市場のモードが一変した日本市場をごく簡単に確認し、その後、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測してみます。
今週の日経平均
※出所:日経平均インデックス(N225 - Investing.com
日経平均は大幅下落。
週間で8.1%ほどの下落。
今週の日本10年債利回り
金利は少し低下傾向。
今週のドル/円
※出所:USD JPY 証券株式相場 | ドル 円 相場 - Investing.com
今週は円高傾向。
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5つの指標
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
★信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>
★日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>
日本バフェット指標
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 ※期間:1985年1月末~2018年1月末
2.9の日本バフェット指標は「1.21」でした。
2018年1月末は「1.29」だったので、1月末より大幅に下落。
この指標のピークとしては約28年前、1989.12月の「1.45」に次ぐ高い水準になっています(2015年の「1.17」が近づいてはきています)。
2.9の時価総額は約「669.5兆円」(全市場の合計値)。
昨年10月頃に時が戻ったような印象。
確認できている範囲では、1.23の736.8兆円が現時点での最大値。
1.23の値から9.1%程減少しています。
1985年からの日本バフェット指標の長期平均は「0.75」です。
割高圏の目安「1.0」以上なので、長期的観点からは
日本株は割高圏?
と推測。
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳
日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
信用買い残
※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2018年1月26日
2018.2.2 34304億円(約3.4兆円)です。
前週比約1383億円の増加です。
8週連続で増加した後、2週連続で減少し、4週連続で増加しました。
1000億円以上の大幅な増加、2/2時点ではまだ市場がリスクオンモードだったことを裏付ける数値。
2.9の数値は大幅に減少していると推測されます。
上記期間の長期平均は約2.4兆円であり、3.4兆円は長期平均から上方に偏った値です。
アバウトな判断ですが2.4兆円から離れてきたので、この指標からは
やや割高?
と推測。
<2017.10.27以降の推移>
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成
信用買い残について詳しくはコチラ↓
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
東証一部PBR
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年1月末~2018年1月末
2018年1月末の東証一部PBRは「1.5」でした。
2007年8月以降、10年以上ずっと「0.7~1.3」のレンジでしたが、2017年10月末に上抜けし、11月、12月も「1.4」となり、2018年1月に「1.5」へ。
割安の目安「1.0」以上なので、割安ではなさそうと判断。
東証一部PBRについて詳しくはコチラ↓
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
信用評価損益率
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成 ※グラフ期間:2001.6.1~2018.1.12
2018.2.2は「-4.77」でした。2018.1.26の「-4.22」からマイナス幅が少し拡大。
「-5~ー10」のレンジから少しずれています。
今週の相場からすると2.9は大幅なマイナスになりそうです。
上記期間の長期平均は約「-11」なので、「-4.77」は安心モード?
割安の目安「-25」以上なので、割安ではなさそうと判断。
信用評価損益率について詳しくはコチラ↓
★信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>
日経平均ボラティリティー・インデックス
★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ
1998年からの
・長期平均:25.3
・最低値:11.82(2017.7月)
・最大値:91.45(2008年10月)
・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。
<長期チャート>
※出所:日経平均ボラティリティーインデックス(JNIV - Investing.com
※期間:1998年~2017年2月8日
<ここ3ヵ月のチャート>
※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャートより管理者作成
2.9は「36.05」。2.2は「17.51」。
今週、暴騰しました。
長期平均「25.3」を大きく上回り、一気に市場心理は不安モードに。
最近ではブレグジット(2016年6月)以来の「35超え」。
目安の「30」以上であり「割安圏」を示唆?
恐怖指数について詳しくはコチラ↓
現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ
あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。
★日本バフェット指標⇒割高圏?
★信用買い残⇒やや割高?
★東証一部PBR⇒割安ではなさそう
★信用評価損益率⇒割安ではなさそう
★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安圏?
総合的に判断すると、わたしは日本株式は「割高圏?」と推測します。
日経平均VIは割安圏の目安「30」以上ですが、長期的視点から今はその他の指標を重視。
現時点での日本株の長期投資のタイミングとしては
①リスク資産の資産配分が大きくなりすぎていれば、所定の配分に戻す
②資産配分において、株式の配分比率を減らす
③資産配分において、現金の配分比率を増やす
④長期投資を一時やめる(投資をやめる機会を探している場合)
のに適す時期だと考えています。単なる経験則ですが。
※長期投資に関する一つの判断です。短期、中期的な投資には役立たない可能性が高いです
※基本的にできるだけ「割高な時期に株を売り、割安な時期に株を買う」という判断に基づいています
※単なる個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で
※指標ごとに、データ確認時期にタイムラグがありますので、必ずしもリアルタイムの判断ではありません
サブプライムバブル期と「今」のデータ比較
※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI⇒主要時系列統計データ表
今週の急落で、TOPIXは2007.6月末を下回りました。
日経平均VIの暴騰が目立ちます。
あとがき
2.2の米国市場から始まった市場の急変により、ハチの巣をつついたような騒ぎになっています。
試算が正しいのか、分かりませんが上記のような記事も出回ります。
とりあえずモードは一変しました。
短期的な調整ですむのか、今後も下落が続くのか、わかりませんが、変動の大きい市場で、感情的に売買を繰り返すことは避けた方がよさそうです。
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