2020年4月末のデータからJリートの割安割高を探ってみます。
TOPIXと東証リート指数の確認
はじめに簡単にTOPIXと東証リート指数の推移を確認。
<ここ1ヶ月>
※出所:SBI証券
ここ1ヶ月の東証リート指数とTOPIXの値動きを比率で比較したものです。
リートもTOPIXも8~9%上昇中。
<ここ5年>
※出所:SBI証券
2019年後半はリートが優位でしたが、2020年にリートは暴落、今はTOPIXがやや優位。
<ここ10年>
※出所:SBI証券
ここ10年では総じてリートが優位でしたが、最近の暴落でその差は小さくなっています。
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Jリートスプレッド
Jリートの割安割高の判断の目安の一つとしてわたしはJリートと日本の長期国債利回りの差(スプレッド)を確認しています。
本記事では
「Jリートの平均利回り-日本国債利回り(10年物)」
のことを「Jリートスプレッド」とします。
クレジットスプレッドと同じような発想で、「Jリートの利回り」と「長期国債の利回りの差」が
・大きいほどJリートは割安
・小さいほどJリートは割高
とみなす指標です。
※「Jリートスプレッド」は一般的な用語ではありません
※クレジットスプレッドについてはコチラ↓
過去の利回り「Jリート」と「日本10年国債」
少し古いデータですが、過去の推移の確認です。
下記グラフは2001.9月末~2017.7月末のJリートと長期国債の利回りの推移を示したものです。
※出所:JAPAN-REIT.COM、日本 10年 債券利回りのデータより管理者作成 ※国債の長期金利がマイナスの時期は「0%」で表示
Jリートの平均利回りは
・ITバブル崩壊後:約6%
・リーマンショック後:約8%
まで上昇しています。
欧州債務危機の2011~2012年頃も5%以上の利回りをつけており、リート収益は株式に比べて比較的安定している点から、リート利回りは
リスクオフ時、株安時期の一つの目安
になりやすい指標の一つと思われます。
経験則に過ぎませんが、リートが叩き売られている時期は、株式などのリスク資産も過小評価され、割安になっている可能性があります。
最新のJリートスプレッド
次にJリートスプレッド
●【Jリートの平均利回り-日本国債10年物の利回り】
の推移を確認してみます。
期間は2001年9月~2020年4月末です。
※出所:JAPAN-REIT.COM、日本 10年 債券利回りのデータより管理者作成
2001年9月以降の中央値は「3.5」。
個人的には「割安な時期」の経験的な目安を概ね「4.5%以上」としています。
2020年4月末の値は「4.9%」でした。
※マイナス金利は「0%」で計算
・Jリートの平均利回り:4.88%
・日本国債10年物の利回り:-0.03%
2020年3月末は「4.8」だったので、スプレッドはやや拡大。
4月末の「4.9」は中央値「3.5」を大きく上回り、水準としては
割安?
と推測。
長い目でみると、今はリート投資のチャンス、かも。
※いつが底かは不明です。ここからさらに大きく下落する可能性もあります。投資は自己責任で
利回り確認
以下、個人的に気にしているJリートの利回り。
※()内は約1ヶ月前の利回り
・日本アコモデーションファンド投資法人【3226】:3.13%(3.57%)
・フロンティア不動産投資法人【8964】:7.12%(7.41%)
・日本ロジスティクスファンド投資法人 【8967】:5.80%(6.55%)
・福岡リート投資法人 【8968】:6.30%(7.25%)
・ユナイテッド・アーバン投資法人【8968】:6.40%(6.78%)
5銘柄の利回り平均は「5.54%」。
前月は「6.11%」だったので全体的に利回り低下。
※データ元
★JAPAN-REIT.COM (2020.5.1時点)
あとがき
ホテル系リートの利回りとNAV倍率の状況。
ホテル系は利回り10%超えもあり、NAVは0.4~0.6倍程度。
物流系の利回りとNAV倍率の状況。
物流系の利回りは3%台が多く、NAVは1.0~1.3倍程度。
同じJリートですが、両者には大きな差があります。
「リート≠債券」
ですが、なんだか高格付け債券と低格付け債券の利回り状況と似ています。
市場全体では割安感がありそうですが、物流系のNAVは高めであまり当てはまらないかも。
※データ元
★JAPAN-REIT.COM (2020.5.1時点)
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