ユキマツの「長期投資のタイミング」

投資歴16年目。 「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

不況と中銀のせめぎ合い ~米国市場の概況~

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先週の米国市場を

「米国株式の割安割高を判断する目安」

になると思われる指標などで概観してみます。

ごく簡単な米国市場の概観

<先週のS&P500>

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※出所:米S&P 500インデックス(SPX - Investing.com

5.8は「2930」。前週末比「+3.5」。

5月月間では今のところ「+0.6」。

2020.2月の最高値「3394」から「-13.7%」の水準。

<先週の米国10年国債利回り>

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※出所:米国 10年 | 米国 10年 債券利回り

5.8は「0.69%」。前週の「0.62%」から上昇。

定点観測

以下の4つで定点観測してみます。

恐怖指数<米国市場。S&P500の変動性>

ジャンク債スプレッド<米国市場。クレジットスプレッドの一つ>

S&P500のPBR<米国の代表的な株価指数のPBR>

米国バフェット指標 <米国の時価総額÷米国の名目GDP>

恐怖指数

<1990年~>

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<先週>

f:id:yukimatu-tousi:20200509214907p:plain※出所:S&P 500 VIXインデックス

5.8は「27.98」。前週の「37.19」より大幅な低下。

長期的にはやや高水準ですが、だいぶ下がった印象。

水準としては長期平均(「19.3」)より高く、米国の市場心理は

やや不安?

と推測。

割安時期の目安の「30」以下。

※参考:2018年以降の高い値(場中含む。概算値)

・2018.2月:「50」

・2018.10月:「29」

・2018.12月:「36」

・2019.5月:「23」

・2019.8月:「25」

・2020.3月:「85

<恐怖指数について詳しくはコチラ↓>

www.yukimatu-value.com
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ジャンク債スプレッド

ジャンク債スプレッドとは

①ジャンク債スプレッド

米国のハイ・イールド債(格付け:BB)の利回り-米国債(10年物)の利回り

※本記事ではオプション調整後

②ジャンク債スプレッドが大きい⇒株式は割安傾向

③ジャンク債スプレッドが小さい⇒株式は割高傾向

④★平均値(幾何平均):3.3

 ★中央値:3.2

<期間:1997.1月~2020.4月の月末>

推移グラフと現在の状況判断

<1997年以降>

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※出所:ICE BofAML US High Yield BB Option-Adjusted Spread (BAMLH0A1HYBB) | FRED | St. Louis Fedより作成 ※期間:1997.1月末~2020.4.23
2020.5.7時点のジャンク債スプレッド(格付けBB、オプション調整後)は「5.37」で、前週の「5.39」よりやや低下。

スプレッドの長期平均は「3.3」で今は大幅に上回っており、投資家心理は不安?か。

<ここ1年>

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※出所:
ICE BofAML US High Yield BB Option-Adjusted Spread (BAMLH0A1HYBB) | FRED | St. Louis Fedより作成  

●FRB、無制限の量的緩和(2020.3.23頃)

●FRB、ジャンク債(BB格まで)を購入(2020.4.9頃)

を契機に今のところBB格のスプレッド拡大は押さえ込めている印象。

<ジャンク債スプレッドについて詳しくはコチラ↓>
www.yukimatu-value.com

S&P500のPBR

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※出所:S&P 500 Price to Book Value

1999年末~直近のS&P500のPBRの推移です。

5.8時点の推計値は「3.20」。前週の「3.10」より大幅上昇。

この期間の中央値「2.77」を15.5%ほど上回っており、現在株価は

やや割高

か。

※最近のS&P500の高PBR

①2018.1.26:3.60倍

②2018.9.21:3.51倍

③2020.1.17:3.76倍

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※出所:S&P 500 Price to Book Value

<S&P500のPBRについて詳しくはコチラ↓>

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米国バフェット指標

米国バフェット指標とは

①米国バフェット指標=米国の時価総額÷米国の名目GDP

②米国株式の割安割高を判断する目安

③米国の時価総額=NYSE+Nasdaqで計算

推移グラフと現在の状況判断

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※出所:グローバルノートWFEのデータより管理者作成 ※期間:1995年末~2019年末 

米国の時価総額は2020年1月末で約「36.7兆ドル」。

2020年1月末の米国バフェット指標は「1.64」。

今のS&P500は1月末より9%ほど低い水準。

長期の米国バフェット指標の中央値「1.33」より高い可能性が高く、株価水準は

やや割高?

