月」は1.1倍であり、長期平均程度の水準。
とりたてて低いという感じはしません。
「東証一部PER」「東証一部PBR」を総合的にみて、「③2019.8月」よりも①②の時期の方がこの観点では割安ではないか推測。
いつもの5指標(PBRは除く)で比較
※出所:日本取引所グループ、世界経済のネタ帳、トレーダーズ・ウェブ、日経平均ボラティリティー・インデックス 過去のレート - Investing.comより作成
時価総額全体を名目GDPで割って算出したバフェット指標では、「①ITバブル崩壊後」が最低値。
時価総額(株式市場の規模)が名目GDP(経済規模)の半分程度だった時期が2003.3月や2009.2月頃。
信用買い残も「①ITバブル崩壊後」が最低値。
長期平均は2.4兆円程度、「③2019.8月」では約2.3兆円ですが、①②の時期は1兆円程度。
現在の半分以下。
信用評価損益率は「②リーマンショック後:2009年2月」で最低値。
当時は「-20」を超えるひどい状況が続いていました。
日系平均VIに関しては「②リーマンショック後:2009年2月」が最大値。
当時は株価変動がひどく、大荒れの時期。
上記の4指標からみると、①②の時期に比べれば「③2019.8月」はそれほど割安でもないと推測。
まとめ
個別銘柄に関しては徐々に魅力的に感じる銘柄が増加傾向であるように感じますし、チャイナショック時のように、それほど大きく株価は下がらず、世界景気拡大トレンドの復活とともに今後日本株も上昇していく可能性もあると思われます。
また何をもって「割安」とするかは意見の分かれるところ、投資タイミングとして今はそれほど悪い時期でもないのかも(2018年1月や9月と比べれば今の日本株は「割安」と思われます)。
ただ直感的には、
●米国の景気後退前後の本格的な下落相場でもなく(米国株は最高値付近)
●何らかの信用不安が高まった金融危機の渦中でもない
現状で
過去25年のどの時点と比較しても、今ほど日本株が割安だったことはないと断じる点
については個人的には違和感を感じるところ。
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