グローバル製造業PMIは2019年7月をボトムに上昇傾向でしたが、2020年2月は急落。
世界景気拡大トレンドの今後は不透明な状況に。
最新の「製造業PMI」と「ISM製造業景気指数」から世界と米国の景気を観察してみます。
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①グローバル製造業PMI
「購買担当者指数」は「PMI」とも呼ばれる景気指標の一つです。
世界の多くの国で採用されており、毎月更新される即時性の高い便利な指標です。
50が分岐点であり
●50より大きい⇒景気拡大
●50より小さい⇒景気減速
と判断。
製造業PMIは「製造業購買担当者指数」のことで、製造業全般の景気を示唆します。
グローバル製造業PMIは「全世界の製造業の景気状況」を示唆する指数です。
グローバル製造業PMIの推移を見てみます。
※グローバル製造業PMIについて、詳しくはコチラ(英語サイト、PDF)
https://www.markiteconomics.com/Public/Home/PressRelease/b01f7d05a1124fdb8fc25f6e94d3d50d
※出所:上記PDFサイトより作成
2020年2月は「47.2」(前月比「-3.2」)でした。
2019年7月をボトムに2020年1月まで上昇傾向でしたが、2月は新型コロナがらみで激しく低下。
節目の50を大きく下回る水準。
株価だったら2番底?
のような推移。
今は
★2017年12月をピークに2019年7月まで19ヶ月(1年7ヶ月)続いた低下トレンドが反転している途中
か
★2018年1月以降、2年以上続く長い景気減速期の途中なのか
判断が難しい状況。
新型コロナの収束時期の影響が大きそう。
早期なら上昇トレンドの可能性が上昇。
欧米で拡大、収束時期が遅れれば予想以上の影響が出て、世界景気の減速トレンドが続くか。
●2017年12月:54.5(直近ピーク)
●2018年1月:54.4
●2018年2月:54.2
●2018年3月:53.4
●2018年4月:53.5
●2018年5月:53.1
●2018年6月:53.0
●2018年7月:52.7
●2018年8月:52.6
●2018年9月:52.2
●2018年10月:52.1
●2018年11月:52.0
●2018年12月:51.4
●2019年1月:50.8
●2019年2月:50.6
●2019年3月:50.5
●2019年4月:50.4
●2019年5月:49.8(節目の50を下回る)
●2019年6月:49.4
●2019年7月:49.3(一番底?)
●2019年8月:49.5
●2019年9月:49.7
●2019年10月:49.8
●2019年11月:50.3
●2019年12月:50.1
●2020年1月:50.4(2019.7以降のピーク)
●2020年2月:47.2(二番底?)
※PMIについて詳しくコチラ↓
●中日独の景気動向 2017年11月データ - ユキマツの「長期投資のタイミング」
②ISM製造業景況指数
次に、米国の景気指標の一つ「ISM製造業景況指数」を確認します。
PMIと同様、50が分岐点であり、
●50より大きい⇒景気拡大
●50より小さい⇒景気減速
と判断。
※ISM製造業景況指数についての記事↓
「株は景気の悪い時期に買うは正しいか?」米国景気の一つの指標【ISM製造業景況指数】
※出所:アメリカ ISM製造業購買担当者指数より作成 ※期間:1995.1~2020.2
2020.2月は「50.1」(前月比−0.8)。
大きめの低下。
2018.8月「61.3」が直近のピークで、その後は2019.9月の「47.8」まで、明確な低下トレンド継続。
その後は2020.1月の「50.9」まで上昇。
グローバル製造業PMIと同様、トレンドを読みにくい状況。
おわりに
グローバル製造業PMI、ISM製造業景況指数、ともにトレンドが読みにくい状況。
新型コロナ次第か。
コロナの動向は不明。
中国のデータは収束に向かっていそうですが、データを信用するかがまた賭け。
また、企業活動、経済活動が再開して再び大感染するリスクがないともいえず、判断は難しいか。
とりあえずわからないときは
●ポジション(リスクテイク)を控えめ
●それなりの現金比率の確保
●長期的視点での現状観察
●トレンドをゆっくり確認
などが基本か。
待ってれば分かりやすくなるものを無理に今「分かろうとしない」のが好み。
ボラが上がっており、個人的な経験則では、短期的に大きめの利益を目論み、感情に任せて焦って食いついて
「買ったら下がる、売ったら上がるの往復ビンタ」
のパターンにはまるのが怖い状況か。
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