米国リートの割安割高を探ってみる記事。
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米国リートスプレッド
米国リートの割安割高の判断の目安の一つとしてわたしは米国リート(IYR)と米国の長期国債利回りの差(スプレッド)を確認しています。
本記事では
「IYRの平均利回り-米国国債利回り(10年物)」
のことを「米国リートスプレッド」とします。
クレジットスプレッドと同じような発想で、「米国リートの利回り」と「長期国債の利回りの差」が
・大きいほど米国リートは割安
・小さいほど米国リートは割高
とみなす見方です。
※IYRの利回りは過去1年間の分配金で算出
※「米国リートスプレッド」は一般的な用語ではありません
※クレジットスプレッドについてはコチラ↓
過去の利回り:「米国リート」と「米10年国債」
下記グラフは2002年9月末~2023年9月末の米国リートと米国長期国債の利回りの推移を示したもの。
※出所:Yahoo Finance、アメリカ 10年 債券 過去データ - Investing.comのデータより作成
米国リートの利回りは月末値では
・ITバブル崩壊後:約7%
・リーマンショック後:約12%
・欧州債務危機、チャイナショック:約4%
・コロナショック:約4%
まで上昇。
最新の米国リートスプレッド
次に米国リートスプレッド
●【IYRの利回り-米国債10年物の利回り】
の推移を確認してみます。
期間は2002年9月~2023年9月末。
※出所:Yahoo Finance、アメリカ 10年 債券 過去データ - Investing.comのデータより作成
2002年9月以降の中央値は約「0.9%」。
2023年9月末は約「-1.3%」。
・IYRの利回り:3.24%
・米国10年物債利回り:4.58%
9月末の「-1.3%」は中央値「0.9%」より大幅に小さく水準としては米国リートは
割高?
と推測。
米国リートスプレッドとIYR
※出所:Yahoo Finance、アメリカ 10年 債券 過去データ - Investing.comのデータより作成
最後に米国リートスプレッドとIYRの推移を併記。
2006~2007年頃はIYRが急騰し、米国リートスプレッドがマイナスとなり、わかりやすく「割高」局面となり、その後の金融危機でリートは暴落し、大幅な「割安」水準となりました。
今も米国リートスプレッドがマイナス、つまり米国債利回りの方がリート利回りよりも高いという当時以来の異常事態。
この視点では異常な「割高」水準。
米国リートIYR株価は直近ピーク2021年12月高値「116.9」から現在大きく下落。
直近値は「75.2」と-36%水準で2022年10月安値も下回る水準。
それでいて米国リートスプレッドの視点では異常に「割高」という評価。
☆2021年ピークからマイナス50~70%というような米国リート大暴落相場がやってくるのか
☆そろそろ米10年債利回りの上昇も止まってやれやれ相場がやってくるのか
とりあえず暴落しているのに異常に「割高」っぽい、手を出しにくい状況の米国リート。
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