「13年間で学んだこと」シリーズの9回目になります。
<その他のシリーズ記事>
●13年で学んだこと カテゴリーの記事一覧 - ユキマツの「長期投資のタイミング」
スポンサーリンク
株価を支える期待
上記記事からの引用。
将来の利益や株価は誰にもわからないが
●投資家が企業の将来利益に大きな期待を寄せれば、現在の株価は上昇する傾向?
●投資家が企業の将来利益に対する期待感を失えば、現在の株価は下落する傾向?
個人的な考えですが、株価を支える要因の一つは投資家の「将来」への期待だと思われます。
「今」ではなく「将来」の業績期待が株価を上昇させる大きな原動力の一つではないかと。
逆いえば、「今」いくら業績がよくても、「今」どれだけ業績予想の数字がよくても、投資家が「将来」の業績への期待を失ったとたん、株価は下落しやすいのかもしれません。
期待なんて数値で確認できないので、一つの推論に過ぎませんが。
「未来」の業績を占う手がかりとは
では、何が企業業績の未来を示唆しやすいのか?
私見ですが、いつも同じことを書いていますが、その一つは景気動向と思われます。
★景気が減速トレンドなら未来の企業業績は悪化しやすい
★景気が拡大トレンドなら未来の企業業績は改善しやすい
確実に景気のトレンドを読み切れるものではありませんが、日々乱高下する株価よりは、景気動向の変化はまだ読みやすい。
世界や米国の景気動向のトレンドに寄り添うスタンスは比較的大けがしにくいスタンスと思われます。※出所:https://www.world-exchanges.org/、Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成 ※期間:1995.1~2018.10
上記のグラフはCLIという景気指数と全世界の時価総額を併記したもの。
ざっくりとですが、世界の景気動向と世界の市場規模にはある程度の連動性が確認されます。
端的にいえば、世界景気が下向きの時期は、怖い時期かも。
★CLIについてはコチラ
今年3回の急落
そして世界的には昨年11~12月以降、1年近く、世界的な景気動向は減速トレンドに入っています(CLIやグローバル製造業PMIによれば)。
今年は2月、10月、12月に市場は荒れました。
他にも要因はあると思いますが、世界的な景気減速不安の影響抜きには語れない事態と思われます。
このような相場で収益を狙う手法の一つは
景気動向を確認して下げに備えたポジションを普段から構築しておくこと
だと思われます。
もちろん2月、10月、12月に下げることなど一切分かりませんが、
「今」の業績ではなく「将来」の業績への期待が株価を支える
⇒つまり、将来の景気減速不安は将来の業績への期待を打ち砕き、株価下落の誘因となりやすい
という基本的な理解があれば、下げ相場でも利益を上げられるかもしれません。
わたしは12月は
「米中会談がらみの一時的な上げ相場⇒一転大幅な下げ相場」
の展開を大きく見誤り(クリスマスラリーも期待し、相場の雰囲気にのまれ、しばらくのんびり上げると思い込んだ)、ペースを乱しポジション構築が遅れ、12月は地味にマイナスの成績で悔しい思いをしていますが、2月、10月はそこそこでした(ロング・ショートやプット・オプションでのヘッジ取引などによる)。
★12月の失敗の顛末
おわりに
株の買いは「将来の業績期待」を買う
のなら
株の売り(空売り)は「将来の業績不安」を買う
ことかもしれません。
空売りを安易に勧める気は毛頭ありませんが、
★世界的な景気減速トレンド
★世界的な金融引き締め(FRBの利上げ、量的縮小、ECBの新規債券購入中止など)
という厳しい投資環境下でどうのように立ち回るか。
長期的な投資収益に影響が大きく、難しく、悩ましい状況と思われます。
投資スタンスによってさまざまだと思われますが、基本「安全重視(キャッシュを増やす)」「右往左往せず自分のペースを守る」などが概ね無難な選択なのかもしれません。
買うものがない!
という人はベアファンドを買うか、空売りするか。
ただ、いつ相場が大幅に反転するかは分からず、それはそれで難しい取引。
宝くじ感覚で、プット・オプションが安くなった時に(株価がしばらく反発した時など)、プットを少し買って、あとは何もしないでぼんやりしている・・・なんて気楽で個人的には好きですが(損失額は限定されている)。
※うまくいく保証はありません。投資は自己責任で
何はともあれ致命傷を負わないのが一番と思う、荒れた相場。
昨年の今頃は浮かれモード。
「リスクらしいリスクが見当たらない」
「日経平均3万円!」
なんて雰囲気がありました。
未来を予想したり、シミュレーションすることは簡単ですが、1年先ですら未来は全く読めませんね。
関連記事