ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

行ったり来たり ~米国市場の概況~

f:id:yukimatu-tousi:20200426202759j:plain
先週の米国市場を

「米国株式の割安割高を判断する目安」

になると思われる指標などで概観してみます。

ごく簡単な米国市場の概観

<先週のS&P500>

f:id:yukimatu-tousi:20200426202828p:plain

※出所:米S&P 500インデックス(SPX - Investing.com

4.24は「2837」。前週末比「-1.3」。

4月は今のところ「+9.8」。

2020.2月の最高値「3394」から「-16.4%」の水準。

<先週の米国10年国債利回り>

f:id:yukimatu-tousi:20200426203021p:plain

※出所:米国 10年 | 米国 10年 債券利回り

4.24は「0.61%」。前週の「0.64%」からやや低下。

一時よりは比較的落ち着いた動き。

定点観測

以下の4つで定点観測してみます。

恐怖指数<米国市場。S&P500の変動性>

ジャンク債スプレッド<米国市場。クレジットスプレッドの一つ>

S&P500のPBR<米国の代表的な株価指数のPBR>

米国バフェット指標 <米国の時価総額÷米国の名目GDP>

恐怖指数

<1990年~>

f:id:yukimatu-tousi:20200426203137p:plain
<先週>

f:id:yukimatu-tousi:20200426203156p:plain※出所:S&P 500 VIXインデックス

4.24は「35.93」。前週の「38.15」より低下。

低下傾向が持続。

長期的にはまだ高水準。

水準としては長期平均(「19.3」)より高く、米国の市場心理は

不安?

と推測。

目安の「30」以上であり、短期的には株価は割安?の可能性。

※参考:2018年以降の高い値(場中含む。概算値)

・2018.2月:「50」

・2018.10月:「29」

・2018.12月:「36」

・2019.5月:「23」

・2019.8月:「25」

・2020.3月:「85

<恐怖指数について詳しくはコチラ↓>

www.yukimatu-value.com
スポンサーリンク


 
★ブログランキング参加中! にほんブログ村 株ブログ 米国株へ 

ジャンク債スプレッド

ジャンク債スプレッドとは

①ジャンク債スプレッド

米国のハイ・イールド債(格付け:BB)の利回り-米国債(10年物)の利回り

※本記事ではオプション調整後

②ジャンク債スプレッドが大きい⇒株式は割安傾向

③ジャンク債スプレッドが小さい⇒株式は割高傾向

④★平均値(幾何平均):3.3

 ★中央値:3.2

<期間:1997.1月~2020.3月の月末>

推移グラフと現在の状況判断

<1997年以降>

f:id:yukimatu-tousi:20200426203514p:plain
※出所:
ICE BofAML US High Yield BB Option-Adjusted Spread (BAMLH0A1HYBB) | FRED | St. Louis Fedより作成 ※期間:1997.1月末~2020.4.23
2020.4.23時点のジャンク債スプレッド(格付けBB、オプション調整後)は「5.53」で、前週の「5.24」よりやや上昇。

スプレッドの長期平均は「3.3」で今は大幅に上回っており、投資家心理は不安?か。

<ここ1年>

f:id:yukimatu-tousi:20200426203640p:plain
※出所:
ICE BofAML US High Yield BB Option-Adjusted Spread (BAMLH0A1HYBB) | FRED | St. Louis Fedより作成  

●FRB、無制限の量的緩和(2020.3.23頃)

●FRB、ジャンク債(BB格まで)を購入(2020.4.9頃)

