先週はじわじわ下げた日本市場でした。
今週は急反発した一週間でした。
日本市場を株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測してみます。
各指標の現在
直近の日本市場を株式の「割安割高の目安」になりそうな
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
★信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>
★貸し出し態度判断DI <金融機関の貸し出し態度が「緩い」から「厳しい」比率を引いた値>
の5つの指標の最新データで観察していきます。
日本バフェット指標
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 ※期間:1985年1月末~2017年8月末
9.15の日本バフェット指標は「1.15」でした。
時価総額は約「628兆円」。
直近の最高額、8月7日の「627兆円」を上回り、先週の下落から急反発しました。
来週FOMCが開かれますが、どうなるでしょうか。
1985年からの日本バフェット指標の長期平均は「0.75」です。
割高圏の目安「1.0」以上なので、日本株は割高圏と推測。
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳
日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
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信用買い残
※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2017年7月28日
2017.9.8 26858億円(約2.7兆円)です。
前週比230億円ほどの減少です。
先週株価が下げていたわりには減少幅が少ないです。
7月以降2.6~2.7兆円がレンジです。
上記期間の長期平均は約2.3兆円であり、長期平均から少し上方に偏った値です。
この指標では「ふつう~やや割高傾向?」と推測。
信用買い残について詳しくはコチラ↓
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
東証一部PBR
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年1月末~2017年8月末
2017.8月末「1.3」です。
割安の目安「1.0」以上なので、割安ではなさそうと判断。
東証一部PBRについて詳しくはコチラ↓
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
信用評価損益率
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成 ※グラフ期間:2001.6.1~2017.5.12
2017.9.8は「-11.0」でした。
今週の動きから、来週のデータは久々に「-10」以下になるかもしれません。
と先週書いていましたが、ひさびさに2017.4月後半から続いている「-5~ー10」のレンジ内からはみ出しました。
ただ、今週は株価は戻しているので、またレンジに収まりそうです。
上記期間の長期平均は約「-12」なので、「-11.00」はほぼ平均値に近い値、大騒ぎする状況ではありません。
割安の目安「-25」以上なので、割安ではなさそうと判断。
信用評価損益率について詳しくはコチラ↓
★信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>
貸し出し態度判断DI (中小企業)
※以下サイトデータより管理者作成 日銀 ※期間:1983.6月~2017.6月
2017.6月 「+21」です。
※3カ月ごとの更新データです
割高の目安「+10」以上なので、割高圏と推測。
日本の金融機関の貸し出し態度は中小企業に関しては、1980年代並みに
「とても緩くて甘い」状態
が続いているようです。
金融機関の貸し出し態度が甘い時期は、総じて世の中の金回りが過剰によくなりやすく、金融資産の評価額も実力以上に上がりがちで、経験的には要注意の時期です。
貸し出し態度判断DIについて詳しくはコチラ↓
★貸し出し態度判断DI <金融機関の貸し出し態度が「緩い」から「厳しい」比率を引いた値>
現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ
あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。
★日本バフェット指標⇒割高圏?
★信用買い残⇒ふつう~やや割高?
★東証一部PBR⇒割安ではなさそう
★信用評価損益率⇒割安ではなさそう
★貸し出し態度判断DI⇒割高圏?
総合的に判断すると、わたしは日本株式は「やや割高~割高圏」と推測します。
したがって、現時点での日本株の長期投資のタイミングとしては
◎資産配分において、株式の配分比率を減らす
◎資産配分において、現金の配分比率を増やす
◎長期投資を一時やめる
のに適す時期だと考えています。単なる経験則ですが。
※長期投資に関する一つの判断です。短期、中期的な投資には役立たない可能性が高いです
※バリュー投資の発想から「割高な時期に株を売り、割安な時期に株を買う」という判断に基づいています
※単なる個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で
※指標ごとに、データ確認時期にタイムラグがありますので、必ずしもリアルタイムの判断ではありません
サブプライムバブル期との比較
※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒東証REIT指数 日足 時系列データ
先週より株価は総じて2%以上の大きな上昇幅になっていますが、リート指数は「1670⇒1671」でほぼ変わらず。
相変わらずさえない動きです。
あとがき
「来週はいつものように回復する?」
と書いていましたが、先週へこんだ株価は「いつものように回復」しました。
回復どころか時価総額は2017年8月7日の高値を超えました。
北朝鮮のミサイルでも市場の動揺は比較的小さい印象。
世界の景気動向、米国経済成長率もトレンドは堅調。
全世界の株式時価総額も史上最高額を更新し続けている様子(8月末。まだデータをはっきり確認できていませんが)。
ここのところ、ポジティブなデータが目につきます。