2018年12月末のFRB、ECB、日銀、3つの中央銀行の資産動向を確認する記事です。
※本記事では便宜的に「1ドル=110円」「1ユーロ=130円」で円換算しています
スポンサーリンク
中央銀行の動向を確認するメリット
中央銀行の動向は
投資タイミングの時期を判断する一つの手掛かりになり得る
とわたしは思います。
※その説明↓
●「中央銀行の動向」が「投資タイミング」を判断する、一つの手掛かりになり得ると考える根拠 - ユキマツの「長期投資のタイミング」
FRBの動向
※出所:All Federal Reserve Banks: Total Assets | FRED | St. Louis Fed
ここ1年のFRBの資産推移です。
2018年12月末:4.08兆ドル(約449兆円)でした。
前月比 -2兆円。
2018年でざっと41兆円資産が減っています。
※出所:All Federal Reserve Banks: Total Assets | FRED | St. Louis Fedのデータより管理者作成
ECBの動向
※出所:Central Bank Assets for Euro Area (11-19 Countries) | FRED | St. Louis Fed
上記グラフはここ5年のECBの資産推移です。
量的緩和はペースダウンしてきています。
ECBの資産は2018年12月末:4.67兆ユーロ(約607兆円)でした。
前月比+1兆円。
2018年でざっと26兆円資産が増えました。
※出所:Central Bank Assets for Euro Area (11-19 Countries) | FRED | St. Louis Fedのデータより管理者作成
日銀の動向
※出所:Bank of Japan: Total Assets for Japan | FRED | St. Louis Fed
上記グラフはここ5年の日銀の資産推移です。
ECBほどではないですが、資産増加のペースは鈍化しています。
日銀の資産は2018年12月末:約552兆円でした。
前月比−4兆円。
2018年は約31兆円の増加。
2017年(約45兆円)より少ない資産増加ペースとなりました。
※出所:Bank of Japan: Total Assets for Japan | FRED | St. Louis Fedのデータより管理者作成
3つの中央銀行、トータルでの変動
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | のデータより管理者作成
3つの中銀のトータル資産は2018年12月末:約1608兆円でした。
・前月比−5兆円。
・FRB:-2兆円
・ECB:+1兆円
・日銀:−4兆円
※為替レートや四捨五入で誤差あり
2017年12月末は「1592兆円」だったので、2018年は年間で「+16兆円」。
2017年の年間「+150兆円」ペースからは大幅に緩和ペースが落ち、2018年は2017年の10%程度の資産増加(約9割減)。
【FRB、ECB、日銀資産】の合計(年末値)と年間増減
<データ>
<増減額のグラフ>
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | のデータより管理者作成
おわりに
2018年の主要3中銀の資産傾向(概算値)。
★FRB:−41兆円
★ECB:+26兆円
★日銀:+31兆円
2019年はECBの新規債券購入がストップしあまり資産は増えないか。
FRBがこのまま粛々と資産縮小を続ければ、2018年よりも早い量的縮小のペースとなるかも。
日銀は25~40兆円くらいの増加?
この3行トータルだとマイナスになる可能性があります。
量的緩和のサポートがない状態は、どちらかというと株式市場にとってネガティブか。
ただ、FRBが資産縮小のペースを緩めることもあるかもしれず、引き続き資産動向の確認を続けていきます。
ちなみに2017年末⇒2018年末で世界の時価総額は
「85.3兆ドル⇒74.5兆ドル」(−12.7%)
に減少。
どこまで影響があったかは不明ですが、世界的な量的緩和モードの変調が、世界的な株安の一因だった、かもしれません。
関連記事