日経平均が連騰を続けた今週の日本市場を、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測してみます。
各指標の現在
直近の日本市場を株式の「割安割高の目安」になりそうな
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
★信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>
★貸し出し態度判断DI <金融機関の貸し出し態度が「緩い」から「厳しい」比率を引いた値>
の5つの指標の最新データで観察していきます。
日本バフェット指標
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 ※期間:1985年1月末~2017年9月末
10.20の日本バフェット指標は「1.22」でした。
10.13の1.20より上昇しています。
この指標のピークとしては約28年前、1989.12月の「1.45」に次ぐ高い値になっています。
この指標に関しては2015年を上回ってきました。
10.20の時価総額は約「663.5兆円」(全市場の合計値)。
毎週のように過去最高を更新中。
引き続き円安はさほど進んでおらず、円安に依存しない株高というところ。
1985年からの日本バフェット指標の長期平均は「0.75」です。
割高圏の目安「1.0」以上なので、日本株は割高圏と推測。
今年に入ってからは5月以降、時価総額の増加度合が加速しています。
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳
日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
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信用買い残
※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2017年9月29日
2017.10.13 25812億円(約2.6兆円)です。
前週比1億円の減少、ほぼ動かず。
これだけ指数が上がっているのに、信用買い残はさっぱり動きません。
7月以降2.6~2.7兆円のレンジ。
上記期間の長期平均は約2.3兆円であり、長期平均から少し上方に偏った値です。
この指標では「ふつう~やや割高傾向?」と推測。
信用買い残について詳しくはコチラ↓
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
東証一部PBR
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年1月末~2017年8月末
2017.9月末の東証一部PBRは「1.3」でした。
先月と同じ数値です。
この調子で株高が続けば10月末は「1.4」になるかもしれません。
割安の目安「1.0」以上なので、割安ではなさそうと判断。
東証一部PBRについて詳しくはコチラ↓
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
信用評価損益率
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成 ※グラフ期間:2001.6.1~2017.9.29
2017.10.13は「-8.69」でした。先週の「-8.80」からやや下落。
2017.4月後半からほぼ「-5~ー10」のレンジ内に収まっています。
上記期間の長期平均は約「-11」なので、「-8.69」は若干の安心モードでしょうか。
割安の目安「-25」以上なので、割安ではなさそうと判断。
信用評価損益率について詳しくはコチラ↓
★信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>
貸し出し態度判断DI (中小企業)
※以下サイトデータより管理者作成 日銀 ※期間:1983.6月~2017.6月
2017.9月は「+21」でした。
2017.6月の「+21」と変化なく、引き続き金融機関の貸し出し態度が甘くて緩い状態が続いている様子。
※3カ月ごとの更新データです
株価が割高な時期の目安「+10」以上なので、割高圏と推測。
貸し出し態度判断DIについて詳しくはコチラ↓
★貸し出し態度判断DI <金融機関の貸し出し態度が「緩い」から「厳しい」比率を引いた値>
現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ
あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。
★日本バフェット指標⇒割高圏?
★信用買い残⇒ふつう~やや割高?
★東証一部PBR⇒割安ではなさそう
★信用評価損益率⇒割安ではなさそう
★貸し出し態度判断DI⇒割高圏?
総合的に判断すると、わたしは日本株式は「やや割高~割高圏」と推測します。
したがって、現時点での日本株の長期投資のタイミングとしては
◎資産配分において、株式の配分比率を減らす
◎資産配分において、現金の配分比率を増やす
◎長期投資を一時やめる
のに適す時期だと考えています。単なる経験則ですが。
※長期投資に関する一つの判断です。短期、中期的な投資には役立たない可能性が高いです
※バリュー投資の発想から「割高な時期に株を売り、割安な時期に株を買う」という判断に基づいています
※単なる個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で
※指標ごとに、データ確認時期にタイムラグがありますので、必ずしもリアルタイムの判断ではありません
バブル期、株価低迷期と「今」のデータ比較
<バブル期との比較>
※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒東証REIT指数 日足 時系列データ
TOPIXが2007年のサブプライムバブルの頃に迫ってきています。
<株価低迷期との比較>
※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒東証REIT指数 日足 時系列データ
あとがき
日本版の恐怖指数(VIX指数)、日経平均ボラティリティー・インデックス (JNIV)という指標があります。
VIXと同様、市場心理を反映しやすい数値。
数値が大きいと不安、悲観が強く、小さいと安心、楽観が強い傾向。
リーマンショック後には「90」以上になっています。
「30」を超えるとリスクオフ相場であることが多いです。
現在は「15」程度。便利な指標なので来週から取り入れていきます。
<1998.1月~>
※出所:日経平均ボラティリティーインデックス(JNIV - Investing.com
<ここ1年>