ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

コロナ前は3.5%以上 ~米国市場の概況~

f:id:yukimatu-tousi:20210221215443p:plain
先週の米国市場を

「米国株式の割安割高を判断する目安」

になると思われる指標などで概観してみます。

ごく簡単な米国市場の概観

<先週のS&P500>

f:id:yukimatu-tousi:20210221215157p:plain

※出所:米S&P 500インデックス(SPX - Investing.com

2.19は「3907」。前週比「-0.7」。

2月月間では「+5.2%」。

最高値は2021年2月の「3950」。

<先週の米国10年国債利回り>

f:id:yukimatu-tousi:20210221215232p:plain

※出所:米国 10年 | 米国 10年 債券利回り

2.19は「1.34%」。前週の「1.21%」から大きく上昇。

先週は

★株価⇒やや下落

★債券利回り⇒大きく上昇

★ドル指数⇒やや低下

という動きでした。

定点観測

以下の4つで定点観測してみます。

恐怖指数<米国市場。S&P500の変動性>

ジャンク債スプレッド<米国市場。クレジットスプレッドの一つ>

S&P500のPBR<米国の代表的な株価指数のPBR>

米国バフェット指標 <米国の時価総額÷米国の名目GDP>

恐怖指数

<1990年~>

f:id:yukimatu-tousi:20210221215323p:plain
<先週>

f:id:yukimatu-tousi:20210221215306p:plain
※出所:S&P 500 VIXインデックス

2.19は「22.05」。前週の「19.97」より上昇。

水準としては長期平均(「19.3」)よりやや高く、米国の市場心理は

ふつう~やや不安?

と推測。

割安時期の目安の「30」より低い水準。

※参考:2018年以降の高い値(場中含む。概算値)

・2018.2月:「50」

・2018.12月:「36」

・2020.3月:「85

・2020.10月:「41」

<恐怖指数について詳しくはコチラ↓>

www.yukimatu-value.com
スポンサーリンク


 
★ブログランキング参加中! にほんブログ村 株ブログ 米国株へ 

ジャンク債スプレッド

ジャンク債スプレッドとは

①ジャンク債スプレッド

米国のハイ・イールド債(格付け:BB)の利回り-米国債(10年物)の利回り

※本記事ではオプション調整後

②ジャンク債スプレッドが大きい⇒株式は割安傾向

③ジャンク債スプレッドが小さい⇒株式は割高傾向

④★平均値(幾何平均):3.4

 ★中央値:3.3

<期間:1997.1月~2020.12月の月末>

5%以上のスプレッドの時期に株価は概ね割安か?

推移グラフと現在の状況判断

<1997年以降>

f:id:yukimatu-tousi:20210222164125p:plain
※出所:
ICE BofAML US High Yield BB Option-Adjusted Spread (BAMLH0A1HYBB) | FRED | St. Louis Fedより作成 ※期間:1997.1月末~2021.2.18
2021.2.18時点のジャンク債スプレッド(%。格付けBB、オプション調整後)は「2.50

」で、前週の「2.53」より縮小。

スプレッドの長期中央値は「3.2」で今は中央値より約22%低い水準。

投資家心理は

やや楽観?

か。

<ジャンク債スプレッドについて詳しくはコチラ↓>
www.yukimatu-value.com

S&P500のPBR

f:id:yukimatu-tousi:20210222164242p:plain
※出所:S&P 500 Price to Book Valueより作成

1999年末~直近のS&P500のPBR推移。

2.19時点の推計値は「4.24」(前週は「4.28」)倍で前週より低下。

ITバブル以来の高水準。

長期の中央値「2.78」を53%ほど上回っており、株価水準は

割高

か。

※最近のS&P500の高PBR

①2018年1月:3.60倍(直近で世界景気が最もよかった時期)

②2018年9月:3.51倍(直近で米国の経済成長率が最も高かった時期)

③2020年1月:3.76倍(コロナ前、2019年9月以降の世界景気拡大期のピーク)

④2021年2月:4.28倍(コロナ後)

f:id:yukimatu-tousi:20210222164306p:plain

※出所:S&P 500 Price to Book Value

<S&P500のPBRについて詳しくはコチラ↓>

www.yukimatu-value.com

米国バフェット指標

米国バフェット指標とは

①米国バフェット指標=米国の時価総額÷米国の名目GDP

②米国株式の割安割高を判断する目安

③米国の時価総額=NYSE+Nasdaqで計算

推移グラフと現在の状況判断

f:id:yukimatu-tousi:20210208171549p:plain

※出所:グローバルノートWFEのデータより管理者作成 ※期間:1995年~2020年の年末値

米国の時価総額は2021年1月末で約「43.8兆ドル」。

米国バフェット指標は「2.00」。

米国バフェット指標の10年移動平均「1.50」より約33%高い水準。

今のS&P500は2021年1月末(3714)より5%ほど高い水準。

株価水準は

割高?

か。

f:id:yukimatu-tousi:20210222164914p:plain

※データ出所:https://www.world-exchanges.org/世界経済のネタ帳Gross Domestic Product (GDP) | FRED | St. Louis Fedのデータより作成

※2021年米国名目GDP推計値:21.92兆ドル

米国バフェット指標について詳しくはコチラ↓

www.yukimatu-value.com

現時点での米国市場の割高割安、4つの指標からの推測、まとめ

あくまで経験的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。

恐怖指数⇒割安ではない?

ジャンク債スプレッド⇒割安ではない?

S&P500のPBR⇒割高?

 ★米国バフェット指標 ⇒割高?

以上から米国株の水準は

割高?

と推測。

現時点での米国株の投資タイミングに関しては

ややネガティブ~ネガティブ

な印象。

※個人の直感、感想です。先のことは不明。投資は自己判断、自己責任で

最近のバブル崩壊後の株価低迷期と現在のデータ比較

※表のデータ出所 ・世界のバフェット指標:GLOBAL NOTEhttps://www.world-exchanges.org/ ・OECD景気先行指数:OECD Data ・シラーPER:Shiller PE Ratio ・失業率:US Unemployment Rate ・実質経済成長率:BEA National Economic Accounts ・長短金利差:米国債・金利 - Bloomberg ・かい離率:米S&P 500インデックス(SPX - Investing.com

f:id:yukimatu-tousi:20210222165540p:plain
引き続き割高っぽい状況。

・S&P500のPBR、シラーPER:高水準

・長短金利差:拡大傾向

おわりに

先週は

★株価(S&P500)⇒やや下落

★債券利回り(米国債10年物)⇒大きく上昇

という動き。

この流れが続くなら不穏な雰囲気になっていくと思われますが、一時的なものでまたご機嫌モードに戻るかどうか。

米国住宅市場に影響が大きそうな米国の30年物住宅固定金利は「2.81%」(2月18日時点)。

前週比+0.08%。

1月7日の直近ボトム「2.65%」と比べると+0.16%。

コロナ前の2020年1月頃は3.5%以上。

来週以降の動きも気になるところ。

f:id:yukimatu-tousi:20210222170238p:plain

※出所:30-Year Fixed Rate Mortgage Average in the United States (MORTGAGE30US) | FRED | St. Louis Fed

関連コンテンツ




【更新の励みになります。よければ応援クリックを!】

follow us in feedly