中国の中央銀行、 PBOC(中国人民銀行)と主要中銀の資産動向を確認する記事です。
※中銀の金融政策を確認する意味についてはコチラ
※便宜的に本記事では「1ドル:110円」「1ユーロ:130円」「1人民元:17円」で計算
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PBOCの動向
※出所:China Central Bank Balance Sheet ※単位:1億元
ここ約1年の中国人民銀行(PBOC)の資産推移です。
PBOCの資産は2018年9月末:約36.6兆元(622兆円)でした。
前月比+5兆円。
2018年の動向です。
※出所:China Central Bank Balance Sheetのデータより管理者作成
2018年前半は資産縮小傾向でしたが、6月に昨年末と同程度に戻り、9月で昨年末をやや上回りました。
2015年以外、近年ではPBOCの資産は一貫して増加していますが、今年は鈍い動きです。
※出所:China Central Bank Balance Sheetのデータより管理者作成
4つの中央銀行、トータルでの変動
世界の4大中央銀行、FRB、ECB、日銀、PBOC、トータルの資産動向をみてみます。
トータル資産は概算で2018年9月末:約2230兆円
・前月比−3兆円。
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | 、China Central Bank のデータより管理者作成
2018年は9ヶ月で21兆円増加。
2017年は年間で約182兆円増えていました(ひと月平均15兆円ほどの増加ペース。2016年は約249兆円)。
2017年のペースからすると、今年の進捗率は9ヶ月で11.5%程度。
巨額の緩和マネーを吐き出していた中銀が
2018年はその流れを一気に鈍化させた
といえ、今年の株安の一因と推測されます。
市場環境は明らかに変化しています。
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | 、China Central Bank のデータより管理者作成
2018年の各中銀のバランスシート動向(9月末まで)
●PBOC・・・+5兆円(2017年:32兆円)
●ECB・・・+20兆円(2017年:105兆円)
●FRB・・・-29兆円(2017年:±0兆円)
●日銀・・・+25兆円(2017年:45兆円)
9月までで2018年の4中銀の量的緩和動向をみると、
●PBOC:激しいペースダウン
●ECB:激しいペースダウン
●FRB:明確な量的縮小モード
●日銀:ペースダウン
というところ。
ECBは昨年の年間100兆円超のペースからの落差がとても激しい。
FRBの量的縮小も目立ってきており、来年はさらに縮小ペースが加速する見込み。
おわりに
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | 、China Central Bank のデータより管理者作成 ※2018年は9月まで
2007年以降の4大中銀トータルでの年間での資産増減の推移です。
このままいくと2009年以来の低い増加額となりそう。
状況にもよりますが、基本的には
「中央銀行が作る流れにあえて逆らわない」
色んな考えがあると思われますが、わたしの投資方針の一つです。
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