ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

27ヶ月続く世界景気の減速トレンド

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最新の世界景気をCLIで観察してみます。


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①CLI(OECD全体)

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※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成

景気指標の一つ、Composite leading indicator (CLI。OECD景気先行指数)の2017年1月~2020年3月の推移です。

上記はOECD全体のCLIであり、世界全体の名目GDPの6割以上を占める国を網羅した景気指数です。

「100」が「ふつうの景気水準」、数字が大きいほど好況、小さいほど不況を示唆します。

最新値、2020年3月のデータは「98.77」(前月比−0.80)。

2月から大幅な低下。

2017年12月:100.80

が直近のピークで、その後減速傾向が続くも2019年8月にいったん底打ち。

2020年2月までは半年ほど回復傾向が続きましたが新型コロナで激しく減速したところ。

トレンドとしては

★2018年1月から27ヶ月続く「長い減速トレンド」

★2019年8月にだましの底打ちが入る形の「たちの悪い減速トレンド」

といえそう。

景気水準自体は

非常に悪い

といえそう。

「99」を下回ったのは1995年以降では3回目。

米国の景気後退期を含む時期のみです。

<CLI:1995年以降>

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※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成

※期間:1995.1~2020.3

※CLIについて詳しくコチラ↓

トレンドは回復~少し停滞? ~OECD全体の景気先行指数 2017年11月データ~

②主要国CLI

主要4ヶ国(米中日独)の国別のCLIを確認します。

期間は2016年1月~2020年3月です。

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※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成

日本 オレンジドイツ 米国 中国

2020年3月にすべての国で鋭角的な低下が確認できます。

気になるのは中国。

中国のCLIは「2019年1~2月頃」に早くも底打ち。

世界全体のいったんの底打ち(2019年8月頃)より半年程度早く底打ちしていたことになります。

中国のCLIは2020年1月をピークに急低下中ですが、今後再び世界経済に先行して回復傾向を示すことになるかどうか。

参考データ:CLI(OECD全体)と世界の時価総額の比較

<近年の主な世界景気減速期における世界の時価総額>

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※出所:https://www.world-exchanges.org/
Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成  ※期間:1995.1~2020.2

<近年の主な世界景気拡大期における世界の時価総額>

f:id:yukimatu-tousi:20200429203212p:plain
※出所:https://www.world-exchanges.org/
Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成  ※期間:1995.1~2020.2

「ストレスを抑えて比較的心地よく投資できる可能性が高い時期」

はどちらかといえば、世界景気の減速期ではなく、拡大期?

というのが本ブログのスタンス。

おわりに

今後の世界景気はどうなるか?

<A:一時的に半年~1年程度回復して、その後また落ち込む>
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<B:本格的な回復モードに>
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先行きはさっぱりわからず、現時点の何となくの勘は

A:60%?

B:40%?

のような感じ。

2020年1月の記事で上記のように書いていましたが、今のところAパターンに近い展開。

まさかパンデミック、ロックダウンで世界経済が止まるとは思いませんでしたが。

 

今後の世界景気に関して。

すでに世界景気の減速トレンドは2018年1月から27ヶ月、2年以上続いており、これはけっこう長い期間。

最近の長い減速期は、ITバブル崩壊期で約3年間、サブプライムバブル崩壊期で20ヶ月ほど。f:id:yukimatu-tousi:20200429172500p:plain

今が「普通の」景気減速期なら、そろそろ世界景気が反転してもいい時期であり、「景気拡大+金融緩和」で株価上昇トレンドを期待し出してもいい時期か。

ただ、今回は新型コロナがらみの不況。

今回の新型コロナ不況が中銀や政府による「金融機関の救済」「金融・財政政策」等の手段で早期に抑え込める相手なのかは不明、非常に読みにくい状況ではあると思われます。

①経済活動再開⇒感染再拡大⇒不況の深化、悲観充満⇒株価暴落、低迷

②経済活動再開⇒感染再拡大はそれほどでもないが、景気の戻りは想定よりゆっくり(消費マインドがなかなか回復しない)⇒株価は横這い~じわじわ上昇

③経済活動再開⇒感染再拡大は軽微、景気の戻りも期待以上⇒金融・財政政策の追い風を受け株価暴騰

④想定外に早く治療薬やワクチンによるコロナ対策の目途が立つ⇒景気回復+株価上昇

概ね①~④のシナリオで、今後の新型コロナ状況をみながら判断しようかというところ。

③④だといいですが、いつにも増して不透明感は強い状況か。

個人的には今後の中国のCLIには注目。

また先行指標となると面白いですが、果たして。

<中国CLI:2016.1~2020.3>

f:id:yukimatu-tousi:20200430164414p:plain

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www.yukimatu-value.com

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