5月に節目の50を下回ったグローバル製造業PMIは8~10月は下げ止まりの兆しあり。
最新の「製造業PMI」と「ISM製造業景気指数」から世界と米国の景気を観察してみます。
スポンサーリンク
①グローバル製造業PMI
「購買担当者指数」は「PMI」とも呼ばれる景気指標の一つです。
世界の多くの国で採用されており、毎月更新される即時性の高い便利な指標です。
50が分岐点であり
●50より大きい⇒景気拡大
●50より小さい⇒景気減速
と判断。
製造業PMIは「製造業購買担当者指数」のことで、製造業全般の景気を示唆します。
グローバル製造業PMIは「全世界の製造業の景気状況」を示唆する指数です。
グローバル製造業PMIの推移を見てみます。
※グローバル製造業PMIについて、詳しくはコチラ(英語サイト、PDF)
https://www.markiteconomics.com/Public/Home/PressRelease/f211439278174b239f65c3a6051a2db6
※出所:上記PDFサイトより作成
2019年10月は「49.8」(前月比「+0.1」)でした。
5月に大きめに数値低下して節目の50を下回り、6月、7月と続落。
7月をボトムに8~10月は地味に上昇。
まだ節目の50を超えてはいませんが、いったんは下げモードが収まった感があります。
2017年12月をピークに2019年7月まで19ヶ月(1年7ヶ月)続いた低下トレンド転換かどうか。
●2018年2月:54.1
●2018年3月:53.3
●2018年4月:53.5
●2018年5月:53.1
●2018年6月:53.0
●2018年7月:52.7
●2018年8月:52.6
●2018年9月:52.2
●2018年10月:52.1
●2018年11月:52.0
●2018年12月:51.4
●2019年1月:50.8
●2019年2月:50.6
●2019年3月:50.5
●2019年4月:50.4
●2019年5月:49.8
●2019年6月:49.4
●2019年7月:49.3
●2019年8月:49.5
●2019年9月:49.7
●2019年10月:49.8
※PMIについて詳しくコチラ↓
●中日独の景気動向 2017年11月データ - ユキマツの「長期投資のタイミング」
②主要国製造業PMI
主要4ヶ国(米中日独)の国別の製造業PMIを確認。
期間は2016年1月~2019年10月です。
※出所:「https://jp.investing.com/search?q=製造業購買担当者指数 PMI」のデータより管理者作成
直近のピークは
●中国:2017.9月
●ドイツ:2017.12月
●日本:2018.1月
●米国:2018.4月
であり、今のところ
「中国⇒ドイツ⇒日本⇒米国」
の順にピークアウトしています。
2019.10月の数値変動は
●米国・ドイツ:上昇
●日本、中国:低下
米国はやや持ち直しの感じ。
日本は7月「49.4」で10月「48.4」と落ち込みが目立ってきている印象。
③ISM製造業景況指数
次に、米国の景気指標の一つ「ISM製造業景況指数」を確認します。
PMIと同様、50が分岐点であり、
●50より大きい⇒景気拡大
●50より小さい⇒景気減速
と判断。
※ISM製造業景況指数についての記事↓
「株は景気の悪い時期に買うは正しいか?」米国景気の一つの指標【ISM製造業景況指数】
※出所:アメリカ ISM製造業購買担当者指数より作成 ※期間:1995.1~2019.10 ※数値は概算値
2019.10月は「48.3」(前月比+0.5)。数値は上昇。
2008.2月「48.3」や2009年7月「48.9」とほぼ同水準、低水準。
2018.8月「61.3」が直近のピークで、その後は明確な低下トレンド。
9月で下げ止まりとなるかどうか。
④参考データ:ISM製造業景況指数、近年の低い値(概算値)
※期間:1995.1~2019.9
●ITバブル崩壊後:41
●サブプライムバブル崩壊後:33
●欧州債務危機:49
●チャイナショック:48
●2019年9月:48
おわりに
FRBの強力な金融緩和やその他世界的な中銀緩和スタンス
に加えて
世界景気減速トレンドの反転
が確認されるかどうかが最近気になるところ。
株価に比べれば比較的トレンドが継続しやすいと思われる景気動向ですが、今のグローバル製造業PMIに関しては判断が難しそう。
個人的には無理に決めつけず、CLI(OECD全体)や米国非製造業の景況感などもみながらじっくり判断。
とりあえずで「個別株買い+プットオプションでのヘッジ」のポジションは準備中。
こんな記事も