日本の景気動向指数(先行指数)から日本の景気と株価について考える記事。
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景気動向指数とは
日本の景気動向を示唆する指標の一つです。
詳しくは上記サイトを参照ください。
本記事では
コンポジット・インデックス(CI)
の
先行指数
を使用。
景気動向指数の推移と現在値
※出所:統計表一覧:景気動向指数 結果 - 内閣府より作成 ※期間:1995.1~2019.9
2019.9月:92.2(前月比+0.3)
でした。
9月はやや持ち直し。
●先行指数の構成要素に株価も入っており、9月月間で株価(TOPIX)は約5%上昇
●増税前
というポジティブ要因がありながら前月比「+0.3」なので、数字よりも景気は悪化していそうな印象。
直近ピークは2017.11月:102.9
で1年10ヶ月続く低下トレンド。
このピーク時期は「CLI(OECD全体)」や「グローバル製造業PMI」のピーク時期(2017年12月)とほぼ同時期。
景気動向指数、10年移動平均
※出所:統計表一覧:景気動向指数 結果 - 内閣府より作成 ※期間:1995.1~2019.9
あくまで一つの目安ですが景気動向指数の水準を探るため10年移動平均線を引き、移動平均より低位にある時期を表示。
リーマンショックの前後、欧州債務危機、チャイナショックなどと符合しており、それほど悪い指標でもないか。
現在は移動平均より低位にあり、この見方では景気は悪そう。
景気が悪い時期にリスク資産の配分を多くする
という長期戦略からすると、そろそろリスク資産を増やしていくべき時期なのかもしれませんが、株価水準が高そうなので、わたしは今のところ動かず。
景気動向指数とTOPIX
※出所:統計表一覧:景気動向指数 結果 - 内閣府、TOPIX【998405】:国内指数 - Yahoo!ファイナンスより作成 ※期間:1995.1~2019.9
景気動向指数とTOPIXの推移。
9月、景気動向指数はあまり動いていませんが、株価は大幅上昇。
10月は増税後なので、景気動向指数は引き続きあまりよくなさそうですが、株価は堅調でした。
両者の方向性の違いが目立つ状況か。
参考データ①:景気動向指数とTOPIX
1:景気動向指数が上昇トレンドにある時期は、株価がなかなかついてこなくても、結果的に報われる場合が多い
2:景気動向指数が低下トレンドにある時期は概ね株価は低下基調
※期間:1995.1~2019.7
おわりに
経産省の「業種別商業販売額」の「商業計」の前年比データ。
●2019年1~8月:すべて前年割れ。8月は「-2.7%」
●2019年9月(速報値):+4.5%
でした。
※データ:調査の結果|商業動態統計|経済産業省
明らかに増税直前の駆け込み需要があった模様。
10月はそれなりの反動減がやってきそうで現状、日本の景気はよくなさそうですが、株価はどこ吹く風で堅調そのもの。
「資産運用で景気動向を考慮しても意味がない」
という意見がしっくりくる時期もあります。
例えば、2010~2012年頃は中銀金融政策の差などもあって日本は円高、株安。
2009年2月頃に比べれば世界株や米国株は大きく反発し、日本の景気動向指数は大幅に上昇していたものの、日本株の低迷は長期化。
その後急騰。
日本株に関しては3年半~4年近くの忍耐が必要だったか(2009⇒2013年くらい)。
※個人的には日経平均やTOPIXだけにこだわる必要もないと感じますが
とりあえず今回のミスマッチの帰結<株価が景気にひきずられるか、景気が株価にひきずられるか>が気になる展開(いつ答えが出るかは不明)。
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