中国の中央銀行、 PBOC(中国人民銀行)と主要中銀の資産動向を確認する記事です。
※中銀の金融政策を確認する意味についてはコチラ
※本記事では便宜的に「1ドル=110円」「1ユーロ=130円」「1元=17円」で円換算しており、数値は目安、概算です
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PBOCの動向
※出所:China Central Bank Balance Sheetより作成 ※単位:1億元
ここ1年の中国人民銀行(PBOC)の資産推移です。
PBOCの資産は2019年8月末:約36.4兆元(619兆円)でした。
前月比+9兆円。
2019年の動向です。
※出所:China Central Bank Balance Sheetのデータより管理者作成
2018年12月にひと月で22兆円も増えたのですが、2019年は8ヶ月で20兆円減。
方向感はつかめず。
とりあえず2017年末と比べて減少しており、ここ1年半ほどでPBOCの資産規模は横ばいか減少傾向にあり。
<2006年以降のPBOCの年末資産と年間の増減表>
※出所:China Central Bank Balance Sheetのデータより管理者作成
4つの中央銀行、トータルでの変動
世界の4大中央銀行、FRB、ECB、日銀、PBOC、トータルの資産動向をみてみます。
トータル資産は概算で2019年8月末:約2207兆円
・前月比+6兆円。
昨年末と比して33兆円程度減少。
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | 、China Central Bank のデータより管理者作成
年間で2017年は+182兆円、2018年は+31兆円増加でした。
とりあえず今年は中銀資産の膨張にストップがかかっています。
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | 、China Central Bank のデータより管理者作成
2019年の各中銀のバランスシート動向<8月時点>
●PBOC・・・−20兆円(2018年:+15兆円)
●ECB・・・+1兆円(2018年:+26兆円)
●FRB・・・-35兆円(2018年:−41兆円)
●日銀・・・+21兆円(2018年:+31兆円)
おわりに
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | 、China Central Bank のデータより管理者作成 ※2019年は7月まで
とりあえず4中銀トータルで2019年は8ヶ月で33兆円ほどの資産縮小。
・日銀が増えた分はPBOCの減少分で相殺
・ECBはほとんど動かず
・FRBが減らした分がトータルで減っている
ような感じ。
このままいけば2019年は4大中銀トータルで2007年以降初の「資産縮小」になりそうですが、どうなりますか。
先月の本シリーズ記事では上記のように書いていましたが、「このままではいかない」可能性が濃厚。
資産縮小を中止したFRBが急きょ資産を拡大。
8月末:3.76兆ドル
⇒
2019.10.9:3.95兆ドル
と1月余りで0.19兆ドル、1ドル=110円で計算すると約21兆円も資産を増加させてきています。
「2019.9.16以降の米国レポ市場混乱の終息のため」
にFRBが出動し国債を買い、資産が急増している。
いわゆる「量的緩和」政策の一環ではないようでいつまで続くかは不明ですが、これで一応
FRB、ECB、日銀、すべて緩和的なスタンスで足並みがそろった
ような感じ。
中銀資産が増加してくる可能性が高い展開。
9月~10月初旬までのリスクオンはこの中銀姿勢も影響しているか。
これまでのように「中銀緩和⇒リスクオン」の展開が続くかどうか。
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