ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

イメージと実際 ~米国市場の概況~

f:id:yukimatu-tousi:20201116155625j:plain

先週の米国市場を

「米国株式の割安割高を判断する目安」

になると思われる指標などで概観してみます。

ごく簡単な米国市場の概観

<先週のS&P500>

f:id:yukimatu-tousi:20201116155712p:plain

※出所:米S&P 500インデックス(SPX - Investing.com

11.13は「3585」。前週比「+2.2」。

11月月間では「+9.6%」と絶好調。

2020.9.2の高値「3588」を更新。

<先週の米国10年国債利回り>

f:id:yukimatu-tousi:20201115220404p:plain

※出所:米国 10年 | 米国 10年 債券利回り

11.13は「0.90%」。前週の「0.82%」より上昇。

しばらく0.6~0.7%台でうろうろしていましたが、少し上がってきているもよう。

株高、債券安、ややドル高の先週。

定点観測

以下の4つで定点観測してみます。

恐怖指数<米国市場。S&P500の変動性>

ジャンク債スプレッド<米国市場。クレジットスプレッドの一つ>

S&P500のPBR<米国の代表的な株価指数のPBR>

米国バフェット指標 <米国の時価総額÷米国の名目GDP>

恐怖指数

<1990年~>

f:id:yukimatu-tousi:20201115220551p:plain
<先週>

f:id:yukimatu-tousi:20201115220531p:plain
※出所:S&P 500 VIXインデックス

11.13は「23.10」。前週の「24.86」より低下。

水準としては長期平均(「19.3」)よりやや高く、米国の市場心理は

やや不安?

と推測。

割安時期の目安の「30」より低い水準。

※参考:2018年以降の高い値(場中含む。概算値)

・2018.2月:「50」

・2018.12月:「36」

・2020.3月:「85

・2020.10月:「41」

<恐怖指数について詳しくはコチラ↓>

www.yukimatu-value.com
スポンサーリンク


 
★ブログランキング参加中! にほんブログ村 株ブログ 米国株へ 

ジャンク債スプレッド

ジャンク債スプレッドとは

①ジャンク債スプレッド

米国のハイ・イールド債(格付け:BB)の利回り-米国債(10年物)の利回り

※本記事ではオプション調整後

②ジャンク債スプレッドが大きい⇒株式は割安傾向

③ジャンク債スプレッドが小さい⇒株式は割高傾向

④★平均値(幾何平均):3.4

 ★中央値:3.3

<期間:1997.1月~2020.10月の月末>

5%以上のスプレッドの時期に株価は概ね割安か?

推移グラフと現在の状況判断

<1997年以降>

f:id:yukimatu-tousi:20201116160123p:plain

※出所:ICE BofAML US High Yield BB Option-Adjusted Spread (BAMLH0A1HYBB) | FRED | St. Louis Fedより作成 ※期間:1997.1月末~2020.11.12
2020.11.12時点のジャンク債スプレッド(%。格付けBB、オプション調整後)は「3.28」で、前週の「3.23」よりやや拡大。

スプレッドの長期中央値は「3.2」で今は中央値程度、投資家心理はふつう?か。

<ここ1年>

f:id:yukimatu-tousi:20201116160243p:plain
※出所:
ICE BofAML US High Yield BB Option-Adjusted Spread (BAMLH0A1HYBB) | FRED | St. Louis Fedより作成  

●FRB、無制限の量的緩和(2020.3.23頃)

●FRB、ジャンク債(BB格まで)を購入(2020.4.9頃)

というアナウンスを契機に今のところBB格の大幅なスプレッド拡大を押さえ込めている印象。

<ジャンク債スプレッドについて詳しくはコチラ↓>
www.yukimatu-value.com

S&P500のPBR

f:id:yukimatu-tousi:20201115220705p:plain
※出所:S&P 500 Price to Book Valueより作成

1999年末~直近のS&P500のPBRの推移です。

11.13時点の推計値は「3.97」(前週は「3.89」)倍で前週より上昇。

直近ピークは9.2の「4.04」倍。

9.2を超えてくる宴となるかどうか。

今は長期の中央値「2.78」を43%ほど上回っており、株価水準は

割高

か。

※最近のS&P500の高PBR

①2018.1.26:3.60倍(直近で世界景気が最もよかった時期)

