ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

予断を持ちすぎず動向観察 ~米国市場の概況~

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先週の米国市場を

「米国株式の割安割高を判断する目安」

になると思われる指標などで概観してみます。

ごく簡単な米国市場の概観

<先週のS&P500>

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※出所:米S&P 500インデックス(SPX - Investing.com

3.5は「3842」。前週比「+0.8」。

3月月間では「+0.8%」。

最高値は2021年2月の「3950」。

<先週の米国10年国債利回り>

f:id:yukimatu-tousi:20210307152428p:plain※出所:米国 10年 | 米国 10年 債券利回り

3.5は「1.58%」。前週の「1.41%」から大きく上昇。

先週は

★株価⇒やや上昇

★債券利回り⇒大きく上昇

★ドル指数⇒大きく上昇

という動きでした。

為替は金利高につられてドル高、株式は金利上昇を警戒、というところか。

定点観測

以下の4つで定点観測してみます。

恐怖指数<米国市場。S&P500の変動性>

ジャンク債スプレッド<米国市場。クレジットスプレッドの一つ>

S&P500のPBR<米国の代表的な株価指数のPBR>

米国バフェット指標 <米国の時価総額÷米国の名目GDP>

恐怖指数

<1990年~>

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<先週>

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※出所:S&P 500 VIXインデックス

3.5は「24.66」。前週の「27.95」より低下。

水準としては長期平均(「19.3」)よりやや高く、米国の市場心理は

やや不安?

と推測。

割安時期の目安の「30」より低い水準。

※参考:2018年以降の高い値(場中含む。概算値)

・2018.2月:「50」

・2018.12月:「36」

・2020.3月:「85

・2020.10月:「41」

<恐怖指数について詳しくはコチラ↓>

www.yukimatu-value.com
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ジャンク債スプレッド

ジャンク債スプレッドとは

①ジャンク債スプレッド

米国のハイ・イールド債(格付け:BB)の利回り-米国債(10年物)の利回り

※本記事ではオプション調整後

②ジャンク債スプレッドが大きい⇒株式は割安傾向

③ジャンク債スプレッドが小さい⇒株式は割高傾向

④★平均値(幾何平均):3.4

 ★中央値:3.3

<期間:1997.1月~2020.12月の月末>

5%以上のスプレッドの時期に株価は概ね割安か?

推移グラフと現在の状況判断

<1997年以降>

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※出所:ICE BofAML US High Yield BB Option-Adjusted Spread (BAMLH0A1HYBB) | FRED | St. Louis Fedより作成 ※期間:1997.1月末~2021.3.4
2021.3.4時点のジャンク債スプレッド(%。格付けBB、オプション調整後)は「2.54

」で、前週の「2.50」より拡大。

ややリスクオフ。

スプレッドの長期中央値は「3.2」で今は中央値より約21%低い水準。

投資家心理は

やや楽観?

か。

<ジャンク債スプレッドについて詳しくはコチラ↓>
www.yukimatu-value.com

S&P500のPBR

f:id:yukimatu-tousi:20210307211001p:plain※出所:S&P 500 Price to Book Valueより作成

1999年末~直近のS&P500のPBR推移。

3.5時点の推計値は「4.17」(前週は「4.14」)倍で前週より上昇。

ITバブル以来の高水準。

長期の中央値「2.78」を50%ほど上回っており、株価水準は

割高

か。

※最近のS&P500の高PBR

①2018年1月:3.60倍(直近で世界景気が最もよかった時期)

②2018年9月:3.51倍(直近で米国の経済成長率が最も高かった時期)

③2020年1月:3.76倍(コロナ前、2019年9月以降の世界景気拡大期のピーク)

④2021年2月:4.28倍(コロナ後)

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※出所:
S&P 500 Price to Book Value

<S&P500のPBRについて詳しくはコチラ↓>

www.yukimatu-value.com

米国バフェット指標

米国バフェット指標とは

①米国バフェット指標=米国の時価総額÷米国の名目GDP

②米国株式の割安割高を判断する目安

③米国の時価総額=NYSE+Nasdaqで計算

推移グラフと現在の状況判断

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※出所:グローバルノートWFEのデータより管理者作成 ※期間:1995年~2020年の年末値

米国の時価総額は2021年1月末で約「43.8兆ドル」。

米国バフェット指標は「2.00」。

米国バフェット指標の10年移動平均「1.50」より約33%高い水準。

今のS&P500は2021年1月末(3714)より3%ほど高い水準。

株価水準は

割高?

か。

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※データ出所:https://www.world-exchanges.org/世界経済のネタ帳Gross Domestic Product (GDP) | FRED | St. Louis Fedのデータより作成

※2021年米国名目GDP推計値:21.92兆ドル

米国バフェット指標について詳しくはコチラ↓

www.yukimatu-value.com

現時点での米国市場の割高割安、4つの指標からの推測、まとめ

あくまで経験的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。

恐怖指数⇒割安ではない?

ジャンク債スプレッド⇒割安ではない?

S&P500のPBR⇒割高?

 ★米国バフェット指標 ⇒割高?

以上から米国株の水準は

割高?

と推測。

現時点での米国株の投資タイミングに関しては

ややネガティブ~ネガティブ

な印象。

※個人の直感、感想です。先のことは不明。投資は自己判断、自己責任で

最近のバブル崩壊後の株価低迷期と現在のデータ比較

※表のデータ出所 ・世界のバフェット指標:GLOBAL NOTEhttps://www.world-exchanges.org/ ・OECD景気先行指数:OECD Data ・シラーPER:Shiller PE Ratio ・失業率:US Unemployment Rate ・実質経済成長率:BEA National Economic Accounts ・長短金利差:米国債・金利 - Bloomberg ・かい離率:米S&P 500インデックス(SPX - Investing.com

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引き続き割高っぽい状況。

・S&P500のPBR、シラーPER:高水準

・米国失業率:2021年2月は前月よりやや改善

・長短金利差:先週は大きく拡大

米国 30年物住宅固定金利

米国住宅市場に影響が大きそうな米国の30年物住宅固定金利。

3.4は「3.02%」(前週比+0.05%)。

2021.1.7の直近ボトム「2.65%」と比べると「+0.37%」。

コロナ前の2020年1月頃は3.5%以上。

とりあえず3%超え。

この勢いは続くかどうか。

<米国 30年物住宅固定金利:ここ5年>

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※出所:30-Year Fixed Rate Mortgage Average in the United States (MORTGAGE30US) | FRED | St. Louis Fed

おわりに

最近の米国債10年物利回り推移。

月末値でざっくりみると、コロナ前の1.9%程度から2020年7月には0.5%まで低下。

その後は上昇傾向で、5カ月かけて0.4%程度上昇し12月には0.9%程度に。

上昇勢いは加速し、2020年12月末から2ヶ月ちょっとで0.7%弱上昇し、コロナ前から0.3%ほど低いところ、1.6%程度というのが現状。

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※出所:アメリカ 10年 債券 過去データ - Investing.comより作成

とりあえず急激な動きには警戒感が強まるのが普通な感じはしますが、急激な動きが収まれば金利水準によってはポジティブな見方も増えてきそうで、予断を持ちすぎず動向観察。

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