ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

失業率はやや上昇するも低水準

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米国の景気動向、株価動向を【米国の失業率】と【景気循環】で探る記事です。

米国の失業率を知るメリット

「失業率」と「景気」は関連が強く、「景気」と「株価動向」にも関連があり、「失業率」は長期的な「株価動向」を探る材料になり得る、と思われます。

失業率 ⇔ 景気 ⇔ 株価

最新の失業率

2019年10月の失業率は「3.6%」(前月比+0.1%)でした。

この数値は

・サブプライムバブルの頃のボトム「4.4%」

・ITバブルのころのボトム「3.8%」

より小さい値。

歴史的な低失業率水準が続いていると思われます。

失業率の推移

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※出所:Civilian Unemployment Rate | FRED | St. Louis Fed
より管理者作成 ※期間:1995年1月~2019年10月

この期間の長期平均「5.5%」で、ラインを引いています。

米国失業率は2009年10月のピーク(10.0%)から2019年9月(3.5%)まで、9年11ヶ月の低下トレンド。

10月はやや上昇しましたが、依然低水準。

株価(S&P500)と米国失業率

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※出所:Civilian Unemployment Rate | FRED | St. Louis FedYahoo Financeのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2019年10月

米国の失業率と「<S&P500>÷200」の推移を併記したグラフです。

1995年以降、失業率の「低下時期」に株価は上昇しやすく、

失業率の「急上昇+高水準の維持期

に株価は低迷しやすい傾向がうかがえます。

短期的な状況判断には役立ちませんが、長い目で見ると、

景気(⇔失業率)と株価

の関係をうかがう一つの目安にはなりそうなグラフ。

米国景気拡大期

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※出所:景気循環でみると2017年に米景気は後退期入り?|第一商品より管理者作成

1945年以降の米国景気拡大期をまとめた表です。

今回の景気拡大は2009年6月に始まり、現在は10年4ヶ月以上、米国の景気拡大が続き過去最長か。

上記データによれば、1945年以降の米国の景気拡大期の平均は約5年、最長で10年4ヶ月

2007年までの3回の景気拡大期の平均は「95ヶ月」(7年11ヶ月。約8年)。

近年の景気拡大期は長期化している模様。

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参考データ

失業率の長期推移(1948年~)と景気後退

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※出所:Civilian Unemployment Rate ※期間:1948年1月~2017年12月

上記は米国失業率の約70年の長期推移です。

灰色のライン景気後退期でこの期間、11回あります。

よくよく観察すると、

●失業率の底打ち後しばらくたってから

あるいは

●失業率のボトムから失業率が上昇し出すタイミングとほぼ同時に

景気後退が訪れるというパターンが目立ちます。

先のことは分かりませんが、とりあえず「景気後退には必ず失業率の上昇が伴っている」というのがこの期間の経験則。

その意味で失業率の観察は有用か。

米国失業率のデータ

1948年1月~2019年9月で最低の失業率は1953年の2.5%です。

その他、失業率のボトムは1960年代に3.4%。

その後はITバブルの頃(2000年)の3.8%、2019年の3.5%が目立ったところ。

最大値は1982年11~12月の10.8%。

比較的近年では2009年10月に10.0%を記録。

平均値は5.74%。中央値は5.60%。

※出所:US Unemployment Rate

「FFレート」「失業率」「株価」の確認

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※出所:US Unemployment RateYahoo Finance
Effective Federal Funds Rateのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2019年10

最後に1995年以降の「失業率(%)」「実効FFレート(%)」「S&P500÷300」の推移の確認です。

経験則に過ぎませんが、直近2回のバブル崩壊は

●失業率の底打ち(ボトム圏から失業率が上昇し始める)

●FFレートの頭打ち(利上げの中止⇒利下げ)

●株価下落

の3点セットが不吉なサインでした。

2019年10月は

・「失業率(%)」:上昇

・「実効FFレート(%)」:低下(2.04⇒1.83%へ)

・「S&P500÷300」(株価):上昇

でした。

不吉な3点セットは確認されず。

FFレートは

2019.7月:2.40%

2019.10月:1.83%

と0.6%近く低下中。
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