ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

未来の世界3位の経済大国は、どこ?

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わたしは歴史ものが好きです。

中国の春秋戦国ものや三国志、日本の戦国時代ものなどよく読みました。

現代における各国の国力や国勢を知るのも好きです。

~未来の世界3位の経済大国は、どこ?~

というテーマで記事を書いてみます。

ちょっとした現代版、三国志。

現状

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※出所:世界の名目GDP(USドル)ランキング - 世界経済のネタ帳 ※単位:10億USドル

現在(2016年)の名目GDPランキングです。

米国、中国が抜けだしており、世界第3位は日本です。

4位のドイツとは少し差があります。

近年の名目GDP(ドル建て)の推移

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※出所:Global Noteのグラフより管理者作成 ※単位:100万USドル

1990年以降の推移です。

・独走する米国

・2007年頃から混戦を抜け出し、一気に日本を抜いて米国に近づいた中国

・徐々にドイツ以下の諸国に迫られている3位の日本

・混戦の中で少し抜けている4位のドイツ

が目立ちます。

同じ時期で4位のドイツ以下の推移を見てみます。

f:id:yukimatu-tousi:20180129163358p:plain※出所:Global Note ※単位:100万USドル

混戦ですがどこか目立つ国、世界第3位を望めそうな国はあるでしょうか。

f:id:yukimatu-tousi:20180129163801p:plain※出所:Global Noteのグラフより管理者作成 ※単位:100万USドル

1991年から2016年まで、5年間隔で推移を見たグラフです。

わざと目立たせているだけですが、急伸しているのはインドです。

ここ10年以内で、カナダ、ブラジル、イタリアを抜いて、現在世界7位の経済大国。

各国の5年間の成長率(名目GDP、ドル建て)

上位10ヶ国の<2011~2016年>の5年間の名目GDP成長率(ドル建て)です。

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※出所:Global Noteのデータより管理者作成

この5年、ドル高傾向であったこともあり、中国、インド、米国以外、マイナスとなっています。

少しさかのぼって、上位10ヶ国の<2006~2011年>の5年間の名目GDP成長率(ドル建て)です。

f:id:yukimatu-tousi:20180129224917p:plain※出所:Global Noteのデータより管理者作成

この期間も中国がぶっちぎり、次点でブラジルが健闘しています。

そしてインドも強いです。

過去20年の名目GDPの変化

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※出所:Global Noteのデータより管理者作成 ※ドル建て名目GDPを比較

【1996年の名目GDPが20年後、2016年時点で何倍になったか】

を示したグラフです。

中国がダントツ、約13倍、インドが5.7倍。

その他の国では日本の1.02倍を最小に、カナダの2.43倍が最高。

米国は約2.3倍。

ブラジルはこの20年では2.1倍と、あまりぱっとせず。

生産年齢人口の予測

最後に、上位10ヶ国の2015~2035年の20年間で予測されている

生産年齢人口の増減率

を比べてみます。

生産年齢人口は15~64歳の人口で、主な働き手世代に当たり、この人口が

●減ること⇒長期的な経済成長における一つのネガティブ要因

●増えること⇒長期的な経済成長における一つのポジティブ要因

であると思われます。

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※出所:World Population Prospects - Population Division - United Nationsのデータより管理者作成

※2015~2035年の予測値

日本、イタリア、そしてドイツは10%以上の減少です。

また中国も「-8.5%」と大きな減少です。

フランス、イギリスは何とかゼロ近辺で踏みとどまり、米国とカナダは5%足らずの増加。

ブラジルが7.9%増、そしてインドが約24%増加。

インドの生産年齢人口の実数は

●2015年:約8.6億人⇒2035年:約10.7億人

20年で約2.1億人、増加するとの予測。

20年で働き手世代が15%くらい減少する国と20%以上増加する国・・・

生産年齢人口の予測は予測に過ぎず、一つの目安に過ぎませんが、この観点では、

インド、ブラジル、米国、カナダ

は長期的な経済成長において、相対的に有利な状況にあると思われます。

~未来の世界3位の経済大国は、どこ?~

もう一度、現状把握。

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※出所:世界の名目GDP(USドル)ランキング - 世界経済のネタ帳 ※単位:10億USドル

当たり前ですが、株価や仮想通貨の値動きではないので、よほどのアクシデント(天変地異、パンデミック、戦争、政変、金融危機、通貨危機、等)がないかぎり、名目GDPが激変することは少なく、しばらく世界3位の座は日本だと思われます。

ドイツ、イギリス、フランスの中で日本を抜きそうなのは、ドイツ、かもしれませんが、日本と同様、ここ20年でさほど経済成長しておらず、生産年齢人口の予測もパッとしません。

ブラジルも、生産年齢人口の観点では有望ですが、 ここ20年でランキングを大きく変えるような飛び抜けた経済成長をを実現しておらず、あまり勢いを感じられない。

 

長期的に見ると、インドが可能性が高そうです。

近年の経済成長の速度、生産年齢人口の予測の面では有利な印象。

2016年で日本はインドの2.2倍ほどの経済規模ですが、長期的にはその差は縮まり、逆転する可能性もありそうです。

かつては米国、日本、ドイツが主要な経済大国でしたが、今後少しずつ

米国、中国、インド

がメインになっていくのかもしれません。

※単一の国ではなく、経済圏としてみた場合、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、スペインなどを擁する欧州は当分、主要な経済圏だと思われます

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※出所:Global NoteWorld Federation of Exchanges世界の人口 国別ランキング・推移(国連) - Global Noteのデータより管理者作成 ※時価総額は2003年以降

おわりに

世界3位の称号を得たところで何かが起きるわけでもありませんが、時代の流れ、世界のパワーバランスの大きな変化でもあると思うので、記事にしてみました。

10年、20年の、長期的な投資対象国として、インドは有望、かもしれません。

そして、米国は生産年齢人口、近年の経済成長の面でも、安定感があり、これらの観点からも、投資対象国としてわざわざ外す理由がないように思われます。

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※出所:Global NoteWorld Federation of Exchanges世界の人口 国別ランキング・推移(国連) - Global Noteのデータより管理者作成

また、中国は生産年齢人口の減少、少子高齢化、賃金上昇などの問題が大きくなっていきそうで、数十年続いた急成長モードから、今後、難しいかじ取りを迫られそうな雰囲気はあります。

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※出所:Global NoteWorld Federation of Exchanges世界の人口 国別ランキング・推移(国連) - Global Noteのデータより管理者作成

※すべて個人の憶測です。投資は自己責任で

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