か。

※2020年2~3月のWFEの米国時価総額データは誤りである可能性が高く、今は使用せず。2020年1月のデータからの適当な推測です。ご参考までに

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※データ出所:https://www.world-exchanges.org/世界経済のネタ帳のデータより作成

※2020年米国名目GDP:22.32兆ドル(IMF推計)

米国バフェット指標について詳しくはコチラ↓

www.yukimatu-value.com

現時点での米国市場の割高割安、4つの指標からの推測、まとめ

あくまで経験的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。

恐怖指数⇒割安時期ではなさそう

ジャンク債スプレッド⇒割安時期の可能性

S&P500のPBR⇒やや割高?

 ★米国バフェット指標 ⇒やや割高?

以上から米国株の水準は

ふつう~やや割高?(投資タイミングとして、ふつう~ややネガティブ?)

と推測。

また

★米国の金融政策:緩和的(ポジティブ要因?)

★米国の景気 :悪化傾向(ネガティブ要因?)

と推測。

株価水準、金融政策、景気動向から考え、現時点で米国株の投資タイミングに関して

株価水準としてはさほど魅力的ではなく、不確実性は高く、控えめなリスクテイクが無難か。

※個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で 

最近のバブル崩壊後の株価低迷期と現在のデータ比較

※表のデータ出所 ・世界のバフェット指標:GLOBAL NOTEhttps://www.world-exchanges.org/ ・OECD景気先行指数:OECD Data ・シラーPER:Shiller PE Ratio ・失業率:US Unemployment Rate ・実質経済成長率:BEA National Economic Accounts ・長短金利差:米国債・金利 - Bloomberg ・かい離率:米S&P 500インデックス(SPX - Investing.com

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先週はリスクオン。

・ジャンク債スプレッド:引き続き高値

・S&P500のPBR、シラーPER:割安感減退

・米国失業率:大きく上昇

・長短金利差:大きめに拡大

おわりに

<FRB総資産>

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※出所:Assets: Total Assets: Total Assets (Less Eliminations From Consolidation): Wednesday Level (WALCL) | FRED | St. Louis Fedより作成

<ECB総資産>

f:id:yukimatu-tousi:20200510173942p:plain※出所:Central Bank Assets for Euro Area (11-19 Countries) (ECBASSETSW) | FRED | St. Louis Fedより作成

2020年2月末~直近のFRB、ECB総資産の増加額

★FRB:2.56兆ドル(約273兆円)

★ECB:0.7兆ユーロ(約81兆円)

この期間日銀も約34兆円増加。

この3中銀だけでこの2ヶ月ほどの間で約388兆円の急増。

中銀が債券や株式を購入することで市場にマネー供給、市場を下支え。

ECBもFRBに続いてジャンク債(低格付け社債)を購入する?とのニュースも流れ出し、

FRB、ECBも今後株価低迷期が来れば、日銀のように株式ETF購入を開始する?

という想定もさほど不自然ではない状況か。

これは市場にとって大きなポジティブ要因。

一方、新型コロナ対策としてロックダウンや経済活動の制限が実施され、歴史的な不況の到来。

その影響もあって一部例外はあるものの(ナスダック総合など)、多くの株価指数は年初来ではマイナス圏。

緩和マネーの急増(+大規模な財政出動) vs 不況による企業利益の急減(懸念)、企業倒産懸念

のせめぎ合い。

結局相場の行方は今後のコロナ次第(第2波・3波が来るかどうか、消費行動や消費マインドに長期的な悪影響を及ぼすかどうかなど)?

コロナ次第?という点で、今回の事態は人間の制御能力(中銀や政府の対応力)を逸脱している可能性がないわけでもなく、普通の不況よりなおさら不確実性が高そう。

ポジティブにもネガティブにも振れ幅が大きそう。

とりあえず、S&P500のPBRやシラーPERはあと10%程度の株価上昇で「わりと割高?」な水準まで上昇してきている印象。

個人的にはポジションを抑え、やや下げ目線で対応。

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