最新の世界景気をCLIで観察してみます。
スポンサーリンク
CLI(OECD全体)の最新値
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成
景気指標の一つ、Composite leading indicator (CLI。OECD景気先行指数)の2017年1月~2020年10月の推移です。
上記はOECD全体のCLIであり、世界全体の名目GDPの6割以上を占める国を網羅した景気指数です。
「100」が「ふつうの景気水準」、数字が大きいほど好況、小さいほど不況を示唆します。
最新値、2020年10月のデータは「98.99」(前月比+0.14)。
2020年4月をボトムに改善傾向が6ヶ月継続中。
今年の2月の水準を下回っており、景気水準はコロナ前より悪い水準か。
CLI(OECD全体)の最近の流れ
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成
●2018年1月:101.03(直近のピーク)
●2019年8月:99.32(1つめのボトム)
●2019年12月:99.44(やや改善)
●2020年4月:92.80(2つめのボトム)
●2020年10月:98.99(直近値)
というのが最近の流れ。
2018年1月頃を最後に世界景気は減速トレンド、あるいは不況に陥っている時期が多いと思われます。
2020年4月以降に関しては
●2020年4月:92.80
●2020年5月:94.56(+1.76:前月比)
●2020年6月:96.94(+2.38)
●2020年7月:98.07(+1.13)
●2020年8月:98.58(+0.51)
●2020年9月:98.85(+0.27)
●2020年10月:98.99(+0.14)
となっており、4月の急落からの回復ペースはここ4ヶ月ほど、明らかに鈍化。
11月から欧州でロックダウンが再開しており、米国でのコロナ感染による経済への悪影響も徐々に大きくなってきていると推測され、11月以降、再び世界景気は暗転し、CLIの数値は2020年10月をピークにしばらく低下していく可能性はそれなりにありそう。
世界景気が暗転するときは要注意
2019年8月頃をボトムに改善傾向にあった世界景気。
約半年後の2020年2月、中国のコロナ禍の影響もあって米国の景気指標(PMI)が明確に崩れ出し、すでに怪しかった株式相場が3月後半まで一気に崩れたのが記憶に新しいところ。
ずいぶん昔のことのようですが、あの暗転期はたった9ヶ月前のこと。
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成
その前の暗転期は2017年12月~2018年2月頃、ビットコインバブルで浮かれていた時期。
相場は2018年2~3月に軽く崩れ、2018年12月の大きな下げまでさえない展開となりました。
<CLI(OECD全体):1995年以降>
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成
長期的にみても世界景気の暗転期の前後の相場というのは厳しい展開になっていることが経験的には多く、今は要注意の時期なのかもしれません。
ただ、未来のことは不明で、2020年11月から世界景気が暗転するかははっきりわからない上に
☆新型コロナに対するワクチンの開発と普及、あるいはそれへの期待
☆大規模な財政出動、あるいはそれへの期待
☆FRBやECBなどによるより低格付けの社債購入、株式ETF購入、あるいはそれへの期待
そういったことで、相場がポジティブにふれる可能性もあり。
個人的にはコロナ要因を重視し来年2月頃まではやや下げ目線、リスク資産への配分は少なめ、防御力強めのスタンスが落ち着くところ。
また理想的には来年春以降に世界景気が好転し、CLIで100を超えてくるような、まともな景気拡大期が早くやってきて、長期的にリスクをとりやすい時期が来てほしいですが、はたして。
こんな記事も