先週の米国市場を
「米国株式の割安割高を判断する目安」
になると思われる指標などで概観してみます。
ごく簡単な米国市場の概観
<先週のS&P500>
※出所:米S&P 500インデックス(SPX - Investing.com
10.11は「2970」。前週末比「+0.6%」。
2019年9月末は「2976」だったので、10月月間では「-0.2%」。
2018年末は「2507」で、今年は「+18.5%」。
最高値は2019年7月の「3028」で今は高値から「-1.9%」の水準。
<先週の米国10年国債利回り>
10.11は「1.73%」と急騰。
10.4「1.53%」
9.27「1.69%」
9.20「1.72%」
9.13「1.90%」
9.6「1.56%」
と最近の乱高下が継続中。
昨年末は「2.69%」。
2018年で最も高かったのは10月の「3.26%」。
低かったのは1月の「2.42%」。
2018年の平均値は「2.91%」。
定点観測
以下の4つで定点観測してみます。
★恐怖指数<米国市場。S&P500の変動性>
★ジャンク債スプレッド<米国市場。クレジットスプレッドの一つ>
★S&P500のPBR<米国の代表的な株価指数のPBR>
★米国バフェット指標 <米国の時価総額÷米国の名目GDP>
恐怖指数
<ここ1年>
<先週>
10.11は「15.58」。
前週の「17.04」より低下。
水準としては長期平均(「19.3」)より低く、米国の市場心理は
やや安心?
と推測。
目安の「30」以下であり、株価は割安ではなさそう。
※参考:2018年以降の高い値(概算値)
・2018.2月:「50」
・2018.10月:「29」
・2018.12月:「36」
・2019.5月:「23」
・2019.8月:「25」
<恐怖指数について詳しくはコチラ↓>
www.yukimatu-value.com
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ジャンク債スプレッド
ジャンク債スプレッドとは
①ジャンク債スプレッド
=米国のハイ・イールド債の利回り-米国債(10年物)の利回り
②ジャンク債スプレッドが大きい⇒株式は割安傾向
③ジャンク債スプレッドが小さい⇒株式は割高傾向
④★平均値(幾何平均):3.0
★中央値:2.9
<期間:1996.12月~2019.9月の月末>
推移グラフと現在の状況判断
※出所:◎St. Louis Fed◎米国 10年 債券利回りのデータより管理者作成 ※期間:1996.12月末~2019.3月末
10.10時点のジャンク債スプレッドは「2.4」で、前週の「2.6」より大きめに縮小(リスク許容度上昇傾向)。
※ジャンク債利回り「4.05%」、米国債(10年物)の利回り「1.67%」
スプレッドは長期平均「3.0」より小さく、投資家心理はやや安心?か。
株価水準としては
やや割高?
と推測。
<最近の推移>
※出所:◎St. Louis Fed◎米国 10年 債券利回りのデータより月末値で作成 ※期間:2016.1月~2019.10月(10月は10日時点)
<ジャンク債スプレッドについて詳しくはコチラ↓>
www.yukimatu-value.com
S&P500のPBR
※出所:S&P 500 Price to Book Value
1999年末~直近のS&P500のPBRの推移です。
10.11時点の推計値は「3.42」。前週の「3.40」よりやや上昇。
引き続き近年では高水準。
★ITバブルの頃のピーク(5.06)
より小さく
★サブプライムバブルの頃のピーク(2.91)
は上回る水準。
長期平均の「2.81」は上回っており、現在は
割安な水準ではなさそう
です。
※出所:S&P 500 Price to Book Value
<S&P500のPBRについて詳しくはコチラ↓>
米国バフェット指標
米国バフェット指標とは
①米国バフェット指標=米国の時価総額÷米国の名目GDP
②米国株式の割安割高を判断する目安
③1995~2018年の各年末のデータから、
★平均値:1.26
★中央値:1.32
④近年の経験則の域を出ませんが
★1.05以下は株式は割安圏?
★1.40以上は株式は割高圏? と推測⑤米国の時価総額=NYSE+Nasdaqで計算
推移グラフと現在の状況判断
米国の時価総額は2019年8月末で約「34.3兆ドル」(前月末は「36.3兆ドル」)。
過去最高だった前月より大きく減少(-5.5%)。
※過去最高は2018.8月の「36.2兆ドル」でしたが2019.7月に「36.3兆ドル」で更新
2019年8月末の米国バフェット指標は「1.61」(前月末は「1.77」)。
現在、割高圏の目安「1.4」を上回っていると推測され、8月末時点の米国株式は
割高圏?
と推測。
※データ出所:https://www.world-exchanges.org/、世界経済のネタ帳のデータより作成
※2019年米国名目GDP:21.34兆ドル(IMF推計)。2018年は20.49兆ドル
米国バフェット指標について詳しくはコチラ↓
現時点での米国市場の割高割安、4つの指標からの推測、まとめ
あくまで経験的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。
★恐怖指数⇒割安ではなさそう
★ジャンク債スプレッド⇒やや割高?(割安ではなさそう)
★S&P500のPBR⇒割安ではなさそう
★米国バフェット指標 ⇒割高圏?
総合的に判断すると、わたしは米国株式は
割高?
と推測。
現時点での米国株の長期投資のタイミングとしては
①リスク資産の資産配分が大きくなりすぎていれば、所定の配分に戻す
②資産配分において、株式の配分比率を減らす
③資産配分において、現金の配分比率を増やす
④長期投資を一時やめる(投資をやめる機会を探している場合)
のに適す時期だと考えています。単なる経験則ですが。
※概ね10年以上を想定した長期投資に関する一つの判断です。短期、中期的な投資には役立たない可能性が高いです
※基本的にできるだけ「割高な時期に株を売り、割安な時期に株を買う」という判断に基づいています
※単なる個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で
ITバブル、サブプライムバブル、現在のデータ比較
※表のデータ出所 ・世界のバフェット指標:GLOBAL NOTE、https://www.world-exchanges.org/ ・OECD景気先行指数:OECD Data ・シラーPER:Shiller PE Ratio ・失業率:US Unemployment Rate ・実質経済成長率:BEA National Economic Accounts ・長短金利差:米国債・金利 - Bloomberg ・かい離率:米S&P 500インデックス(SPX - Investing.com
引き続き割高っぽい米国株。
・「S&P500のPBR」「シラーPER」:高水準
・「長短金利差」:10.4の「0.13%」とほぼ変わらず
おわりに
上記記事によれば
中国の同意次項。
○米国産農産品の購入を大きく増やす
○知的財産権を巡る一定の措置
○金融サービスと為替に関する譲歩
これに対して米国は
○部分合意の確定に伴い、15日に予定していた追加関税の引き上げを先送り
○中国から輸入する製品のほぼ全てに対象を拡大する制裁関税「第4弾」の発動中止は決めていない
とのこと。
とりあえず中国はやや譲歩、米国は強気姿勢を維持しているように見える内容。
核心的な部分には特に触れていない?
とりあえず10月11日はリスクオンとなりましたが週間でのS&P500はほぼ動きなし。
来週、どうなりますか。
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