を契機に今のところBB格のスプレッド拡大は押さえ込めている印象。

先週は少し拡大しましたが、どうなりますか。

<ジャンク債スプレッドについて詳しくはコチラ↓>
www.yukimatu-value.com

S&P500のPBR

f:id:yukimatu-tousi:20200426203741p:plain

※出所:S&P 500 Price to Book Value

1999年末~直近のS&P500のPBRの推移です。

4.24時点の推計値は「3.10」。前週の「3.14」より低下。

この期間の中央値「2.77」を上回り、現在株価は

ふつう~やや割高

か。

※最近のS&P500の高PBR

①2018.1.26:3.60倍

②2018.9.21:3.51倍

③2020.1.17:3.76倍

f:id:yukimatu-tousi:20200426203830p:plain

※出所:S&P 500 Price to Book Value

<S&P500のPBRについて詳しくはコチラ↓>

www.yukimatu-value.com

米国バフェット指標

米国バフェット指標とは

①米国バフェット指標=米国の時価総額÷米国の名目GDP

②米国株式の割安割高を判断する目安

③米国の時価総額=NYSE+Nasdaqで計算

推移グラフと現在の状況判断

f:id:yukimatu-tousi:20200203134705p:plain

※出所:グローバルノートWFEのデータより管理者作成 ※期間:1995年末~2019年末 

米国の時価総額は2020年2月末で約「28.0兆ドル」(前月末は「36.7兆ドル」)。

2020年2月末の米国バフェット指標は「1.25」(前月末は「1.64」)。

米国の時価総額は1月⇒2月で「23.7%減」という大幅減少。

現在のバフェット指標は2月末からS&P500が「4.0%」程度下げていることを考慮すると、1995年からの中央値(1.33)を下回っていそうな水準(適当な推測です)。

米国株の水準は

ふつう~やや割安?

と推測。

f:id:yukimatu-tousi:20200406124345p:plain
※データ出所:
https://www.world-exchanges.org/世界経済のネタ帳のデータより作成

※2020年米国名目GDP:22.32兆ドル(IMF推計)

米国バフェット指標について詳しくはコチラ↓

www.yukimatu-value.com

現時点での米国市場の割高割安、4つの指標からの推測、まとめ

あくまで経験的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。

恐怖指数⇒割安時期の可能性

ジャンク債スプレッド⇒割安時期の可能性

S&P500のPBR⇒ふつう~やや割高?

 ★米国バフェット指標 ⇒ふつう~やや割安?

以上から米国株の水準は

ふつう?(投資タイミングとして、ふつう?)

と推測。

また

★米国の金融政策:緩和的(ポジティブ要因?)

★米国の景気 :悪化傾向(ネガティブ要因?)

と推測。

株価水準、金融政策、景気動向から考え、現時点で米国株の投資タイミングに関して

・株価水準としてはふつう?景気悪化の折り込み具合が不明瞭で、安易には出動したくないタイミング?

・「景気後退の進行や株価下落をじっくり待ってから動き出すか」「少しずつ段階的に投資を始めるか」悩ましい時期

か。

リスク資産への配分を控えめにしたポートフォリオで、大きめに動いたときにリバランス、あるいは少しずつ買い増すスタンスが無難か。

※個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で 

最近のバブル崩壊後の株価低迷期と現在のデータ比較

※表のデータ出所 ・世界のバフェット指標:GLOBAL NOTEhttps://www.world-exchanges.org/ ・OECD景気先行指数:OECD Data ・シラーPER:Shiller PE Ratio ・失業率:US Unemployment Rate ・実質経済成長率:BEA National Economic Accounts ・長短金利差:米国債・金利 - Bloomberg ・かい離率:米S&P 500インデックス(SPX - Investing.com

f:id:yukimatu-tousi:20200427163048p:plain
先週はやや株価下落するもあまり変わらず。

・恐怖指数、ジャンク債スプレッド:引き続き高値

・S&P500のPBR、シラーPER:割安感減退

おわりに

4月中旬よりS&P500は大きな動きなく行ったり来たりのレンジ。

短期的なリスクオン、オフの目安にしている「原油、銅、中国10年債利回り」のここ3ヶ月のチャート。

※出所:Investing.com

f:id:yukimatu-tousi:20200427163709p:plain

原油は下げ。

f:id:yukimatu-tousi:20200427164010p:plain

銅は持ち直し傾向。

f:id:yukimatu-tousi:20200427164030p:plain

中国10年債利回りは低迷(中国景気がよくなるときに利回りが上昇しやすい傾向)。

原油の崩れや中国10年債利回りの低迷はリスクオフ要因、銅の持ち直しはリスクオン要因ともとれますが、まちまちで判断しにくい状況。

4月このまま大きく下げなければ、株価はそこそこに戻している感があるので、5月はやや下げ目線で行こうかというところ。

とりあえず無理せず安全運転。

こんな記事も

www.yukimatu-value.com

www.yukimatu-value.com

 

関連コンテンツ




【更新の励みになります。よければ応援クリックを!】

follow us in feedly