中国の中央銀行、 PBOC(中国人民銀行)と主要中銀の資産動向を確認する記事です。
※便宜的に本記事では「1ドル:110円」「1ユーロ:130円」「1人民元:17円」で計算
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PBOCの動向
※出所:China Central Bank Balance Sheet ※単位:1億元
ここ約1年の中国人民銀行(PBOC)の資産推移です。
PBOCの資産は2018年7月末:約36.3兆元(617兆円)でした。
前月比±0兆円。
2018年の動向です。
※出所:China Central Bank Balance Sheetのデータより管理者作成
2018年前半は資産縮小傾向でしたが、7月末では2017年12月末とトントン。
4つの中央銀行、トータルでの変動
世界の4大中央銀行、FRB、ECB、日銀、PBOC、トータルの資産動向をみてみます。
トータル資産は概算で2018年7月末:約2232兆円でした。
・前月比+7兆円。
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | 、China Central Bank のデータより管理者作成
2018年は7ヶ月で23兆円増加。
2017年は年間で約182兆円増えていました(ひと月平均15兆円ほどの増加ペース。2016年は約249兆円)。
2017年のペースからすると、今年の進捗率は7ヶ月で12.6%程度。
巨額の緩和マネーを吐き出していた中銀が
2018年はその動きを急速に抑えている
と解釈できる数字です。
市場にとっては逆風。
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | 、China Central Bank のデータより管理者作成
2018年の各中銀のバランスシート動向(7月末まで)
・ECB・・・+17兆円
・FRB・・・-19兆円
・日銀・・・+25兆円
・PBOC・・・±0兆円
2017年(年間で32兆円増)に比べると2018年年間では、PBOCの資産増加ペースはスローダウンしそう。
※出所:China Central Bank Balance Sheetのデータより管理者作成
・ECB・・・+17兆円
・FRB・・・-19兆円
・日銀・・・+25兆円
・PBOC・・・±0兆円
ECBは2018年、明確にスローダウン。
FRBは資産縮小のペースをはやめている。
2018年も2017年並みの資産増加となりそうなのは日銀のみ。
よくいえば、日銀が2018年の世界中銀の急速な量的引き締めを比較的マイルドなものとし、2018年の株式市場の安定化に最も資する行動をとっている?
見方を変えると、今後いつかくる不況の到来に対し、日銀が最ものんびりした態度をとっている?
日銀はインパクトのある量的緩和も利下げもできず(すでに金利は低い)、不況期に中銀が行うセオリー通りの対策がとりにくい状態に置かれている可能性がある、ようにも思え、少し不安。杞憂だといいですが。
おわりに
引き続き、4大中銀の資産動向は2018年の投資環境の悪化を明確に示唆。
<FRB資産:ここ1年>
※出所:All Federal Reserve Banks: Total Assets | FRED | St. Louis Fed
FRBは資産縮小を粛々と実行中。
徐々にペースアップしています。
今のうちにいけるとこまで、というところでしょうか。
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