米国債の長短金利差に着目し、米国の景気動向、株式市場の動向を推測する記事です。
米国債の長短金利差を確認するメリット
米国の景気・株式市場の動向を探る役に立つかも?
※当ブログでは「長短金利差」
【米10年国債利回り-米2年国債利回り】
とします。
長短金利差について、詳しくはコチラをどうぞ↓
●米国債 長短金利差 <2017.12.22> - ユキマツの「長期投資のタイミング」
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直近の長短金利差
※出所:アメリカ 10年 債券利回り、アメリカ 2年 債券利回りのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月末~2018年8月末
2018年8月末は「0.24%」。
前月より縮小(7月末:0.29%)。
直近のピークは2010年3月の「2.81%」。
8年5ヶ月、長短金利差の縮小トレンドが続いていることになります。
2018.9.18現在、長短金利差は、0.23%であり、8月末よりわずかに縮小。
※3.01%-2.78%=0.23%
※データ:米国債・金利 - Bloomberg
1995年以降の長短金利差と株価の関係
※出所:アメリカ 10年 債券利回り、アメリカ 2年 債券利回り、^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Finance のデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2018年8月
1995年以降の長短金利差と株価(【S&P500】を900で割ったもの)の推移グラフです。
2018年8月末は7月末に比べて
・長短金利差⇒縮小
・株価⇒大きく上昇
したので両者の差は大きく開きました。
2018年3月以降、両者の距離は開きっぱなし。
このグラフでは、タイムラグはありますが、長期のトレンドとして概ね
●株価上昇期⇔金利差縮小トレンド
●株価下落期⇔金利差拡大トレンド
が確認できます。
また、この時期のデータに限れば、どちらかといえば
●金利差が大きい時期⇒株式は比較的割安?
●金利差が小さい時期⇒株式は比較的割高?
ともいえそうです。
※長い目でみた一つの傾向、経験則
参考データ:1980年以降の逆イールドと景気後退
※出所:FRED | St. Louis Fedのグラフより管理者作成 ※期間:1976年~2017.11月
1976年~2017.11月の長短金利差のグラフです。
5回の逆イールド期(短期金利>長期金利の時期)とその後の景気後退期(グレーラインの時期)を示しています。
5回とも景気後退期の前に逆イールドが生じており、景気後退期には株価は大きく下げる傾向があります。
長短金利差が小さいだけでなく、逆イールドになる時期は、景気や株式市場にとって不吉な兆候ではあると思われます。
※参考:米長短金利の逆転は懸念=ダラス連銀総裁 | ロイター
今年のFRB利上げ予測
●Countdown to FOMC: CME FedWatch Tool
上記サイトによれば
年内にあと2回程度(9月、12月?)
のFRBの利上げにより、現在「1.75-2.00%」のFF金利は年内に
「2.25-2.50%」
になるとの観測がかなり優勢な様子。
今年はあと1~2回?
という感じが続いていましたが、大過なく過ぎれば
年内あと2回の利上げ
の雰囲気が濃厚。
おわりに
ちょっとした気づきですが、※の時期、2007年頃、株価は堅調でしたが、長短金利差は急速に拡大しています。
2001年頃もそうですが、金利差の急速な拡大は、
・株価の下落
・将来の株価の下落
を示唆する?という経験則はあるのかも。
ただ、この2回のケースだけが根拠(2012~2013年頃の金利差拡大期には株価は下落せず逆に上昇しています)。
今はその真逆、とりあえず株価の上昇と金利差の縮小が続いています。
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