先々週に続き大きな株価上昇がみられた先週の日本市場を、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測してみます。
各指標の現在
直近の日本市場を株式の「割安割高の目安」になりそうな
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
★信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>
★貸し出し態度判断DI <金融機関の貸し出し態度が「緩い」から「厳しい」比率を引いた値>
の5つの指標の最新データで観察していきます。
日本バフェット指標
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 ※期間:1985年1月末~2017年8月末
9.29の日本バフェット指標は「1.18」でした。
この指標のピークとしては約28年前、1989.12月の「1.45」に次ぐ高い値になっています。
9.29の時価総額は約「643兆円」(全市場の合計値)。
過去最高です。
選挙まで今週も強気でいくでしょうか。
1985年からの日本バフェット指標の長期平均は「0.75」です。
割高圏の目安「1.0」以上なので、日本株は割高圏と推測。
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳
日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
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信用買い残
※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2017年7月28日
2017.9.22 25829億円(約2.6兆円)です。
前週比100億円ほどの減少です。
株価指数が上がるわりには、どうも信用買い残は盛り上がらないです。
日銀の年間6兆円のETF買いで指数や時価総額は盛り上がってますが、
・投資家マインドはあまり盛り上がってない?
・過熱感には遠い?
という推測をしたくなる数字です。
7月以降2.6~2.7兆円がレンジです。
上記期間の長期平均は約2.3兆円であり、長期平均から少し上方に偏った値です。
この指標では「ふつう~やや割高傾向?」と推測。
信用買い残について詳しくはコチラ↓
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
東証一部PBR
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年1月末~2017年8月末
まだ9月のデータは確認できません。
2017.8月末「1.3」です。
割安の目安「1.0」以上なので、割安ではなさそうと判断。
東証一部PBRについて詳しくはコチラ↓
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
信用評価損益率
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成 ※グラフ期間:2001.6.1~2017.5.12
2017.9.22は「-10.00」でした。
2017.4月後半からほぼ「-5~ー10」のレンジ内に収まっています。
上記期間の長期平均は約「-12」なので、「-10.00」は若干の安心モードでしょうか。
割安の目安「-25」以上なので、割安ではなさそうと判断。
信用評価損益率について詳しくはコチラ↓
★信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>
貸し出し態度判断DI (中小企業)
※以下サイトデータより管理者作成 日銀 ※期間:1983.6月~2017.6月
そろそろ9月のデータがでると思われますが、まだ発表されていません。
2017.6月 「+21」です。
※3カ月ごとの更新データです
割高の目安「+10」以上なので、割高圏と推測。
日本の金融機関の貸し出し態度は中小企業に関しては、1980年代並みに
「とても緩くて甘い」状態
が続いているようです。
貸し出し態度判断DIについて詳しくはコチラ↓
★貸し出し態度判断DI <金融機関の貸し出し態度が「緩い」から「厳しい」比率を引いた値>
現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ
あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。
★日本バフェット指標⇒割高圏?
★信用買い残⇒ふつう~やや割高?
★東証一部PBR⇒割安ではなさそう
★信用評価損益率⇒割安ではなさそう
★貸し出し態度判断DI⇒割高圏?
総合的に判断すると、わたしは日本株式は「やや割高~割高圏」と推測します。
したがって、現時点での日本株の長期投資のタイミングとしては
◎資産配分において、株式の配分比率を減らす
◎資産配分において、現金の配分比率を増やす
◎長期投資を一時やめる
のに適す時期だと考えています。単なる経験則ですが。
※長期投資に関する一つの判断です。短期、中期的な投資には役立たない可能性が高いです
※バリュー投資の発想から「割高な時期に株を売り、割安な時期に株を買う」という判断に基づいています
※単なる個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で
※指標ごとに、データ確認時期にタイムラグがありますので、必ずしもリアルタイムの判断ではありません
バブル期、株価低迷期と「今」のデータ比較
<バブル期との比較>
※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒東証REIT指数 日足 時系列データ
<株価低迷期との比較>
※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒東証REIT指数 日足 時系列データ
あとがき
今週から株価低迷期と「今」の比較も載せてみました。
2003.3月~2017.10月という14年7ヶ月だけをみても、
①2003年の大底からの上げ
②2007年の天井からの下げ
③2009年の大底からの上げ(現在進行中。2012.5月頃にも大きな底があります)
と大きく変動しています。
長期データ、同じ指標から市場を俯瞰する利点は
市場は年単位で盛り上がるときもあれば落ち込むこともある
ことが否応なく理解できること。
上がることもあれば下がることもある、そんなこと、当たり前なんですが・・・