三鬼商事さんが公表している「東京ビジネス地区、平均空室率(以下、空室率)」と東証リート指数について。
「東京ビジネス地区、平均空室率」と東証リート指数
※出所:三鬼商事株式会社、https://jp.investing.com/indices/topix-reit-market-historical-dataより作成
期間は2003年4月~2020年7月。
概ねの傾向であり、タイムラグはありますが
☆空室率が上昇する時期⇒東証リート指数は下落、低迷
☆空室率が低下する時期⇒東証リート指数は上昇、好調
が観察できます。
2020年7月の「東京ビジネス地区、平均空室率」と東証リート指数
※出所:三鬼商事株式会社、https://jp.investing.com/indices/topix-reit-market-historical-dataより作成
2020年7月の
☆空室率:2.77%(前月比+0.80%、前年同月比:+1.06%)
☆リート指数(月末値):1664(前月比−0.14%、前年同月比:-17.5%)
でした。
2012年6月(9.43%)以降8年足らず続いた空室率の低下トレンドは2020年2月の「1.49%」をボトムに5ヶ月間上昇傾向。
リート指数は直近高値2020年2月の「2256」から7月末で「-26.2%」の水準。
今のところ株価指数よりコロナの影響を大きく受けている感じ。
空室率の長期上昇トレンドは前回は「2007年12月⇒2012年6月」で4年半ほども続きました。
サブプライムバブルの崩壊、円高、欧州債務危機などが続き、日本株と同様、リート指数は長く冬の時代でした。
※出所:三鬼商事株式会社、https://jp.investing.com/indices/topix-reit-market-historical-dataより作成
今回は空室率の上昇トレンドが長期化するのか、意外に早く低下するのか、どうなりますか。
とりあえず2012年6月末には「0.84%」だった日本の長期金利は2016年2月以降、概ね0%付近かマイナス金利という状況が続いています。
金利低下というリート指数にとって力強い援軍は期待しにくい状況。
今後のポジティブ要因は
「コロナ収束」「日銀のリートETF買い増し?」「景気回復」
か。
あとがき
日本のリート銘柄のNAV倍率。
保有物件タイプごとに、時価増額の大きい順。
<事務所主体型>
8951:1.05
8952 :0.96
8976:0.78
<商業施設主体型>
8953:0.67
3292 :0.78
8964:0.74
<ホテル主体型>
8985:0.55
8963 :0.50
3287:0.84
<物流施設主体型>
3283:1.50
3281 :1.43
8967:1.13
<住居主体型>
3269:1.20
3226:1.33
3282:1.24
コロナ後に極端に二極化し
☆物流施設、住宅銘柄⇒買われた
☆事務所、商業施設、ホテル⇒売られた
という印象。
5月の時点で
3月にゴールドETF(1540)とリートを購入。
(中略)
ゴールドは継続保有。
直近高値より6割くらい暴落した商業系リートも一時持っていましたが、今後業績が怪しいのでほぼ売却済み。
ホテル系は何があるか分からないので手を出さず。
リートは海外のもの(東証ETF:主に2515)や日本の物流(8967、3281など)、住宅系のリート(3269など)を中心に保有。
※2020年5月の投資方針 より
としていましたが、長期投資のうち
◎:物流、住宅系の日本のリート、ゴールド(1540)
△:海外リート(2515)
という感じ。
海外リート(2515)に関しては5月以降、東証リート指数に負けており、ヘッジに利益を食われています。
日本のホテル系、商業系リートの低迷は続いており、今のところ手を出さなくてよかった展開。
個人的には物流、住宅系の日本のリートに割高感あり、株価上昇時にちまちまリバランスを繰り返す日々。
※リートのNAVデータ元
JAPAN-REIT.COM - 全ての投資家のための不動産投信情報ポータル REIT一覧(リートデータ)、2020.8.13時点
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