時価総額の増大が留まることを知らない今週の日本市場を、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測してみます。
5つの指標
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
★信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>
★日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>
日本バフェット指標
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 ※期間:1985年1月末~2017年9月末
10.27の日本バフェット指標は「1.25」でした。
10.20より大きく上昇しています。
この指標のピークとしては約28年前、1989.12月の「1.45」に次ぐ高い値になっています。
かなり高くなってきました。
10.27の時価総額は約「678.7兆円」(全市場の合計値)。
過去最高を更新しています。700兆円に届きそうな勢い。
1985年からの日本バフェット指標の長期平均は「0.75」です。
割高圏の目安「1.0」以上なので、日本株は割高圏と推測。
今年に入ってからは5月以降、時価総額の増加度合が加速しています。
※「2017年の日本の名目GDPの推計値」はIMFのものを利用していますが、10月に修正されたので(それまでは546兆円。10月の修正値は544兆円)、バフェット指標はやや上方修正しています。
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳
日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
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信用買い残
※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2017年9月29日
2017.10.20 25728億円(約2.6兆円)です。
前週比84億円の減少です。
これだけ指数が上がっているのに、信用買い残は上がりません。
7月以降2.6~2.7兆円のレンジ。
上記期間の長期平均は約2.3兆円であり、10.20は長期平均から少し上方に偏った値です。
この指標では「ふつう~やや割高傾向?」と推測。
信用買い残について詳しくはコチラ↓
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
東証一部PBR
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年1月末~2017年8月末
2017.9月末の東証一部PBRは「1.3」でした。
10月末は「1.4」になりそうな雰囲気。
割安の目安「1.0」以上なので、割安ではなさそうと判断。
東証一部PBRについて詳しくはコチラ↓
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
信用評価損益率
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成 ※グラフ期間:2001.6.1~2017.9.29
2017.10.20は「-9.91」でした。10.13の「-8.69」からややマイナス幅が増加。
2017.4月後半からほぼ「-5~ー10」のレンジ内に収まっています。
ふつう指数がこれだけ上がれば、信用評価損益率も「-5~0%」のレンジに入ることが多いのですが、信用買い残と同様、妙な動きを続けています。
上記期間の長期平均は約「-11」なので、「-9.91」は若干の安心モード。
割安の目安「-25」以上なので、割安ではなさそうと判断。
信用評価損益率について詳しくはコチラ↓
★信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>
日経平均ボラティリティー・インデックス
※出所:JNIV - Investing.com ※期間:1998.1月~
※出所:JNIV - Investing.com ※期間:ここ半年
日経平均版の恐怖指数、日経平均ボラティリティー・インデックスの長期チャートとここ半年のチャートです。
1998年からの
・長期平均:25.4
・最低値:11.82(2017.7月)
・最大値:91.45(2008年10月)
個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。
10.27は「15.01」。
長期平均よりかなり低い値であり、市場心理は比較的安心、楽観に偏っていると推測されます。
恐怖指数について詳しくはコチラ↓
現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ
あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。
★日本バフェット指標⇒割高圏?
★信用買い残⇒ふつう~やや割高?
★東証一部PBR⇒割安ではなさそう
★信用評価損益率⇒割安ではなさそう
★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安ではなさそう
総合的に判断すると、わたしは日本株式は「やや割高~割高圏?」と推測します。
※信用買い残が伸びてくれば「割高?」
したがって、現時点での日本株の長期投資のタイミングとしては
◎資産配分において、株式の配分比率を減らす
◎資産配分において、現金の配分比率を増やす
◎長期投資を一時やめる
のに適す時期だと考えています。単なる経験則ですが。
※長期投資に関する一つの判断です。短期、中期的な投資には役立たない可能性が高いです
※バリュー投資の発想から「割高な時期に株を売り、割安な時期に株を買う」という判断に基づいています
※単なる個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で
※指標ごとに、データ確認時期にタイムラグがありますので、必ずしもリアルタイムの判断ではありません
バブル期、株価低迷期と「今」のデータ比較
<バブル期との比較>
※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒東証REIT指数 日足 時系列データ
TOPIXが2007年6月末を抜き去りそう。
<株価低迷期との比較>
※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒東証REIT指数 日足 時系列データ
あとがき
貸し出し態度判断DIは3ヶ月に1回の更新なので、代わりに日経平均ボラティリティー・インデックス (JNIV)を追跡していくことにします。
最近では
2015.8月:48.99 <中国がらみの株安>
2016.2月:50.24 <中国がらみの株安>
2016.6月:43.62 <ブレグジット>
2016.11月:30.58 <米国大統領選、トランプ氏勝利>