ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

時価総額は700兆円、信用買い残は3兆円に迫る ~日本市場の概況 2017.12.9~

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今週の日本市場を、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測してみます。

今週の日経平均

f:id:yukimatu-tousi:20171208155401p:plain※出所:日経平均インデックス(N225 - Investing.com

日経平均は先週末よりわずかに下落。

週の途中、大幅に下落しましたが、週末にかけて大きく戻しています。
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5つの指標

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>

日本バフェット指標

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※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 ※期間:1985年1月末~2017年11月末

12.8の日本バフェット指標は「1.27」でした。

11月末の「1.27」と同水準。

この指標のピークとしては約28年前、1989.12月の「1.45」に次ぐ高い水準になっています。

 

12.8の時価総額は約「693.2兆円」(全市場の合計値)。

11.8の「695.6兆円」が今までの最高値で、700兆円に肉薄しています。

 

1985年からの日本バフェット指標の長期平均は「0.75」です。

割高圏の目安「1.0」以上なので、日本株は割高圏と推測。

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※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳

日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残

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 ※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2017年9月29

2017.12.1 29886億円(約3.0兆円)です。

前週比約813億円の増加です。

6週連続で増加、増加幅は6週トータルで約4160億円。

短期間で大きな変動です。3兆円は目前です。

10月中旬以降、信用買い残市場には明らかに動きが出ています。

 

日経平均16連騰(2017.9.29~2017.10.24)の頃を境に、投資家マインドが一気に楽観、リスクテイクに振れたのでしょうか。

昨年来の「トランプ相場期における株価指数の上昇」の割には信用買い残に動きがみられなかった状態がウソのような、急激な増加をみせています。

 

上記期間の長期平均は約2.3兆円であり、3兆円は長期平均から上方に偏った値です。

アバウトな判断ですが2.3兆円から離れてきたので、この指標からは

やや割高傾向?

と推測。

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 ※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成

信用買い残について詳しくはコチラ↓

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

東証一部PBR 

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※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年1月末~2017年10月末

2017.11月末の東証一部PBRは「1.4」でした。

2007年8月以降、10年以上ずっと「0.7~1.3」のレンジでしたが、10月末に上抜けし、11月も「1.4」となりました。

 

割安の目安「1.0」以上なので、割安ではなさそうと判断。

東証一部PBRについて詳しくはコチラ↓

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率

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※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成 ※グラフ期間:2001.6.1~2017.9.29

2017.12.1は「-7.76」でした。11.24の「-8.41」からややマイナス幅が減少。

2017.4月後半からほぼ「-5~ー10」のレンジ内に収まっています。

 

上記期間の長期平均は約「-11」なので、「-7.76」はやや安心モード。

 

割安の目安「-25」以上なので、割安ではなさそうと判断。

信用評価損益率について詳しくはコチラ↓

信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス

<長期チャート>

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※出所:日経平均ボラティリティーインデックス(JNIV - Investing.com

<ここ3ヵ月のチャート>

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※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャート

日経平均版の恐怖指数、日経平均ボラティリティー・インデックスの長期チャートとここ3ヵ月のチャートです。

1998年からの

・長期平均:25.3

・最低値:11.82(2017.7月)

・最大値:91.45(2008年10月)

 個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。

 

12.8は「15.54」。

11.9以降「20」近辺にいましたが、少しずつ下がってきています。

またずるずると下がっていくでしょうか。

 

長期平均以下の水準で、市場心理は比較的安心、楽観に偏っていると推測されます。

 

恐怖指数について詳しくはコチラ↓

www.yukimatu-value.com

 

現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ

あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。

★日本バフェット指標⇒割高圏?

★信用買い残⇒やや割高?

★東証一部PBR⇒割安ではなさそう

★信用評価損益率⇒割安ではなさそう

★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安ではなさそう

総合的に判断すると、わたしは日本株式は「やや割高~割高圏?」と推測します。

※信用買い残がもう少し伸びてくれば「割高圏?」

したがって、現時点での日本株の長期投資のタイミングとしては

◎資産配分において、株式の配分比率を減らす

◎資産配分において、現金の配分比率を増やす

◎長期投資を一時やめる

のに適す時期だと考えています。単なる経験則ですが。

※長期投資に関する一つの判断です。短期、中期的な投資には役立たない可能性が高いです

※基本的にできるだけ「割高な時期に株を売り、割安な時期に株を買う」という判断に基づいています

※単なる個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で 

※指標ごとに、データ確認時期にタイムラグがありますので、必ずしもリアルタイムの判断ではありません

バブル期と「今」のデータ比較

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※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒東証REIT指数 日足 時系列データ

一時期好調だった東証リート指数は少し下落。

あとがき 

クリスマス頃から正月は株価は上がりやすい、いわゆるクリスマスラリーは今年も訪れるでしょうか。

遊びで日経平均の

・<12/25の前営業日終値~年末値>を10年分(2007~2016年)

・①より②が大きいか小さいかを

調べました。

結果は

●①<②(株価が上がった)例が7件

 各年の上昇率の合計「+13.5%」(概算)

 最大上昇年:+4.6%(2012年)

●①>②(株価が下がった)例が3件

 各年の下落率の合計「ー4.4%」(概算)

 最大下落年:-2.3%(2014年)

でした。

ただのアノマリーですが、ここ10年では年末はラリーらしきものがあり、大けがすることもなかったようす。

年末くらいは穏やかに終わりたい、今年もそんな締めになるでしょうか。

関連記事。日経平均16連騰に関する記事です
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