②2018.9.21:3.51倍(直近で米国の経済成長率が最も高かった時期)

③2020.1.17:3.76倍(コロナ前、2019年9月以降の世界景気拡大期のピーク)

④2020.9.2:4.04倍(コロナ後のリバウンド)

f:id:yukimatu-tousi:20201115220804p:plain

※出所:S&P 500 Price to Book Value

<S&P500のPBRについて詳しくはコチラ↓>

www.yukimatu-value.com

米国バフェット指標

米国バフェット指標とは

①米国バフェット指標=米国の時価総額÷米国の名目GDP

②米国株式の割安割高を判断する目安

③米国の時価総額=NYSE+Nasdaqで計算

推移グラフと現在の状況判断

f:id:yukimatu-tousi:20200203134705p:plain

※出所:グローバルノートWFEのデータより管理者作成 ※期間:1995年末~2019年末 

米国の時価総額は2020年9月末で約「36.0兆ドル」。

米国バフェット指標は「1.70」。

今のS&P500は9月末(3363)より4%ほど高い水準。

長期の米国バフェット指標の中央値「1.33」より大幅に高い可能性が高く、株価水準は

割高?

か。

※2020年2~3月のWFEの米国時価総額データは誤りである可能性が高く、今は使用せず。2020年9月データからの適当な推測です。ご参考までに

f:id:yukimatu-tousi:20201102170037p:plain

※データ出所:https://www.world-exchanges.org/世界経済のネタ帳Gross Domestic Product (GDP) | FRED | St. Louis Fedのデータより作成

※2020年3Q米国名目GDP推計値:21.16兆ドル

米国バフェット指標について詳しくはコチラ↓

www.yukimatu-value.com

現時点での米国市場の割高割安、4つの指標からの推測、まとめ

あくまで経験的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。

恐怖指数⇒割安ではない?

ジャンク債スプレッド⇒割安ではない?

S&P500のPBR⇒割高?

 ★米国バフェット指標 ⇒割高?

以上から米国株の水準は

割高?(投資タイミングとしてネガティブ要因?)

と推測。

また

★米国の金融政策:緩和的(ポジティブ要因)

★米国の景気 :悪い(ネガティブ要因?)

と推測。

株価水準、金融政策、景気動向から考え、現時点で米国株の投資タイミングに関して、ややネガティブ~ネガティブ?な印象。

※個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で 

最近のバブル崩壊後の株価低迷期と現在のデータ比較

※表のデータ出所 ・世界のバフェット指標:GLOBAL NOTEhttps://www.world-exchanges.org/ ・OECD景気先行指数:OECD Data ・シラーPER:Shiller PE Ratio ・失業率:US Unemployment Rate ・実質経済成長率:BEA National Economic Accounts ・長短金利差:米国債・金利 - Bloomberg ・かい離率:米S&P 500インデックス(SPX - Investing.com

f:id:yukimatu-tousi:20201116160744p:plain
引き続き割高っぽい状況。

・S&P500のPBR、シラーPER:高水準

・長短金利差:じわじわと拡大傾向

おわりに

www.nikkei.com

上記記事より引用。

大統領令によると、2021年1月11日以降、米国の投資家がリストに入った個別銘柄や、そうした企業群に投資するファンドを購入できなくなる。

すでに保有する分についても21年11月までに売却しなければならない。

jp.reuters.com

上記記事より引用。

ピーターソン国際経済研究所の調査研究員、マーティン・チョルゼンパ氏は、中国に対して既に取られてきた行動が少しでも後退すれば「米議会が大きく反発する」と述べた。

☆トランプ大統領⇒中国に対して強硬

☆バイデン候補⇒トランプ氏ほど強硬ではない?

というイメージがありますが、実際どうなるか。

米国が国策として、具体的には超党派で米議会が中国に対する強硬な政策を矢継ぎ早に打ち出していくようなら、仮にバイデン氏個人が気の進まない政策でもそうせざるを得ない状況にあるのなら、引き続き、他国から見ると「強硬」なスタンスに映る可能性もあり。

とりあえず来年から米国投資家は一部の中国企業に投資しにくくなり、当該企業は米国投資家からの資金調達を行いにくくなるもよう。

関連コンテンツ




【更新の励みになります。よければ応援クリックを!】

follow us in feedly