今週の日本の株価や金利をごく簡単に確認し、その後、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測する記事。
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日経平均
※出所:マーケット|SBI証券
10.30は「22977」で前週比「-2.3%」。
9月末は「23185」で10月月間では「-0.9%」。
日経平均の直近の高値は2018年10月の「24448」で今は高値から「−6.0%」の水準。
日本10年債利回り
※出所:日本 10年 | 日本 10年 債券利回りより作成
10.30は約「0.04%」(前週末は「0.04%」)で前週と変わらず。
ドル/円
※出所:USD JPY | アメリカドル 日本円 相場情報 - Investing.com
10.30は1ドル「104.7」円。前週も「104.7」円で今週は変わらず。
2019年は「1ドル=104.97~112.41円」のレンジ。
今年も概ねレンジ内ですが、今はわずかにレンジ外。
米ドル指数は前週「92.7」。
今週は「94.0」でドル高。
10.22以降、リスクオフのドル高か。
<米ドル指数:ここ1週間>
※出所:米ドル指数先物 - Investing.com 日本
5つの指標
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
★信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>
★日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>
日本バフェット指標
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 ※期間:1985年1月末~2020年8月末
10.30の日本バフェット指標は「1.10」で前週の「1.13」より低下。
直近の10年移動平均は「0.90」であり、今は平均より約22%高い水準。
一つの目安に過ぎませんが、長期的観点からは
日本株はやや割高?
と推測。
直近の月末値ピークは2018年1月の「1.29」(このときは10年移動平均から「66.6%」上方かい離)。
10.30の日本の時価総額は約「623.5兆円」(全市場の合計値)。
確認できている範囲では、2018.1.23の736.8兆円が現時点での最大値。
現在は最大値を15.4%下回っています。
日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
信用買い残
※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2020年3月27日
2020.10.23 25587億円(約2.6兆円)。
前週比+22億円。
直近ピークは2018.3.23の約3.7兆円。
水準としては長期平均の「2.4兆円」よりやや多く
ふつう~やや割高?
と推測。
2020年1月末は約2.5兆円。
2020年2~3月に約1.8兆円まで大幅減少。
その後10月に約2.6兆円まで回復。
1月と同様、2.5~2.6兆円をピークにまた減っていくのかどうか。
3兆円クラスの本格的なリスクオン相場はいつになるやら。
<2018.10.26以降の推移・月末の概算値と直近数値など>
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成
信用買い残について詳しくはコチラ↓
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
東証一部PBR
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年12月末~2020年9月末
2020年9月末の東証一部PBRは「1.2」倍(前月比+0.1)。
2~4月は「1.0」倍、5~8月は「1.1」倍で9月に上昇。
直近ピークは2018年1月末の「1.5」。
長期平均は「1.1」で水準としては
ふつう~やや割高?
と推測。
東証一部PBRについて詳しくはコチラ↓
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
信用評価損益率
※単位:% ※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成 ※グラフ期間:2001.6.1~2020.6.5
10.23は「-12.62」。
前週の「-12.42」からマイナス幅がやや拡大。
上記期間の長期平均は約「-11」であり投資家心理は
ふつう~やや不安?
と推測。
信用評価損益率について詳しくはコチラ↓
★信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>
日経平均ボラティリティー・インデックス
★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ
2000年11月からの
・長期平均:24.9
・長期中央値:23.4
・最低値:11.82(2017.7月)
・最大値:91.45(2008年10月)
・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。
<ここ2年のチャート:日経平均を併記>
※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャートより作成
10.30は「30.45」。前週の「22.86」より急上昇。
日経平均VIの長期中央値は「23.4」であり、投資家心理は
不安?
と推測。
※参考:最近のリスクオフ局面の最大値(概算値)。
2018.2月:38
2018.10月:31
2018.12月:33
2020.3月:61
恐怖指数について詳しくはコチラ↓
現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ
あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。
★日本バフェット指標⇒やや割高?
★信用買い残⇒ふつう~やや割高?
★東証一部PBR⇒ふつう~やや割高?
★信用評価損益率⇒割安ではない?
★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安の可能性
上記から日本株式の水準は
「やや割高?」
と推測。
また
★日銀の金融政策:緩和的(ポジティブ要因?)
★日本の景気 :よくない?(ネガティブ要因?)
と推測。
株価水準、金融政策、景気動向から考え、現時点で日本株の投資タイミングに関して「ふつう~ややネガティブ」。
リスク資産への配分を控えめにしたポートフォリオで、ちょこちょこリバランスしながら投資継続が無難か。
※個人の直感、感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で
バブル期と「今」のデータ比較
※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI(中小企業)⇒主要時系列統計データ表
それなりのリスクオフ。
●日経VI:30超え
●TOPIX:2018年1月高値「1911」の「-17.4%」の水準。日経平均に比べそこそこ低い
日銀ETF買い
2018年は年間で約6.5兆円、2019年は約4.4兆円の買い出動。
下記サイトによれば今週は3回の出動、2103億円の購入。
今年トータルでは約6.7兆円購入し、2018年を上回ってきました。
※参照サイト:日銀ETF買い入れ結果、https://nikkeiyosoku.com/boj_etf/
※設備ETFの購入は換算せず
ドル建て日経平均
<ドル建て日経平均:ここ5年>
※出所:ドル建て日経平均 (日経平均 ドル換算)より作成 ※数値は概算値
2020.10.30のドル建て日経平均は「220.51」で前週より上昇。
コロナ前の直近ピークは約「219」。
コロナ後の上げ相場のピークは約「225」(2020.10.23)。
引き続きこの観点では高そうな水準。
あとがき
「やはり」か「結局」かは分かりませんが、大統領選前後に大きめの変動が待っているのでしょうか。
先週の記事で書いておりましたが、今週は相場が急変。
鬼門の「2020年大統領選前後」となりそうな雰囲気。
数ヶ月まったりだった日本株もそれなりのリスクオフ。
コロナ再拡大の影響が明確な欧州市場は日本どころではない、かなり急激なリスクオフ。
欧州の代表的な株価指数「ユーロ・ストックス50」の長期チャート。
※出所:ユーロ・ストックス50 インデックス(STOXX50E) - Investing.comより作成
株価も経済もコロナも、欧州は日米に比べると相当に厳しい状況にあり、株価水準は2016年のチャイナショック時と同じくらいで、すでに今年3月の安値に接近中。
日米は程遠いですが、欧州株に関してはわりと2番底に近い状態か。
ちなみにユーロストックス50が今より格段に低いのは近年では欧州債務危機、世界金融危機の時期。
※出所:ユーロ・ストックス50 インデックス(STOXX50E) - Investing.comより作成
今後も欧州でロックダウンする国が増え、もしも株価が低下を続けるなら、一応は欧州発の信用不安には注意してもいいのかも。
今回は人災ではなく、新型コロナという外的要因による危機なので、中銀や各国政府の対応は手厚くなりやすく、滅多なことはないと思いますが、ドイツの出し渋り等による混乱、欧州各国政府間のもめ事による不手際などもあるやもしれず、一応の心の備えとして。
一方でこの冬は長期投資の好機かもしれない、という視点も温存。