ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

堅調だった日本株が失速している ~日本市場の概況~

今週の日本の株価や金利をごく簡単に確認し、その後、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測する記事。

 

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TOPIX

※出所:マーケット|SBI証券

7.29は「1940」で前週比「-0.8」。

7月月間では「+3.7%」でした。

直近最高値2021年9月の「2120」から約「-8.5」%水準。

日本10年債利回り

※出所:日本 10年 | 日本 10年 債券利回り

7.29は約「0.18%」(前週末は「0.21%」)で前週より低下。

ドル/円(ここ半年)

※出所:USD JPY | アメリカドル 日本円 相場情報 - Investing.com

7.29は1ドル「133.2」円。前週は「136.1」円で今週も大幅に円高。

2週前は1ドル「138.5円」でここ2週で大幅な円高。

米ドル指数は前週「106.5」。

今週は「105.7」で今週もドル安円高。

今は1985年以降で3番目のドル高局面であることは変わらず。

<米ドル指数:1985年~>

※出所:米ドル指数先物 - Investing.com 日本

5つの指標

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>

日本バフェット指標

※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 

※期間:1985年1月末~2022年4月末

7.29の日本バフェット指標は「1.31」で前週(1.32)より低下。

直近の10年移動平均は「1.05」で、今は移動平均より約25%高い水準。

一つの目安に過ぎませんが、長期的観点からは日本株は

やや割高~割高

と推測。

7.29の日本の時価総額は約「727.3兆円」(全市場の合計値)。

昨年3月頃から続いていたレンジ(720~770兆円くらい)に復帰。

過去最高は2021年9月の805.3兆円。

※出所:日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 より作成

日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残

f:id:yukimatu-tousi:20220218175914p:plain※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2022年2月10

2022.7.22 28740億円(約2.9兆円)。

前週比-1524億円で大幅な減少。

水準としては長期平均の「2.4兆円」より多く、この指標から株価水準は

やや割高?

と推測。

<2020年1月以降の推移・月末の概算値と直近数値など>

※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成

信用買い残について詳しくはコチラ↓

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

日本株PBR 

f:id:yukimatu-tousi:20210109161538p:plain

※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年12月~2020年12

※日本株のPBRとして2022年4月からはプライム市場のPBRを使用。それ以前は東証一部のPBR

2022年6月の日本株のPBRは「1.1」倍(前月比-0.1)。

2021年以降1.2~1.3倍で推移していましたが、6月は低下。

直近ピークは2018年1月末の「1.5」。

長期平均は「1.1」で水準としては

ふつう?

と推測。

プライム市場のPBRについて詳しくはコチラ↓

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率(買い方)

f:id:yukimatu-tousi:20210116140958p:plain
※単位:% ※出所:トレーダーズ・ウェブのデータ ※グラフ期間:2001.6.1~2021.1.8

7.22は「-11.03」(前週は「-12.36」)で前週より改善。

上記期間の長期平均は約「-11」であり投資家心理は

ふつう

と推測。

信用評価損益率について詳しくはコチラ↓

信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス

★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ

2000年11月からの

・長期平均:24.9

・長期中央値:23.4

・最低値:11.82(2017.7月)

・最大値:91.45(2008年10月)

・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。

<ここ2年のチャート:日経平均を併記>

※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャートより作成

7.29は「18.93」。前週の「20.08」より低下。

日経平均VIの長期中央値は「23.3」であり、投資家心理は

ふつう~やや安心?

と推測。

※参考:最近のリスクオフ局面の最大値(概算値)。

2018.2月:38

2018.10月:31

2018.12月:33

2020.3月:61

恐怖指数について詳しくはコチラ↓

www.yukimatu-value.com

現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ

あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。

★日本バフェット指標⇒やや割高~割高?

★信用買い残⇒やや割高?

★東証一部PBR⇒ふつう?

★信用評価損益率⇒割安ではない?

★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安ではない?

上記から日本株式の水準は

「やや割高~割高?」

と推測。

日本株の投資タイミングに関して「ややネガティブ」か。

リスク資産への配分をごく控えめにしたポートフォリオで、ちょこちょこリバランスしながら投資継続が無難か。

※個人の直感、感想です。先のことは不明。投資は自己判断、自己責任で 

バブル期と「今」のデータ比較

※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI(中小企業)⇒主要時系列統計データ表

●日本バフェット指標、日本の時価総額:高水準

●信用買い残:やや割高水準

●東証REIT指数:長期金利低下の流れを受け、上昇

ドル建て日経平均

<ドル建て日経平均:ここ5年>

※出所:ドル建て日経平均 (日経平均 ドル換算)より作成 ※数値は概算値

7.29のドル建て日経平均は約「209」で前週(202)より大きく上昇。

コロナ前のピークは約「219」。

コロナ後のピークは約「289」(2021年2月)で今はピークから約「-28%」水準。

日欧米株価指数、直近ピークからの水準

☆TOPIX直近高値「2120」(2021年9月

 ⇒現在約-9%水準(前週は-8%)

☆欧州株、ユーロ・ストックス50直近高値「4415」(2021年11月

 ⇒現在約-16%水準(前週は-19%)

☆S&P500直近高値「4819」(2022年1月

 ⇒現在約-14%水準(前週は-18%)

※すべて現地通貨建て

今週は日本株がやや下落。

米国株、欧州株大きく上昇。

日本は円高、株安。

欧米は長期金利低下、株高。

為替、金利差の影響大。

今後は日本と欧米の水準が接近していきそうな雰囲気。

TOPIXと200日移動平均

※出所:マーケット|SBI証券

ここ1年のTOPIXと200日移動平均。

200移動平均線は下向き。

今は移動平均から約「+0.4%」(前週+1.1%)水準で、移動平均の上。

移動平均の上にいるのは

☆2022.3月:6営業日(ピークは+1.5%)

☆2022.6月:2営業日(ピークは+0.9%)

☆2022.7月:8営業日(ピークは+1.1%)

8月も200日移動平均の上に居続けられるかどうか。

おわりに

2週間前、7.15の日欧米株価指数、直近ピークからの水準。

☆TOPIX:約-11%水準

☆欧州株、ユーロ・ストックス50:約-21%水準

☆S&P500:約-20%水準

でした。

7.29では

☆TOPIX:約-9%水準

☆欧州株、ユーロ・ストックス50:約-16%水準

☆S&P500:約-14%水準

となり、日本株より欧米株が大きく値を戻していることが確認できます。

これは主に

欧米の景気後退懸念から欧米の長期金利が低下したことを受けて、日本と欧米の金利差が縮小し、ここ2週で大きく円高に振れ(欧米株は金利低下を好感)、日本株に(相対的に)逆風が吹いているため

と思われます。

一時は1ドル145円、150円とし進行しそうな勢いだった円安ですが、ざっと140円くらいでいったん止まりそう。

日銀の政策転換が円安の流れを止める

とわたしは予測していましたが、日銀どうこうよりも、欧米の景気後退懸念による

「日本と欧米の長期金利差縮小」が円安の流れを止めた

といった感じ。

今は欧米株がハッスルしていますが、どこかでハッスルタイムが終わって、その後またどこかで世界的なリスクオフの局面が来るとき、円安で今年わりとまったりできていた日本株もそれなりのダメージを受けそうな土壌が整えられつつある、という感じ。

今年の後半戦、1ヶ月経ちましたが、非常にドラマチックで面白い展開。

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