ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

単なる選挙対策か、実体のある話か ~日本市場の概況~

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今週の日本の株価や金利をごく簡単に確認し、その後、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測し、日本市場の概況をみてみます。

今週の日経平均

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※出所:マーケット|SBI証券

11.2は「22,244」。先週末比+5.0

週間でかなり大きな上昇。

前週分の大幅マイナスの大半を回復。

10月は月間-9.1%

10月末は「21,920」だったので、11月は今のところ+1.5%

日経平均の直近の高値は2018年10月の「24,448」。

今週の日本10年債利回り

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※出所:日本 10年 | 日本 10年 債券利回り

2018.7.23以降、日銀が0.2%程度までの金利水準を容認する?

という話もある日本の長期国債利回り。

11.2は「0.13%」(前週は「0.11%」)。著変なし。

7/23以降の利回りの最高値は2018年10月の「0.169%」。

今週のドル/円

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※出所:USD JPY 証券株式相場 | ドル 円 相場 - Investing.com

今週は「1ドル=111円中盤~113円前半」で推移。

リスクオン相場ですが、急激な円安もなしという印象。

米国長期金利は再び上昇してきています。
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5つの指標

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>

日本バフェット指標

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※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 ※期間:1985年1月末~2018年10月末

11.2の日本バフェット指標は「1.15」で先週末「1.11」より大幅上昇。

10月末は「1.14」と9月末より急落。11月は今のところやや上昇。

直近の月末値ピークは2018年1月の「1.28」。

 

11.2の時価総額は約「639.2兆円」(全市場の合計値)。

確認できている範囲では、2018.1.23の736.8兆円が現時点での最大値。

現在は最大値を13.2%下回っています。

東証一部の時価総額は今週600兆円を回復。

1985年からの日本バフェット指標の長期平均は「0.76」です。

割高圏の目安「1.0」以上なので、長期的観点からは

日本株は割高圏?

と推測。

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※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳

日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残

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※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2018年7月27

2018.10.26 31,460億円(約3.1兆円)。

前週比-240億円と小幅な減少。

直近ピークは2018.3.23の約3.7兆円。

水準としては長期平均の「2.4兆円」より大きく、この指標からは

やや割高?

と推測。

<2017.10.27以降の推移・月末値と直近数値>

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 ※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成

10月は3000億円以上の大幅な増加となりました。

6~9月は日経平均は上がっていたので

ワンテンポ遅れて信用買いが増えた?

感じでしょうか。

信用買い残について詳しくはコチラ↓

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

東証一部PBR 

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※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年1月末~2018年10月末

2018年10月末の東証一部PBRは「1.2」(前月比-0.2)でした。

10月の株安を受けて大きく低下しています。

直近ピークは2018年1月末の「1.5」。

割安の目安「1.0」以上なので、割安ではなさそうと判断。

PBR1.2倍ときくと

わりと割安?

と感じますが、東証一部の長期平均、中央値は約1.1倍です。

※1999.12以降のデータ

東証一部のPBRのレンジは2005年頃を除くと20年近く概ね

「0.7~1.6」程度。

東証一部PBRについて詳しくはコチラ↓

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率

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※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成 ※グラフ期間:2001.6.1~2018.7.6

2018.10.26は「-16.07」でした。前週の「-10.17」からマイナス幅が拡大。

上記期間の長期平均は約「-11」であり投資家心理は

やや不安?

と推測。

割安の目安「-25」以上なので、割安ではなさそうと判断。

信用評価損益率が「-15」を下回ったのは2016年の夏以来です。

ここ2年、異様に安定した相場だったともいえそう。

信用評価損益率について詳しくはコチラ↓

信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス

★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ

1998年からの

・長期平均:25.3

・最低値:11.82(2017.7月)

・最大値:91.45(2008年10月)

・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。

<ここ3ヵ月のチャート>

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※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャート

11.2は「25.29」。前週末は「28.11」だったので低下。

長期平均「25.3」と同程度であり、投資家心理は

ふつう?

と推測。

割安の目安「30」より小さいので、「割安ではなさそう」と推測。

恐怖指数について詳しくはコチラ↓

www.yukimatu-value.com

現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ

あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。

★日本バフェット指標⇒割高圏?

★信用買い残⇒やや割高?

★東証一部PBR⇒割安ではなさそう

★信用評価損益率⇒割安ではなさそう

★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安ではなさそう

総合的に判断すると、わたしは日本株式は「割高圏?」と推測します。

 

現時点での日本株の長期投資のタイミングとしては

①リスク資産の資産配分が大きくなりすぎていれば、所定の配分に戻す

②資産配分において、株式の配分比率を減らす

③資産配分において、現金の配分比率を増やす

④長期投資を一時やめる(投資をやめる機会を探している場合)

のに適す時期だと考えています。単なる経験則ですが。

※長期投資に関する一つの判断です。短期、中期的な投資には役立たない可能性が高いです

※基本的にできるだけ「割高な時期に株を売り、割安な時期に株を買う」という判断に基づいています

※単なる個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で 

※指標ごとに、データ確認時期にタイムラグがありますので、必ずしもリアルタイムの判断ではありません

サブプライムバブル期と「今」のデータ比較

※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI(中小企業)⇒主要時系列統計データ表

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四角で囲った項目は2007.6より割高感が少なくなっています。

東証一部PBRの低下は目立ちます。

●TOPIX:今週は「1600」を回復。1月高値「1911」の「-13.2%」の水準。

あとがき

11/1のトランプ大統領ツイートあたりから一気にリスクオンの様相。

米政府高官、中国との貿易合意書用意との報道を否定=報道 | ロイター

との一部報道もあり、米中貿易協議の合意があり得るのかは謎ですが、リバウンドしたかったっぽい株式市場はとびつくようにして大幅上昇。

単なる選挙対策か、実体のある話か、謎ですね。

当たり前ですがいずれ判明すると思われます。

ボラが大きそうな相場なので、個人的にはロングショート(オプションヘッジ取引?)継続。

★ロング:下げに強いであろう個別銘柄群

★ショート:日経オプション・プット買い

で勝負。

●このまま上げ続ければロング分で利益(プットのマイナス額を上回れれば・・・)

●期待が失望に変わり日経が大きく下げればプットオプション分で利益(個別ロングのマイナス額を上回れれば・・・)

を目論んでます。

10月は

●個別株同士のロングショート+上記の組み合わせ

でうまくいきました。プットが久々の大活躍。

11月もうまくいくか、それとも落とし穴が待っているか。

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