中国の中央銀行、 PBOC(中国人民銀行)と主要中銀の資産動向を確認する記事です。
※中銀の金融政策を確認する意味についてはコチラ
※便宜的に本記事では「1ドル:110円」「1ユーロ:130円」「1人民元:17円」で計算
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PBOCの動向
※出所:China Central Bank Balance Sheet ※単位:1億元
ここ約1年の中国人民銀行(PBOC)の資産推移です。
PBOCの資産は2018年8月末:約36.3兆元(617兆円)でした。
前月比±0兆円。
2018年の動向です。
※出所:China Central Bank Balance Sheetのデータより管理者作成
2018年前半は資産縮小傾向でしたが、6月に昨年末と同程度に戻り、7~8月と動きが止まっています。
何か意図があるのか、わたしはわかりません。
2015年以外、近年ではPBOCの資産は一貫して増加しているのですが・・・
※出所:China Central Bank Balance Sheetのデータより管理者作成
4つの中央銀行、トータルでの変動
世界の4大中央銀行、FRB、ECB、日銀、PBOC、トータルの資産動向をみてみます。
トータル資産は概算で2018年8月末:約2233兆円でした。
・前月比+1兆円。
8月はほとんど動きを止めた感じ。
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | 、China Central Bank のデータより管理者作成
2018年は8ヶ月で24兆円増加。
2017年は年間で約182兆円増えていました(ひと月平均15兆円ほどの増加ペース。2016年は約249兆円)。
2017年のペースからすると、今年の進捗率は8ヶ月で13.2%程度。
巨額の緩和マネーを吐き出していた中銀が
2018年はその動きを急速に抑えている
と解釈できる数字です。
市場にとっては逆風か。
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | 、China Central Bank のデータより管理者作成
2018年の各中銀のバランスシート動向(8月末まで)
・ECB・・・+20兆円
・FRB・・・-26兆円
・日銀・・・+30兆円
・PBOC・・・±0兆円
PBOCの資産増加ペースは2018年は「0兆円」であり、2017年(年間で32兆円増)に比べると少なくなりそう。
2018年8月までの4中銀の量的緩和動向をみると、
・動かないPBOC
・ペースダウンが著明なECB
・2017年とペースが変わらない日銀
・量的縮小をがっつり進めはじめたFRB
というところ。
おわりに
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | 、China Central Bank のデータより管理者作成 ※2018年は8月まで
2007年以降の4大中銀トータルでの年間での資産増減の推移です。
このままいくと2008年の300兆円大規模緩和の翌年、2009年以来の低い増加額となりそうな雰囲気。
引き続き、4大中銀の資産動向は2013~2017年に比べると、投資環境の相対的な悪化を示唆。
直近2ヶ月ほとんど動かないPBOCの資産は今後どうなるか。
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